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「売名行為だ!」ボランティア活動がしづらい芸能人の悩み。放送作家が考える解決策とは!?

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熊本大震災の被災地に対して支援金やボランティア活動をする芸能人を『偽善・売名』と誹謗中傷する者が沢山いる。この風潮を嫌って現地へ行くのを躊躇する芸能人は多いらしい。

 

まず『偽善』という日本語は解釈がとても難しい。

 

無償の善行でないとすれば、例えば“自分っていいコトしてる”と思っただけで、それは偽善者に当てはまる。1円寄付してそう思ったとしたら多くの人が偽善者だろう。

 

そこで、ここでは芸能人のボランティア活動は売名行為か?に限定して、ちょっと話したい。

名乗るべきか名乗らざるべきか?

話は遡る。こんなニュースが新聞の片隅に小さく載っていた。1995年に発生した阪神・淡路大震災で、あるスポーツ選手が多額の義援金を寄付し、お上の人と握手している様子が新聞にでかでかと載っていた。

 

そんな中、ある金融機関に一人のお婆さんが現れ「これを義援金として送って欲しい」と置いていった。包の中身は1千万円。慌てて職員が名前を聞こうとしたがお婆さんの姿はもうなかった。

 

あるタレントは「自分だったら後者でありたい」と話していた。そのスポーツ選手の寄付は人気が欲しいが為の売名にあたるのか?名乗らず寄付したお婆さんは無償の善行者なのか? それは人の受け取り方次第かもしれない。

 

あれから20年が経った。

 

タレントの紗栄子さんが500万を熊本県に寄付したこと。浜崎あゆみさんが熊本支援プロジェクトを立ち上げ、ロゴを発表したこと。SMAPの中居正広さんや俳優の高良健吾さんが被災地へ赴いて支援活動したこと。これらが売名だとネット上を騒がせた。

 

紗栄子さんは「批判を受けるのは承知の上」と公言して現在も活動を行っている。

 

また、俳優の杉良太郎さんは「偽善で売名ですよ。偽善のために今まで数十億も自腹切ってきたんです」とキッパリ言っている。


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「私のことをそういうふうにおっしゃる方々も、ぜひ自腹で数十億出して名前を売ったらいいですよ」(杉良太郎)
Fujisan.co.jpより

杉さんは俳優になる前から様々な慈善事業を行っている方で、おそらく長い間幾度となく心無い言葉を浴びせられたことだろう。

 

被災者側に立ってみれば、偽善だろうが売名だろうが困っている自分たちに手を差し伸べてくれる有名人はヒーローだ。

売れてる芸能人が売名なんて意味ある?

言わなくても分かっている人も多いと思うけど、あえて言いたい。知名度が高い芸能人がボランティア活動をしても、それは絶対に『売名』ではない。本人はそんなつもりでやっているわけがない。

 

なぜそう言い切れるかというと答えは単純で、圧倒的に知名度がある芸能人はボランティアをやらなくても、仕事もお金もあるから。結果的に売名になっていると言われるかもしれないが、前提に“売名する必要がない”とだけは言っておきたい。

 

有名人には有名税があるなんて言うけれど、特に芸能は人気商売だからいつ消えるともわからない。そんなキビシイ世界にいて、いつも応援してくれている人々が困っているなら何か力になりたいと思うのは自然だろう。

 

あるテレビ番組で「有名人が活動することで支援の輪が広がればイイ」と言うコメンテイターがいたが、心から拍手した。

 

例えば、ももいろクローバーZは、東日本大震災で被災した宮城県女川町に定期的に訪れてLIVEなどを行っている。その地はファンにとって聖地とされ観光に訪れる人は後を絶たない。これが売名と言うなら言えばいい、でも女川町の人は心からももクロやファンに感謝していることは事実だ。

 

熊本だって同じだ。芸能人が来てくれてどれだけ勇気づけられた人がいるだろう。芸能人にはそんなパワーが秘められているんだ。毒つけばいいってもんじゃない

 

また、頭がオカシイんじゃないかと思ったのは、SNSで、何も支援のアクションを起こさない有名人を悪者扱いする輩だ。何かすれば偽善・売名、何もしなければ血も涙もない…。

 

どっちにしてもイチャモンを付けられるわけだ。たぶん、公表しないだけで多額の援助金を贈っている有名人は沢山いるはず。名乗ろうが名乗らまいがそれは個人のスタイルだし、それを他人がどうこう言うのは筋が違う。

 

少なくともお店に設けてある寄付金箱に1円も入れたことがない人間が文句をつけるのだけは言語道断だ。

じゃあ本当の売名って?

こういうシーンにおいての『売名』は、さほどパッとしない有名人がこれをきっかけに話題になろうと、自分から、もしくは他人経由で活動の様子をSNSにバンバン発信した場合とか。

 

また、被災地へ行ったはいいが大した活動もせず、写真撮影だけは沢山応じて功績を残したように見せ、スケジュールの都合だとかですぐ帰ってしまう人だ。本当に力になりたいのか? だったら行くことはないと個人的には思う。

みんなで売名すればいい!

ここまで『芸能人の売名』を整理してみたが伝わっただろうか。それでもボランティアアクションを起こしたら売名、と言う声がどっさりくるなら、いっそのこと芸能界が一丸となって売名に走ればいいじゃないかと提案したい。1人だと叩かれやすいけど何人か束になれば目線が散って行動しやすいはずだ。

 

誰かが発起人になり“芸能界ボランティア団”みたいな会を作る。そして賛同者がグループを組み、週替りとかで被災地へ行く。

 

石原軍団、吉本芸人軍団、EXILEファミリーグループ、ジャニーズ軍団、アイドルの48とか46とかのグループ、モデル軍団、などなど、一声かければ集まりそう。それこそ芸能版国境なき医師団みたいな集団を作るんだ。

 

こんなふうに大勢の芸能人がボランティア活動して、偽善と売名がインフレ的になれば叩きたがる輩も減るはず。

 

最後に、私のこの記事は明らかに偽善ですのであしからず。

 


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『売名行為』などの雑音や無理解にさらされながらも、なおも震災復興にかける彼の思いとは?西川貴教
Fujisan.co.jpより

< 取材・文 / 放送作家 石原ヒサトシ >

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