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「超能力者」ユリ・ゲラーをベジタリアンにした男・矢追純一氏インタビュー【前編】

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UFOや「超能力者」ユリ・ゲラーなど、たくさんの超常現象番組を作った伝説のディレクターというイメージのある矢追純一氏。日本テレビ在局中から、社員であるにもかかわらず書籍の出版や舞台演出など独自の活動を様々にやってきた。

「会社から文句言われたら辞めるから。別にひとつのところにいなきゃいけないってことでもないし、世の中にやることはいくらでもあるので、ひとつの会社に入っちゃたらずっとそこにいようってのはだいたい間違ってる。とっとと辞めればいいんです(一同笑)」

1960年に日本テレビに入社したのち、超常現象を扱うドキュメンタリー風オカルト番組を数多く手掛け、ネッシー、ユリ・ゲラー、スプーン曲げ、UFOなど数多くのブームを起こした。自身も出演していたことで名物ディレクターとしても有名になった。

いまでも続くUFOやスプーン曲げなどのいわゆる超常現象のジャンルは、いわば彼が作ったと言って過言ではない。

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「私がUFOの番組を始めたのは、精神的に余裕がない人が多いから。精神的に余裕がないと、なにをやってもうまくいかないので余計にイライラするという悪循環に入るわけですね。“たまには立ち止まって空を見たら”というのがUFO番組の始まりです。それはいまでも変わらず同じコンセプトでやってる」

──現在は「宇宙塾」という活動をされてらっしゃるようですが。

「宇宙塾には老若男女いろんな人がいて、下は小学生から上は90歳代まで。みんな遠くから熱心に通ってくるんですよ。すでに1週間おきのセミナーで、もう6ヶ月やっているからね。九州も四国も、愛知県や山口県、北海道からも来るし、一番遠いのはニューヨークから通っているのもいるし。30年前に、世の中の人に役に立つことを少しはしてから死んだほうがいいかなと、余計なことを思って」

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マスコミは常識的なことしかやろうとしないから

──矢追さんはTVディレクターとして伝説的な番組を数多く制作されてきました。

「テレビの番組やいろんなところで、どうしてオカルティックなものやUFOをやるのかというとね、基本的にはたまには空を見て、心を豊かにというか、視野を広げなさいってのがひとつ。だけどもうひとつは、ジャーナリストとして、マスコミが常識的なことしか取り上げないのは問題だと思ってるわけです」

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──オカルト的なものはどうしても叩かれがちです。

「常識的なことをやらないと自分の失点になるので、みんな保身に走ってる。マスコミに関係する人は、それはダメなのね。保身に走っているようじゃ、マスコミにいちゃいけないの、ホントはね。で、無理して、俺の昔のUFOの番組みたいなの作りたいなと思ったところで、結局はお笑い芸人をいっぱい集めてごちゃごちゃにわからなくしてしまうことしかできないでしょう」

「実を言うと、常識以外の世界のほうが広いんですよ。当たり前のことながら。ヒラ社員教育に向いている者だけがマスコミを通じて出てくるんです。ほかはぜんぶ隠れてるんです。だから物事が中途半端にしかわかってないんです。それで本を読んでわかった気になってるんですね。知識人とかいって。だけどそれは違うでしょ。目に見えないというか、みんなが知らないようなことも知らないと。こういう世界に生きているんだから無理があるでしょということで、常識的でない、言い換えるとオカルティックなものをなるべくたくさんみんなに情報を流そうとしているわけです」

不思議な能力を持った人は向こうから来た

矢追純一氏はUFOだけではなく、スプーン曲げで有名な「超能力者」ユリ・ゲラーを初めて日本に紹介したディレクターである。テレビを見ていた子供もスプーンを曲げるなどの事例が相次ぎ、一夜にして社会現象となった。

同席していたプロデューサーの郡氏が、話題を振った。

「ユリ・ゲラーさんの時も、こちらから彼に会いに行ったわけじゃなくて、偶然なんですよ」

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「不思議な能力を持った人というのは向こうから来るんですね。ユリ・ゲラーの場合は、ある日、英字新聞を読んでたら、アポロ14号の宇宙飛行士エドガー・ミッチェルが自費で超能力研究所を開設したと書いてあった。なんで宇宙飛行士がって感じだし、自費ってのもね。英雄なんだから金はいくらでも集められるだろと」

「おもしろいから取材に行ったんです。けっこう立派なオフィスで。なんで超能力の研究なんて始めたのかって聞いたら、宇宙飛行士になるにはすごく大変だと。勉強しなきゃいけないし、身体も丈夫じゃないといけないし。過酷な訓練をした上で、こーんな狭い宇宙船に乗って、めちゃくちゃ不自由な思いをしながら行ったと。ツバを吐いたらこの辺に漂っていてまた自分にかかってくるし、ゴミを捨てたらこのへんに浮いてると。そんな空間の中で過ごしてやっと月面に着陸したときに、月の地平線に地球が登ってくるのが見えた、と」

──それはすごい光景でしょうね。

「ああ、なんてありがたいんだろう。あそこにしか俺の帰るところはない。いまここで宇宙服に穴が空いたらここで死ぬしかない。そんな貴重な地球なのに、そこに住んでいる人々は私利なのか私欲なのか知らないけど、金儲けとか戦争とかしているのが、本当にもったいない……それを伝えたいと強く思ったんだ、というのね。ほんとに月に行ったやつの言うことだから、言葉に重みがあるのね」

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「地球に帰ってきてどうしようかと思ったときに、まず、いままで政治は無力だった。宗教も役に立たない。科学はもっとダメだ。彼は科学者なんだけど『科学はぜんぜんダメだ、実際に宇宙に行ってみると、わかるよ』と言うんです。で、彼は人間が本来持っている潜在意識みたいなもの、心の奥底の良心みたいなものに訴えかけることしかないと思って『非営利法人 純粋理性研究所』というものを作った。理性……映画でいうと“フォース”だよね。“理力”というのかな。人間がずっと昔から持ってる魂みたいなもの、それを研究しようと思ったんだと」

ミッチェル先生、そりゃダメだよ

「で、そのエドガー・ミッチェルが、ついこの間、ユリ・ゲラーという青年をイスラエルから呼んだというのね。それはスタンフォード研究所との共同研究で……スタンフォードリサーチといえば、シンクタンク系で世界一のところだからね」

「どんなことやったかというと、触らずにスプーンが曲がるだとか、缶に入れてあるなにかを見つけるだとか、いろんなことやったっていうんだね。彼が一番びっくりしたのは、スタンフォードにあったデータ記録用のテープがあちこち消えちゃったと。ユリ・ゲラーにお前の仕業だろうというと“いや知らん”と。だけどあいつしか考えられないんだと(笑)。これはスタンフォード研究所としては大問題で」

──これはユリ・ゲラーがあやしいと(笑)。

「あとびっくりしたこととして、精密秤の上に重りと鉛を置いて平均をとっておいて、真空のガラス容器に入れて絶対に振動が伝わらないようにしたうえで、ユリ・ゲラーにこれを動かしてって言ったら“うん”って、じっと見てたらスッと、鉛のほうが軽くなってそのままになってたと。これはありえない。つまり物質が0.何ミリグラムでも無くなったら原爆の何十倍ものエネルギーが出るはずだから大爆発が起きてしかるべきなのに、音もなくスッと動いた。これは科学的にありえないと驚いたって」

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「そんなすごい奴がいるなら取材させてくださいよって言ったら、“いやもう怒ってどっか行っちゃった”と。毎日科学の実験とかでいろいろやらされて、ギャラもくれないから飯も食えないって(笑)。さすがに私も、ミッチェル先生、そりゃ彼も怒るでしょうって言いましたけどね(笑)」

──とても興味深いエピソードです(笑)。

「でまあ、ユリ・ゲラーはどこにいるかわかんないっていうから諦めたの。私は壁は乗り越えない主義なんです。壁は迂回するの。無理はしない主義なんです」

「次の取材でニューヨークの心霊科学研究所というところに行って、幽体離脱をするアレックス・タナウスの取材をして、夜にそこが主催のパーティがあった。隣にアメリカの太ったおばさんが座って“あんた日本人でしょ。私の友達の日本人があなたと話がしたいっていうから電話を代わってくれる?”って。相手は日系三世くらいで日本語は一切できませんっていう人だったんだけど。あなたはどういう仕事をしてるんですかって言ったら、なんと“ユリ・ゲラーさんという人の秘書をしている”と言うんです(笑)。なに? と。パフォーマンスもなにもしなくていいなら時間取ってあげるというので、お願いしますと。取材も無しでというのでハイと言って、取材班を連れて行ったわけ。ダメもとでね(笑)」

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「高級マンションの5階かな。エレベータを降りたらバッとドアが開いて、ユリ・ゲラーが飛び出してきて“お前が来るのはわかってたよ、夢で見た”とか言って。“お前は前世で俺の兄弟だ”って(笑)。突然の話ですね」

──矢追さんが来るとわかっていた、と。

「取材班も一緒に入れてもらって、いろんな話をしてるうちに、“なんか見せて欲しいか。なにか金属を持ってたら出せ”っていうので、ちょうど数日前にニューヨークの煙草屋で買った、パイプに煙草詰める十徳ナイフみたいな道具がポケットにあったのを出した。スプーンみたいになってる部分を持って、ユリ・ゲラーがこすってるうちにどんどん曲がっていって、ポキっと折れちゃった

「その一部始終をカメラで撮ってたんだけど、そのカメラマンがいちばんそういうこと(オカルト的なこと)が大嫌いなヤツなんだよね。そいつが“矢追ちゃん、これすごいよ”と。これ、ずっとカメラでアップで撮っていて見てたけど、すり替える隙がないって。そんなもん、まずすり替えるモノが無いだろって(笑)」

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「だけど、どんどん曲がっていって折れて落ちるまでがアップで撮れたっていうから、じゃあすごいんだろうと。そういう能力は人間誰にもあるかもしれない。それはひょっとしたら世の中のためになるかもしれないんで、日本の科学者に見せたらなにか新しいことがわかるかと。そのころの私はまだ科学ってどのくらいのものかってあまりよくわかってなかったんです」

「それでユリ・ゲラーに、日本に来てくれないかって言ったら“お前がぜんぶ仕切るんだったら行く”って言うから、めちゃくちゃ安いギャラで来てもらったんですよ」

ユリ・ゲラーを菜食主義者にしちゃった

「日本に連れてくる前、ニューヨークにいたときにユリ・ゲラーに、お前ジャパニーズレストラン行ったことあるかって聞いたら無いっていうから、連れてってやろうかって言ったら喜んで来たわけ。天ぷらやすき焼きなんかをいろいろ食べてね。俺が連れてくまでは日本食を知らなかったんだよね。アメリカ人ってみんな知らないっていうか、金ないと行けないんだよね。高いから。行ける人はエリートなの」

──当時は海外では日本食はそんなにメジャーではないですからね。

「そこで、うまいとか、生まれて初めてこんなの食べたとか言ってるわけ。一番感動したのは味噌汁だっていうの。これはなんだって聞くので、大豆を発酵させたペーストがベースだと。白い四角いのは何だというので、これは豆腐だと。畑の肉と言われているタンパク質豊富なもので、動物性の肉よりも身体にいいと。なんとなく、超能力にはあまり肉は良くないんじゃないか、と言ったら“うーん、そうだな”って、納得した様子だった。で、その次に行ったときには彼は完全に菜食主義に変わってたの(一同爆笑)」

「それまではね、こーんなに太ってたの。肉が大好きで、やたらステーキ食べてたんですよ。でも、あの人も徹底するからさ。完全に菜食主義になってて、スープでも動物性のものが入ってたらもう飲まない。一切ダメなんだよね。日本に来た時も、コンビニでうどんを買ってきてそれに醤油かけて食ってるんだよね(笑)。食うものがないんです。魚もダメだから出汁も一切ダメ」

「彼のイギリスのお城みたいな家に遊びに行ったんですよ。テムズ川に沿ったでっかい家でね。昔のMansionってやつですね。これ、いくつベッドルームがあるのかっていう。庭にちっちゃな神社があったりさ」

──ユリ・ゲラーさん、そんなに大きなお屋敷に住んでいたんですか。

「メシになったらさ、こんなでっかいボウルに生の野菜がワーッと入ってて。ジャガイモでもナスでもこうやって生でガリガリ食うの。すごいなこの人、と思って。でも……それじゃ俺が食うものが無いじゃん(笑)。ユリ・ゲラーは、かわいそうだからお前のぶんはシリアルを用意しといたからって言うんだけど……それ以来、彼の家には行ってないんですけどね(笑)」

「超能力を扱う人は肉を食べないってイメージはあるけど、ホントのところは知らないよ。なにかひとつ決めると、みんなそこに行きたがるけど、こうじゃなきゃいけないって決まりなんてこの世の中に無いんだって。いろんな人の話を聞くと、みんなひとり合点で自分なりに知識としてこの中に詰め込んでいるものを出しているだけなんだよね。それは単なる知識であって、彼自身が体験してないから空虚なんです。空虚な言葉の遊びをするわけ。矢追さんって、こうなんですよね?って。でも、そんなの知らないよ。それぞれが好きなものを食えばいいんだよ」

スプーンを曲げるなんて、もったいないじゃん

──ほかにオカルトと食べものにまつわるお話はありますか。

「正直言うとさ、じゃあ雪男の糞はあったのかって。あったんだろうけど分析結果はどうなのか。じゃあネッシーは何を食べているのかって? それはわかりません。宇宙人がなにを食べてるかなんて、もっとわからん」

「でも、ロシアのメドヴェージェフが首相時代に、すでに宇宙人はロシアに住んでいる、と公表した話はあるね。2012年の2月に、記者会見のあとにリポーターから聞かれて本人が実際にそう答えた」

──うわ、メドヴェージェフが認めたんですか。

「で、そのロシアの宇宙人を監視しているという特殊部隊がいて、そこからの報告書で、こんなぶ厚いファイルで渡されると。ロシアの大統領になると、そのファイルと核のボタンを渡される。そういうことをちゃんとメドヴェージェフは言っていて、画像もあるから」

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──ということは、ロシアに住んでいる宇宙人は、普通にボルシチを食べてウォッカを飲んでいるかもしれないですね(笑)。

「そこまではわからないですけどね(笑)」

郡氏「矢追はジャーナリストなので、自分の目で見て取材して、そこでわかったことしか言わないんですよ。確認してないことは「わからない」という言い方になるんです」

──ところで、超能力は訓練すれば誰でもできるものなのですか。

「超能力によるけど。テレポーテーションなんかはけっこう大変ですね。素質がいる。でもホントはそんなものいらないんだよね。これをこっちにちょっと移動してどうするってことで。日常生活にあんまり関係ないよね。スプーンなんか曲げて、どうするのって。スプーンがもったいないじゃん? みんな目で見てアッと驚くようなことが好きなんだよね。だったらマジックを見たらいいと思うんだよね。最近のマジックは、ホントよくあれできるなってのがあるからね」

──スプーン曲げはともかく、女性にモテる超能力とかがあるといいなと思うことがあります(笑)。

「それは簡単で、“俺はモテる”と思うと、モテるよ。自分に自信がないからですよね(笑)。モテる人ってモテる雰囲気を持っていますよね。雰囲気が目に見えるならそれをオーラと言うのかもしれない。だけど、そんなものが見えてもしょうがないけどね(笑)。なんでも知りたがるけど、知ってもしょうがないことを知りたがるのが無駄というものですね。役に立つことを知らないと」

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「つらつら世の中を見てみると、みんなくだらないことに一生懸命悩んで、毎日を不安と恐怖の中で生きてる。それは気の毒だなって。ホントのことを知らないとこうなっちゃうんだねって。僕自身はちっちゃい時から、12歳くらいから、思ったことは全部ホントになっちゃうんで。食うために働くとかそういうことはない」

【後編】につづく。

参考情報

矢追純一オフィシャルサイト 矢追純一オフィシャルブログ 矢追純一フェイスブック
矢追純一 投稿・鑑定サイト『エンカウンター』

矢追 純一のメルマガ「Encounter.遭遇」 | Powered by THEORY UFOと宇宙科学博物館 コスモアイル羽咋名誉館長

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書いた人:

鷲谷憲樹

43歳フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。 Twitter:@nwashy

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