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祖母が1歳の孫を暴行というニュースから、祖父母の育児参加について考えた by kikka303

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島根県松江市で、1歳4か月の孫を叩くなど暴行を加え、意識不明の重体にさせたとして、50歳の祖母が逮捕されたというニュース。

先月から女の子を預かっていた祖母は「自分に懐かずイライラしていた」と供述しているそうだが、1歳2ヶ月の子を持つ身としては大変ショッキングなニュースであった。

育児において祖父母は戦力?ボランティア?救世主?

「上の子は大丈夫なんだけど、下の子がねえ、ぜんぜん懐いてくれなくて、私、預かれないのよ」

近所のおばあちゃんからそんな話をきいたのは2年ほど前だったろうか。

子どもの個性によっては懐く人、懐かない人が次第に出てくる。

そのおばあちゃんは、子どもたちの家とは徒歩数分の距離に住んでいたが、両親のかわりに子どもの面倒を見ようと思うにも、抱っこしたらギャン泣きし、暴れる1歳児を相手に途方にくれたのだという。

保育園に通いはじめて今年で6年目。祖父母による送迎は年々増えているように感じる東京都市部である。

我が家も都内に住む母に週に3回、通いで夕方から来てもらっている状況だ。

都内どうしとはいえ端から端への移動となるため、“通勤”には片道1時間半かかる。

洗濯や掃除などの家事のほか、保育園のお迎え、子どもの夕食、お風呂、寝かしつけまでをお願いし、その間に帰宅した我々はそれぞれ夕食をとり、子どもの話をきいたり、歯みがきのチェックをしたりという日々だ。

「これ、ベビーシッターさん使ってたら、いくらになっちゃうんだろうね」

という話はよくする。

ファミリーサポートという選択肢もないではないが、ファミリーサポートは22時まで対応はしてくれないし家には来てくれない。

やはり母と同じように子どもを見てもらうことを望むなら、ベビーシッターさんとの比較が現実的だろう。

週3回、18時~22時でざっくり計算して15万円ほどはかかるだろうか。

実母とはいえ好意に甘えている形なので申し訳ない気持ちもある。

しかし、実家の協力なしに我々の職業では現状の保育制度には合わせることができない。

「そんなことも知らないで子ども作ったの?」といわれることもしばしばだが、よほど興味を持って深掘りしていかない限り、独身生活を謳歌しているときに保育制度には関心がないのだ。

そして、実際に壁にぶち当たったときにあわててこう叫ぶ。

「たすけてよ、おかあさ~ん!」

あれ、この構図、どこかで見覚えがあるな。

母は「もう、ほんとうにしょうがないなあ」と言い、ポケットからひみつ道具を出すのだろう。

晩産化と祖父母高齢化と元気あふれる孫の世話問題

そんな我が家だが、2人目の子どもが保育園に通いはじめてから、分担がややこしいことになった。

体力に自信がなく、70も近い母が一人で5歳と0歳を同時には見られないからである。

最初の1年は兄弟の保育園が遠く離れていたため、母にはこれまでどおりのルーティンを、私は次男を担当する生活をしていたが、今年からはふたりの保育園が至近距離である。

母がまとめて連れて帰れないこともないが、そのあとの数時間1人で子ども2人を見るのはしんどかろう……。

5歳になった長男は自分でできることも増えてきたが、次男は次男で活発に動くようになると目が離せない。こちらがちょっと台所に入っていた隙に転んで泣いたり、ティッシュの中身を全部引き出していたこともあった。

「あちらを立てればこちらが立たず」とはこのことか。

また、長男は成長につれ、眠いときなど言うことをきかない日も多く、私が帰宅すると、母が怒っている声が風呂場から聞こえてくることもたびたびだ。

子どもたちにできることが増えていくと同時に、両親や我々夫婦はどんどん老いていき、できないことが増えていくのだろう。

だんだん母は体調不良でお休みすることも増え、今までどおりには甘えられなくなった。

時を同じくして、働いていた実父が退職ということになり、これまで大人の夕飯も用意してもらっていたが、その分は予算削減でカットになった。

家に人が増えるということは、生活にどうしても変化が生まれる。

試行錯誤の結果、週のうち1日は母に遅めのお迎えをお願いし、2人とも連れて帰ってもらい、私ができるだけ早く帰ることで負担を減らすことにした。

大人の食事は、質素になった。

孫という名の宝物に疲れてしまうその前に

ハレとケの考え方でいうと、子どものかわいい部分=“ハレ”を両家の親たちが、子どもの憎たらしい部分=“ケ”を我々夫婦が担当すればいいかなという気持ちがあるのだ。

「たまには映画でも行きたいわ」

「来週整形外科寄ってから行きたいのよね」

「この日、お友達とご飯食べに行ってもいいかな」

「歌舞伎のチケットが手に入ったんだけど、どうしよう」

せっかくの“老後”(という表現を使うと母は怒るかもしれないが)を小さい子の世話で台無しにさせたくないと思ったのは、私自身、産後にいろんなことをあきらめたり我慢した経験があったからだろう。

そして、母も30数年前同じようにいろんなものをあきらめて、ここまで来たのではないかと。

いちいち私の承諾なんか取らずに行ってきたらいいのに!と思いつつ、その分の負担はこちらにやってくる。

しかし、それはもともと、自分たちが背負うべきだったものでもあるのだ。

孫の面倒を見てもらうことが、親孝行なのか親不孝なのかがよくわからなくなりつつも、「まあ、なにごとも程度問題だよなー!」と、私は今日も母にLINEを送るのだ。

「きょうはお迎え18時でお願いします!」

数分後、「OK」と書かれたかわいらしいスタンプが返ってきた。

著者:kikka303

年齢:39歳

子どもの年齢:5歳・1歳

1976年東京生まれ、都立北園高校出身。東京モード学園に進学するもインディーズブランドブームにのって学校を中退、以降フリーランスのデザイナーとして活動。その傍ら、会社員としてデジタルコンテンツを担当。2010年に結婚&出産。現在は都内某所にてWEBディレクター職についている。超イクメン夫、チャラい長男、食いしん坊な次男との4人暮らし。

@kikka303

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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