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マツダ ロードスターによる「打倒英国旧車」への挑戦!

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▲写真は1970年代製の英国製ライトウェイトスポーツ「MGB」。このシブさを96年式のマツダ ロードスターで凌駕してみようと考えた筆者だったが……

英国旧車がステキなのは当然。それゆえ「当然じゃない行動」に出てみたが

いきなり私事で恐縮だが、筆者は今年2月に初代マツダ(ユーノス)ロードスターを購入し、そのレストアというかカスタム作業に日々励んでいる。作業のテーマは「打倒英国旧車」だ。

最初は英国旧車そのもの、つまり70年代か80年代のMGBまたはMG ミジェットを買ってシブく乗りこなそうと思っていた。しかし寸前になって「やっぱりそれじゃ面白くない!」と思うに至り、急きょ初代ロードスターに変更したのだ。

英国製ライトウェイトスポーツにおける中心的存在の一つであるMGBやMG ミジェットは、当然ながらステキな車だ。たたずまいがステキであり、内外装デザインがステキであり、「ライトウェイト」と呼ばれるタイプですら比較的重量級になってしまった現代の車では感じることのできないヒラヒラ感あふれる走りがステキだ。

さらに言えば、同種の英国製ライトウェイトスポーツであるロータス エランやオースチン ヒーレー スプライトなどと比べれば格段に安いというステキさもある。MGBやミジェットであれば相場120万~250万円といったところだが、ヒーレー スプライトはおおむね300万円超となり、エランに至っては天文学的な(?)数字になってしまう。正直、筆者にはちょっと無理である。

で、そんなステキなMGBまたはMG ミジェットを買えばステキな毎日になるのは、ある意味当然の帰結だ(わたしというドライバー自身がステキになれるかどうかはさておき)。そして「そんな当然のことを今さらやっても面白くないよね」と、筆者は不遜にも思ったのである。

それは、例えてみれば野球なりサッカーなりの金満球団が金にあかせて世界中から超絶スター選手多数を獲得して「銀河系軍団」を作り、リーグ優勝を果たすようなものだ。そりゃ優勝するだろうし、そのチームのファンは嬉しいのだろうが、傍から見ている者はちっとも嬉しくない。第一エキサイティングじゃない。

人をエキサイトさせるのはいつだって(古い例えで恐縮だが)映画“がんばれ!ベアーズ”のように、弱き者が強き者を向こうに回して悪戦苦闘し、そして最終的に勝利する……という筋書きだ。そういったある意味痛快な人生を送りたいと常々思っていたはずの自分なのに、いつのまにか軽度の「銀河系軍団志向」になっている……ということにハタと気づき、わたしはカーセンサーnetにおけるMGBやMG ミジェットの検索履歴をすべて削除した。

▲こちらは英国MGのMGB。1962年から1980年まで、全世界で52万台以上が製造・販売された2ドア・オープンカーの代名詞。初代マツダ ロードスターもこのMGBを意識して開発された

▲こちらはより小ぶりなMG ミジェット。1961年から1979年まで生産された小型2シーターオープンスポーツカーで、カニ目ことオースチン ヒーレー スプライトの兄弟車にあたる

たかが30年選手では「半世紀前の味わい」にはかなわない?

そして選んだのが、冒頭のとおりの96年式マツダ ロードスターである。

半世紀以上前に設計されたMGBやMG ミジェットと比べてしまうと、たかだか30年弱の歴史しか持たない初代ロードスターはたたずまいの面で若干弱い。クラシック趣味の世界では中途半端に新しすぎるのだ。しかし、「世界中で途絶えていた軽量FRオープンスポーツの系譜を広島の熱い漢たちが復活させた。そしてのちに世界は広島の漢たちを追随するに至った」というドラマには十分以上のインパクトがあり、日本で生まれ育った筆者としては、自分が作ったわけでもないのに強烈なプライドを感じている。

そのプライドとドラマ性を拠り所に、20年落ちの初代ロードスターをキレイに仕上げると同時に若干のカスタマイズを行い、英国旧車もギャフンと言うほど(?)シブい、ヨーロッパ文化の猿マネではない「ジャパンオリジナルなセミクラシックカー像」を確立してみようと思い立ったのである。

……で、そのような高邁な思想のもとスタートした筆者の初代ロードスター計画だが、実のところを言えば作業は難航している。

いや、筆者のセンスからすると中途半端だった後期型の純正ホイールを前期のそれに戻したり、内装の色調を整えたり、ハリとツヤを失っていたボディ表面が再び輝くよう様々な処理を加えるなど、作業そのものは順調に進行している。しかし、どうにもこうにもシブくならないのだ。

もちろん、同時代の国産車の中では我が96年式マツダ ロードスターはかなりシブいと自負しているし、最近の(筆者に言わせれば)高機能でゴテゴテしてるだけの車と比べても「全然負けてないぜ!」という思いはある。が、どうしても英国旧車を凌駕するほどのシブさが出ないのだ……。

▲一見フルノーマルだが、実は様々な手が入っている筆者の96年式マツダ ロードスター。……写真をモノクロにして、なおかつ「覆い焼き」でシブさを増加させてみたが、それでも英国旧車のような貫禄と味わいは残念ながら出ていないような気がする

▲こちらは96年式ロードスターの内装。ステアリングホイールとシフトノブ、サイドブレーキの色味を統一させるなどの部品交換済み。……同じく写真をモノクロ化してシブさを狙ったが、エアコンまわりなどのデザインはやはり如何ともしがたい

シブさを求めるなら最初から英国旧車を買うべきという当然の結論

往年の英国車ならではの華奢なメッキパーツや、樹脂とレザーの贅沢な使い方がもたらすあの感じを、80年代から90年代にかけて作られた国産量産車で凌駕したり、あるいは凌駕しないまでも肩を並べるのは、やはり非常に難しいのだなぁと痛感するばかりである。

メッキパーツといえば、初代ロードスター用のサードパーティ製メッキパーツも世の中には多数流通しているが、そういう問題ではないのである。アレを装着したところで出来上がるのは二流、三流の猿マネ的な亜種でしかないと個人的には思う。もっとこうオリジナリティあふれる革新的で斬新なアイデアを炸裂させなければならないのだが、筆者の力量不足ゆえそれがなかなか浮かばない。不徳のいたすところである。

長々と個人的なことを書き連ねてしまい大変恐縮だが、要するに言いたいことは「英国旧車的なシブさを手に入れたいならば、筆者のような回り道をするのではなく、最初から普通に英国旧車を買った方がいいでしょうね」という、当たり前すぎて申し訳ない結論だ。

前述のとおりロータス エランを買うとなるとかなりの金満家でないと難しいが、筆者が考えていたMGBやミジェットであれば「車両価格100万円台+その他予算100万円ぐらい」のイメージでイケるはず。そして当然ながら乗っているうちに故障もするし、それなりの維持費は当たり前のようにかかるが、シンプルな作りゆえ、最近の車と違って意味不明な電子的トラブルで悩むことはない。

まぁ筆者の場合は趣味というか道楽というか求道精神の表れとして今後も初代マツダ ロードスターによる打倒英国旧車計画を進めていく所存だが、そこに特別な興味がない各位には、ぜひぜひ最初からMGBないしはMG ミジェットを買うことを強くオススメしたいのである。

▲写真はMG ミジェット。中古車相場は安めの方の平均が100万~160万円といったところで、高い方の平均が250万円前後。しかし、こうして改めて見るとつくづくシブい!

【関連リンク】

MGの車を探すtext/伊達軍曹

photo/伊達軍曹、Wikipedia public domain

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