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復興のカギは「深夜のネコ会議」 DOMMUNE主宰・宇川氏語る

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実は「犬のほうが好き」という宇川氏(左)と東氏(右)

 「頑張ろう日本」、「一つになろう日本」。東日本大震災の直後、「日本」はとてつもない一体感を経験した。政府・マスコミは、この難局に皆で立ち向かおうと宣伝を繰り返し、被災地には全国から多くの有志が駆け、物資・血液・義援金も届けられた。しかし、半年以上が経ち、支援はまるで「祭り」が終わったかのように冷めてしまった。

 震災のときは、その熱狂を共有することで瞬間的に日本が「一つ」になっていると感じられた。しかし今になって、よりハッキリと見えて来たのは、被災地とそれ以外の地域や、被災地内、福島県内での意識の違い、個人個人の考えの違いといった「ばらばら」な日本の姿だ。

 2011年10月15日の「ニコ生思想地図」では、「ばらばらな社会は経験を共有できるのか」をテーマに、東浩紀氏とライヴストリーミングチャンネル「DOMMUNE」を主宰し、被災地から現地の声を伝える生放送プログラム「DOMMUNE FUKUSHIMA!」を立ち上げた宇川直宏氏との対談を放送。ばらばらな社会の中で、どうやって経験を共有して行けば良いのかを議論した。

番組中、宇川氏は何度も「ネコ会議」を持ち出した

 宇川氏は、ヒントになるのではないかと言うのはネコたちが深夜に開く「ネコ会議(集会)」だ。声も発しないし、じゃれることもない。それでも、普段は群れない「ばらばら」のネコが何匹かで集まっている。そんなところに可能性を感じるのだという。

「ネコって地縁にどっぷり浸かっていると思うんですよね。ネコは環境につく、土地につくんですよ。大人になったら親子の縁を切る。でも、血縁を捨てても、これだけ地縁に縛られているネコのコミュニティーを再考したいと僕は思っている」

 宇川氏は、このネコと地縁の関係が、福島の現状に似ているのだという。これを受けて、東氏が福島の復興と文化の関わりについて持論を展開する。

■福島の復興には秋葉原が参考になる

「福島をバーチャルに意味のある場にする」ことが重要

 東氏は、秋葉原という「土地」に「趣味」が結びついた「アキバ」のように、地縁はバーチャルな「趣味縁」とも結びつくことに言及し、福島を復興するためには、「福島をバーチャルに意味のある場にする」ことが重要だという。

「これからあそこで単に牛乳を作ったり、米を作ったりするだけだったら競争に負けて行くんですよ。プラスアルファが必要。でも、そのプラスアルファが『可哀そうだから買ってあげよう』じゃ続かないんですよ。だから、そうじゃない物語を作っていかないといけない。福島がどうやってあそこから再生する物語を作るかというのが凄く大事だと思う」

 また、東氏は、「物語を作るというのは、この国で余剰分だと思われていた」とした上で、

「人間というのは意味がなければ生きていけない生物で、事件だけが客観的にデータで語られるっていう話じゃないわけですよ。その周りの物語の部分が大事で、それをどう制御して行くかで日本のこれからの運命が決まっていく。福島の(原発事故)事件は起こっちゃったからしょうがないわけですよ。あれをどう位置づけるかなんです。それをどう発信して行くか」

とも述べる。放射線濃度のデータを出し、いくら「安全」を主張したところで、原発・放射能・ガンという物語(風評)がある限り、福島は不利を受け続けてしまう。これを覆す別の物語(ブランド)、なぜ福島が素晴らしいかという「メタ言説」が必要だというのだ。

■「後付け」の物語とビジョン

 しかし、一方で東氏は、テレビや広告代理店主導の物語は「すげーつまらない」とも言い放つ。なぜなら、それはあらかじめ作られた物語に人を誘導する手法だからだ。そして、今やその手法は効果を失っている。東氏は、そうではなく、「後付けの物語」が重要なのだという。

「後付けをできるっていうのが、すごく重要だってことを日本人は分かっていない。文化というのはすべて後付けなので。コンテクストをどう変えるかってことばっかりなんだよね」

「物語で人を動かすんじゃなくて、人が動いたのは何でなのかという物語を後から作るわけですよ。反発を受けるだろうなと思いつつ、長期的に見たら、福島は歴史的にどういう立場で、何でこうなったのか、これからこうなるんだっていう、時系列的な話にしないとダメだと思うんですよね」

 どうやら、後付けの物語から生まれてくるビジョン(先付けの物語)が重要になるということのようだ。しかしながら、時系列で語っても、そこに意味が込められていないと、ただの事実列挙になってしまう。そうなると、「物語」は政治家や福島県民が語って初めて説得力を持つともいえるが、原発問題が収束していない中、福島にそれを求めるのは酷ともいえる。話を聞いていた宇川氏は、東氏の議論に概ね同意しつつ、「(福島県からはそうした声がまだ挙がっていないがゆえに)ブランディングというのはもう少し先の話かもしれない。ブランディングするんだったら、僕ら”非”被災地側が考えて、福島にアピールすべきだと思いますよ」と述べた。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 宇川氏が「ネコ会議」について語る部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv66318078?po=news&ref=news#2:53:53

(野吟りん)

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