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父から息子へ、受け継がれたクラシックミニ【輸入車“若者”オーナー見聞録】

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▲幼いときから身近にあったクラシックミニ、それは父の車だった。いつしか自分も大人になり、車選びを始めた。そして選んだのは、あのミニ。―父から息子へ、受け継がれる車の物語

物心ついたときからそばにいたミニ

父親が長らく乗っていて、自分も幼い頃にその車内で長い時を過ごした思い出の車。それを、成長し運転免許を取ると同時に父から譲り受ける。……感動的な話だが、実際はなかなかある話でもないだろう。しかし今回紹介する鈴木隼人さんは、そんな“できすぎエピソード”を地で行く人物だ。

「父がこのミニを買ったのが僕が3歳ぐらいの頃でしたから、物心ついたときからウチにはこのミニがありました。後部座席に座って、父の運転でいろいろなところへ行きました。そしてこのミニが、僕は本当に大好きだったんです」

そんな鈴木少年もいつしか鈴木青年となり、生まれ育った福島県を離れて就職のため東京へ。上京後しばらくは自家用車どころではないバタバタの生活だったが、そのうち余裕もでき、自宅近所で駐車場を借りる算段もついた。

「で、父に言ったわけです。『あのミニをぜひ譲ってほしい』と」

ここで「うむ、そうか! お前もついにあれに乗れるぐらいの男になったか!」と言ってお父さまが快く譲ってくれたなら美談だが、実際はお父さまもかなり気に入っていたため「難色を示されました(笑)」とのこと。

しかし結論としてその後、1998年式ミニは東京へやってきた。

ミニで車中泊!?

古い設計の車ゆえ故障がないわけではないが、そんなことは気にならないぐらい鈴木さんはミニにホレている。

「人生の一つひとつのシーンにこのミニがあって、それを今、自分が運転しているんだなぁ……という感慨もありますが、それだけじゃなく、ダイレクトというんでしょうか、とにかく思ったとおりにキビキビ動くのが本当に楽しいんです。そしてクラシックミニは車内が狭いですが、その “ちょうどいい穴蔵感”みたいなものも実はお気に入りなんです」

穴蔵感?

「はい。金曜日の夜に仕事が終わると、たいてい僕はミニに乗ってあちこちへ走りに行きます。で、そのままミニで車中泊しちゃうことが多いんですよ」

ミ、ミニで車中泊!

「 前席の左右に横たわるというか丸まって寝るんですが、微妙な穴蔵感、包まれ感が心地いいんです(笑)」

ミニに乗る用事がないときでも、会社帰りは駐車場に立ち寄って自分のミニを眺め、そして「……やっぱイイなぁ」と心の中でつぶやくという鈴木さん。

そこまで惚れ込んでくれたなら、難色を示しつつも譲ってくれたお父さまも納得だろう。……いや、本当は表面上渋ってみただけで、息子が「コレが欲しい!」と真剣に言ってくれて、実はかなりうれしかったのかもしれないけどね。

※この記事はカーセンサー本誌2016年7月号に掲載された「輸入車“若者”オーナー見聞録」を、WEB用に再構成したものです。年齢などの情報は掲載当時の内容に準じます。

▲1959年に発売され、その後約40年の長きにわたり生産された英国製小型FF車。鈴木さんの愛車は1998年式クーパーで、お父さまが2000年頃に中古車で購入したもの。2015年10月に隼人さんが譲り受けたときの走行距離は約4.1万㎞、現在は約5.4万㎞

▲「真後ろから見たフォルムがとっても好きですね。ぷりぷりしたお尻というのか何というのか、クラシックミニならではの得も言われぬ造形は見ているだけでうれしくなります」(鈴木さん)

▲「丸型2灯のフォグランプは僕が付けたものではなく、父が乗っていた時代から付いていたものです。丸い感じがカワイイのと同時に、ラリーの雰囲気も感じられて素敵です」(同)

▲「車内は正直かなり狭いですが、でもなぜか全然フツーに座れちゃうのがクラシックミニの不思議なところです。あとこの絶妙な閉塞感というか穴蔵感も、逆に好きですね」(同)

▲鈴木隼人さん。福島県出身・東京都在住の会社員、19歳。車好きだった父親の影響で自身も自動車ファンに。当初はスポーツカーに熱中したが、その後ミニやルノー トゥインゴなどのヨーロピアンコンパクトを好むようになった

【関連リンク】

クラシックミニ(ローバー ミニ)の中古車をみてみるtext/伊達軍曹

photo/畠中和久

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