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【インタビュー】『ニコニコ動画』伝説の露出配信者”ヲタケン”の現在

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ドワンゴが『ニコニコ動画』のサービスを開始してから早10年が経ちます。
今でこそ一般人の誰もが知っており楽しい動画を観れるメジャーなサイトとして浸透していますが、開始した頃の黎明期は混沌としたものでした。

いわゆる世間からはみだしたような「変わり者」がおかしな行為をして動画を投稿して、リスナーを阿鼻叫喚に陥れるというアングラ動画サイトのような空気がありました。

ゲテモノ料理を食べる、原材料のわからない不気味な薬のようなものを作る、全裸になって毒キノコを食べる、ヘルメットをかぶりネギを持って踊り、見ていた女子高生を追いかけるといった数々の奇行をおこなった配信者たちは2007年頃『ニコニコ馬鹿四天王』の称号を与えられ、良くも悪くも『ニコニコ動画』の発展に貢献しました。

今回紹介するのは『ニコニコ馬鹿四天王』の頂点に立つと恐れられ、『鉄の胃袋を持つ男』『ニコ動の王』『ネ申』『変態露出狂』など多くの呼び名と伝説を残したヲタケン氏(起業家、妻子あり)です。

毒キノコを食ってみた

ヲタケンがその存在を世に知らしめた動画。馬の覆面をかぶり、局部のみを隠す程度の超ハイレグ衣装のヲタケンが毒キノコを食す。奇妙な恰好、奇妙な動きで毒キノコを調理する様はまるで暗黒魔術の儀式のよう……!

全裸で臭いもの食ってみた(映像に多少過激な個所があるため自己関任で閲覧してください)

ヲタケンと愉快な仲間たちが全裸になって臭い食べ物を楽しくいただこうという企画。なぜ全裸になるの?なんてツッコミは無粋です。
鮒寿司、くさや、ドリアンなど次々に悪臭料理に挑戦していく姿はまさにチャレンジャー!

ヲタケンと仲間たちによる全裸スリラー(かなり過激な映像個所があります、覚悟して観てください)

いつものように全裸になって踊るヲタケンたちが名曲『スリラー』に挑戦。
マイケルジャクソンが生きていたらこの映像を観て思わず「アオッ!」「ポゥ!」と感激したことでしょう……

他にも『YouTube』や『ニコニコ動画』で検索すると今でもヲタケン氏の数々の奇行動画が観れます。
常に脱衣し、やりたいことをやりたいようにする、という精神は一貫しています。

『アナと雪の女王』の主題歌「ありのままの自分になるの~」とは彼のことを指しているのではないでしょうか?

ちなみに台湾やヨーロッパでもヲタケン動画がテレビで放送され『日本の恥』というあらたな称号も得ました。

そんなヲタケンが、現在企業経営者に!

『ニコニコ動画』を引退したヲタケン氏、なんと地元で会社を起ち上げました。
ダブルエムエンターティメントという企業です。

業務内容

『VR(バーチャルリアリティ)』

『3Dパノラマ』

公式サイトを見るとわかるように、立派なIT企業として設立しています。筆者はIT専門家ではないので詳しくはわかりませんが公式サイトを見たかぎりでは、時代の先端技術を駆使しているような感覚を受けました。

会社設立から7年、これまでどういった経緯で今現在の立場に至ったのか、ヲタケン氏本人にインタビューをしました。

ダブルエムエンターティメント代表取締役、ヲタケンインタビュー

『ニコニコ動画』黎明期に颯爽と登場した素敵な変態

――ニコニコ動画黎明期に活躍してニコニコ馬鹿四天王と呼ばれたヲタケンさんですが、あのときのことを今振り返ってどう思ってますか?

ヲタケン(以下、ヲ):楽しそうなことやってたらいつのまにかそう呼ばれてました。
卵を腐らせてたのは以前からいつかやろうと思っていたことなので、ニコニコ動画ではビジュアル的なインパクトもあるし、裸芸はとりあえず面白そうだからやってみようとしたら思いのほかウケました。

――ニコニコ動画がサービス開始したころは混沌としてましたね。誰もがどんな動画がうけるか試行錯誤してた感がします。

:MADとか●●転載とかが多かった印象があります。アングラ感がまた楽しかったっていうのもありますけれども、顔出しもそんなに多くはなかったですね。

――ヲタケンさんはニコニコ動画に全裸を晒すという荒業を繰り出して、家族や友人からネガティブな反応はなかったですか?

:親は警察のご厄介にならん程度に好きにやれってスタンスなので、それは守りましたよ。友人はまぁ、僕の友人ですから面白がって一緒に出た友人もいれば外から見守る友人もいればってとこですね。

――『全裸スリラー』等、野外で全裸ダンスすることで警察のお世話になりそうな不安はなかったですか?

:あの全裸シリーズ、見る分にはただの裸ですけど、めちゃくちゃ計画して作られたコンテンツですからね。特に屋外はロケハン(下見)したり、撮影時に周囲見張りたててトランシーバで連絡取らせたり、撮影手順もあらかじめ絵コンテでタイムラインガチガチに決めてたりとかしてましたよ。

――そこまで綿密に計画を立ててたんですね!その結果あれだけの人気動画になったと……。

:計画立てて作らなきゃ、タマゴのやつだって1年前のと半年前のとが2個続いて出てこないですよw あとはそこから少しずつ軌道修正というか、ユーザコメントから研究して構成していったりもしましたね。例えば、自分が安倍総理(当時)に似ているというコメントが盛り上がったので、それを意識して2作目では冒頭シーンを国会議事堂前で撮影したりしました。

――海外のテレビ番組でも報道されて「日本の恥」といわれたりもしてましたね。

:ドワンゴ関係者にもその「オマエのせいでニコニコが日本の恥呼ばわりされてっぞ」は言われましたね。

――それはある意味名誉でもありますね、世界のヲタケンになったというか。

:「それが国内外でウケてんだからいいじゃねぇか」って話ですよ! 世界といえば、MTVから動画使用料として小切手もらいました。換金すると手数料3000円くらいかかるんでそのまま家宝にしてます。

――ヲタケンさんたちが活躍した後のニコニコ動画ですが、歌ってみた、踊ってみた等が流行ってある種、画一的になったというか特殊な奇行をする人は減りましたね。

:そりゃ表世界に出るようになったら僕のような恥部がのさばる場所はないですよね。1回何か沖縄かどっかの映画祭にまじって動画投稿したことがあるんですけど、一般人や芸能人も来る会場の大スクリーンに映すやつなんでできればもうちょっとソフトなやつでっていわれたことありますよ。でも当時僕が持っていた魅力というのは日の当たるところで発揮されるものではないので、そういうのはアングラでひっそりやりましょってので十分だと思います。

――ニコニコ動画での活動を総括するとどう思ってますか? 忘れたい過去ですか? 素敵な思い出?

:全ては僕の軌跡ですから、忘れたいなんて思ってません。それがあって今があるわけですし。

――栄光の軌跡なんですね!

:そうですね、誇りです。誰もがカンタンにマネできることではなかったと思います。毒キノコ食った人間の言うことじゃないですが、相当な自信家ですよ、僕は。

――たしかにヲタケンさん以外にマネはできませんね!

同人誌『パラダイス全裸』の頒布

――同人誌も出してましたね『パラダイス全裸』でしたっけ?

:そうですね、とても良いタイトルだと自分でも思います。

――どんな内容の同人誌でしたか?

:複数の裸の男性が戯れる姿を描いたファンタジーです。決してエロスやホモ行為を生々しく描いたのではなく、楽しく裸で過ごそうというテーマで作りました。

――タイトル通りパラダイスな内容なんですね。今でも入手できるんでしょうか?

:以前まんだらけで見かけたことがあり驚きましたが、性器のルートで入手するのは無理ですね。(原文ママ)

現在はIT企業の社長!その業務内容とは?

――現在IT企業WM(ダブルエム)の代表取締役をしてるとのことですが、WMというのは起業前におこなっていたサークルWMからの名前ですか?

:そうです、原点というか、積み重ねですね。

ダブルエムエンターティメント製作『さっぽろ雪まつり』VR映像

:画面内をマウスドラッグしてください。左上のマップをクリックすると拡大して、濃い青丸のポイントには移動できます。右上のバナーリストでは、「設営期間」「解体作業時」「8-12丁目エリア」、そして「夜」とシーン切替ができます。
さらにその下にあるのは僕の会社へのリンクバナーです。
これ、今年のさっぽろ雪まつりで公式採用された、会場のVRパノラマビューです。

――本当に雪祭りに参加してるバーチャル体験ができますね!

:設営期間ビューをクリックしたときに見える風景、これはこのジャンプ台に上るプロ選手しか見られない高さです。特別な許可を得て撮影したものですが、雪まつりの設営中様子がこのように見られるのは同イベント史上初の試みでした。
とまぁ、今ではとてもマジメにみんなが楽しんだり、スゲーって思わせたりという企画を続々打ち出しています。

――素直にすごいです。感動しました!

:人を感動させたい、楽しませたいという気持ちは昔から変わっていないですから。

――WMの社員のみなさんで制作したんですね。

:あぁ全部僕1人です。ウチの会社従業員いないですからw 企画~撮影~編集~公開まで、全部まとめてできるのは、北海道では僕しかいないです。

1人でここまでできるのは才能と努力の賜物。将来ヲタケンさんは北海道の偉人になりそうな予感がします。
上の映像は過去のガジェット通信でも記事になったとのこと。
続いては、旭川市からの依頼で製作した旭川冬まつりのVR映像。

――これもヲタケンさん一人で制作したんですか?

:そうですね、これは開会日に現地行って昼と夜を撮影して、翌朝には完成していました。もちろん徹夜ですけどね。旭川冬まつりは開催期間がさっぽろに比べて短いので、いろんな人がコレを見て「なるほど、よし行くか」ってな気持ちになってもらえるためにはさっさとアップしなきゃならんのですよ。

――なるほど。なかなかスケジュールが厳しかったんですね。

:そうですね、最初に見てもらった雪まつりが金曜日に撮影して、この旭川撮影したの土曜日で、アップしたの日曜日ですからなかなかタイトな仕事でした。そんなわけで、VR取り扱う北海道の企業では唯一、自治体導入実績を持っているのがウチです。

メイドカフェの元店員が現在の奥さん、そのなれそめは?


――ご家族について聞かせてもらいますか?奥さんとお子さんがいるそうですが。

:カミさんとガキ、いますよ。僕に似てブサイクだけど可愛い3歳の娘が。

――奥さんはメイドカフェの元店員さんときいたのですが、どうやって結婚までたどり着いたんでしょうか?

:(原稿チェック時にカミさんに見られてキレられたので)まぁいろいろあって思い切って僕がデートに誘ったことから始まって結婚にたどり着きました!!コレならいいんだろコレなら!!メイド喫茶に通い詰めたわけじゃありません!!

――ロマンチックな話ですね!

:もしあの時僕がカミさんをデートに誘っていなければ、今でも独身だったとは思います。うまくチャンスをモノにできたんだなと。

――運命の出会いだったんですね……家族で楽しく暖かく暮らしてらっしゃいますか?

:次の日曜日はお弁当を持って家族で動物園に行きます。

――ほのぼのと楽しく過ごしてるんですね。

:そうですね、楽しい普通の家庭です。

――お忙しい中インタビューありがとうございました!

 ダブルエムエンターティメントより、告知!

ウチの会社はVR(バーチャルリアリティ)を取り扱う北海道の第一人者なので、実はいろんなところから相談が来ます。広告代理店や自治体の担当者、その他民間でも多いですが、僕ができることとちょっとズレてることだと、外注に出したり、他の会社さんとマッチング(クライアントと技術者を引き合わせ)することも多いです。全国的に見ても、VRをビジネスコンテンツとしてリリースし、成功させている企業はほとんどなく、技術はあるのに実績が無いなんて苦しんでる企業がたくさんいます。
なので、ウチのような小さいけど案件相談がたくさん来る会社と引き合わせしたいので、まぁなんか見てる人で興味があれば声かけてください。

以上、『ニコニコ動画』に伝説を作った男の過去と今についてでした。
インタビュー内容は記事としてちょっと使えない危ない部分を編集させていただきました。

過去に全裸シリーズで『ニコニコ動画』を席巻していた伝説の男ヲタケン氏。現在ではVRで人を楽しませ、感動させる仕事をしています。
自由に楽しくやりたいことをやる、という点においては今も昔も変わっていないのかもしれません。
好きなことをやって人を楽しませる生粋のエンターティナー、第2のヲタケンになるのはこの記事を読んでいるあなたかもしれない……。

(画像提供 ヲタケン)

―― 見たことのないものを見に行こう 『ガジェット通信』
(執筆者: マツダ草介) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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