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緊急家族会議! 「もしも」のとき、わが家はどうする?

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熊本を襲った大きな地震。連日繰り返される報道を見て、「わが家でも災害に備えなければ」と思った人は多いはず。しかし、「実際、何から始めたらいいの?」と迷っているうちに毎日を重ねている人も多いのでは? そこで今回は、わが家の防災のはじめの一歩として、専門家の意見を聞きながら「緊急家族会議」を開いてみた。

まず身を守り、安全に避難して、家族と連絡を取る。必要最低限の確認を

家族会議を開くわが家は、会社員の夫、自宅フリーランスの妻、小学校3年生の長男、1年生の次男、生後5カ月の長女の5人家族。広島市東部にある築10年の一戸建てに住んでいる。東日本大震災直後、非常時持ち出し袋や備蓄品をいったんそろえてみたものの、その後中身を更新することもほぼなく、家族構成や通学先の変化への対応も全くできていないのが実情だ。

そんななか、今回アドバイスをお願いしたのは、防災のためのワークショップも開催している「ピースボート災害ボランティアセンター」の合田さん。災害に備えるために、最低限、家族で話し合っておくべき内容について伺った。

合田さんによると、やっておくべき最低限のポイントは以下の通り。

(1)災害発生時、怪我をしないように家の中の危険をチェックしておく

(2)最初の危険を避けられたら、家族それぞれがどこにどう避難すればよいかを決めておく

(3)避難場所で安全を確保できたら、家族同士が連絡を取り合える手段をたくさん知っておく

(4)ライフラインの復旧までに、家族の命をつなぐための備蓄品を整えておく

(5)次の家族会議のタイミングを決めておく

アドバイスに基づいて、実際に家族会議を開いてみた。

(1)まずは家の中の危険をチェックして、災害時の怪我を防げ!

「地震などの災害時、怪我をした人の3~5割ほどは、家具が倒れたり、窓ガラスが割れたり、照明が落ちたりして怪我をしています。逆に言えば、それさえ防げれば、怪我をする確率もかなり低くなるということです」と合田さん。そこでまずは家の中で、倒れそうな家具や落ちそうな照明がないかチェックしてみた。

わが家の家具は、大きなものはもともと突っ張り式の家具が多い。食器棚や仕事部屋の本棚、リビング脇の薄型収納も突っ張り式。倒れそうな家具といえば、高さ100cm以下のカラーBOXや衣装ケースのみだった。唯一気になったのは50インチ超の大型テレビ。見るからに不安定で、倒れて液晶が割れたら危険そうだ。ネットで調べてみたらワイヤーやポールで固定できるグッズがあるようなので、購入を検討することにした。

その上で、「わが家で一番安全そうなのはリビングのソファのあたりだね」という話に。テレビからも2mほどは離れているし、頭上には照明もない。すぐ後ろはキッチンで、その奥にある冷蔵庫などが万が一倒れても下敷きになる心配はなさそうだ。「リビングまわりにいるときは、動けたらソファ集合」ということにした。

すると、「じゃあ、俺の部屋は?」と長男。子ども部屋にも背の高い家具はないが、ベッドが全面窓に接しているので、「窓から離れたほうがいいかも」。しかし、子ども部屋のベッドは下部収納付きで1mほどの高さがあるので、「カーテンを閉めておくだけでも、ガラスによる怪我はかなり防げます」との合田さんのアドバイスで、「寝るときにはきちんとカーテンを閉め、一瞬を争う緊急時には、布団をかぶろう」という話になった。

【画像1】突っ張り式の収納家具で転倒予防(写真撮影:西村祥子)

(2)家族の生活シーンに合わせて、災害の種類別にそれぞれの避難場所を確認

次に話したのは最初の衝撃を乗り切った後の対応について。事前に準備したのが、自宅と夫の勤務地周辺の防災マップだ。ハザードマップ、避難マップなど、発行元によって呼び方はさまざまだが、住んでいる地区の役所やそのホームページなどで簡単に入手できる。

ただし、「例えば、地震のときのマップ、津波や浸水時のマップ、土砂災害時のマップ、というように、災害の種類別に複数のマップが存在するケースも少なくありません」と合田さん。わが家が暮らすエリアにも複数のマップが存在するが、小学校区ごとにまとめられたものもあったので、今回はそちらを利用。自宅があり子どもたちが通う小学校区と、夫の会社のある小学校区のマップをチェックしてみた。

まずは自宅。わが家は山際を削って造成された団地にあるので、団地の両側は土砂災害の危険区域になっている。家の裏もコンクリートの擁壁なので、「土砂災害が心配なときは早めの避難」が鉄則だ。また、内陸の山の上なので津波や浸水の可能性は低いが、近くを大きな川が流れているので、河川の氾濫時の危険個所も確認。川があふれそうなほどの大雨のときは、土砂災害も懸念されるので、「車で移動できるうちに小学校(徒歩だと30分かかる)に逃げたいね」という話になった。

地震のときはとりあえず近所のマンションの駐車場、さらに一時避難先に指定されている集会所→状況に応じて小学校へ。わが家には乳児がいるので、高齢者や乳幼児などの要援護者支援施設になっている民間のケアハウスも、避難先の一つとして確認した。

次に子どもたち。学校にいるときはそのまま学校に。登下校時の避難先としては、通学路に面したお寺、公民館、広い駐車場などを確認。「機会があれば、通学路を歩いて、危険個所のチェックをしておきたいですね」ということで、その機会も近いうちにつくりたい。

さらに夫の会社付近。こちらは海も近く周囲に川も多いので、津波や浸水の心配もある。しかも、あまり高い建物がないエリア。幸いにも夫の会社のすぐ裏が小学校なので、「何かあればとにかく避難先はまずは小学校だね」という結論に。それぞれがまずは逃げる先を確認した。

また、夫のように会社に勤めている人は、勤務先の防災体制・ルールの確認も重要だそう。

「東日本大震災で多くの帰宅困難者があふれたことから、多くの企業で、災害時の対応が見直されました」と合田さん。「指定避難所などに移動するより、会社内にとどまるほうが、建物の強度もあり、備蓄などの備えが手厚い場合もありますので、勤務先の防災体制については事前に調べておきたいですね」

(3)それぞれ避難した家族が連絡を取り合うために、利用できる連絡手段を確認

「とりあえず安全な避難先にたどり着いたら、家族の安否確認をし、安全かつ早めに家族が集まる方法を考えることになります」と合田さん。合流には交通手段など物理的な問題がクリアされる必要があるので、まずはどうやって連絡を取るか。

「通信網の寸断などいろいろな状況が考えられますが、携帯はダメでも固定電話は通じる、音声通話はダメでもインターネットサービス(SNSなど)は使える、それもがダメでもパケット通信(ショートメッセージなど)は使える、というように、状況に応じた対応を考えておく必要があります。連絡可能な手段をできるだけたくさん知っておき、使い方にも慣れておくことが重要ですね」

今回は合田さんに伺った以下の連絡手段について家族で確認。子どもたち用には、ランドセルのポケットに入れておけるよう、電話番号を中心にまとめプリントアウトしたものも準備した。

・自宅固定電話、夫・妻の携帯電話番号

・災害用伝言ダイヤル(171) ※使い方も確認

・携帯キャリアが提供する災害時伝言板 ※使い方も確認

・Twitter、Facebook、Line、Skypeなどのサービス

・遠方の親せきや知人の連絡先(夫・妻の実家の固定電話番号)

「被災地内では音声通話ができない場合も、被災地から離れたエリアへかける場合はつながりやすい傾向があります」と合田さん。「万が一のときに伝言板の役目を果たしてくれる、遠方の親せきや知人の連絡先も共有し、ご本人にも役割をお願いしておくことも大切」。わが家ではあまり離れた親戚はいないので、いったん隣県の実家の番号を共有することに。また、171には無料体験日(毎月1日・15日など)があるので、近いうちに子どもと一緒に利用してみることにした。

(4)緊急時に手持ちできる持ち出し袋、命をつなぐ備蓄品、それぞれ見直し

次に確認したのが、いざというときに備える「もの」について。

避難するときにすぐに持ち出せる持ち出し袋と、災害後にライフラインが復旧するまでの間、家族の命をつなぐための備蓄品。どちらも別記事で紹介されているので、細かいことは割愛する(わが家の家族会議では見直ししました!)が、「大事なのは家族構成に応じてきちんとカスタマイズすること」だそう。もちろん、市販の持ち出し袋のセットを購入するのも一つの手だが、赤ちゃんがいるならミルクやオムツ、持病がある人なら予備の薬など、必要なものを足し引きしながら準備しておくことが大切だ。

また、持ち出し袋は「必要だからと詰め込みすぎないこと」。あくまでも緊急避難のためのグッズなので、重くなりすぎては意味がない。持つ予定の人が持てる範囲で準備し、「邪魔だからと押入れの奥などにはおかず、出入り口に近く、すぐに取り出せる場所に置いておくことが大切です」。

ちなみにわが家では、リュック式のものを玄関収納の一角に。妻と乳児の長女だけが在宅時に持ち出すための小ぶりのもの(抱っこひもとあわせて背負える範囲で)と、家族がそろっているときに追加するもの、2種類を用意した。

備蓄品については、水や非常食以外は、トイレットペーパーや鍋用のガスボンベなど、日常品を少しだけ多めにストックする方向に。今まであまり準備していなかった非常食はこの機会に通信販売で気になったものを注文してみた。さらに、停電時に問題になるトイレを流すための水については、風呂に水を張っておく方向で話したが、やはり事故が心配なため、長女がもう少し大きくなったらお風呂場にカギをかけるなど、対応が必要だと確認。場所をとる水と非常食は、普段はあまり使っていないキッチンの床下収納に収めることにした。

今回の家族会議自体に要した時間は1時間ほど。ただし、その前にハザードマップを探してチェックしたり、連絡先リストをつくったりと、開催主体者には下準備も必要だ。また、会議の後に耐震グッズや備蓄品などの不足品を選んだり、耐震対策したりするのに時間がかかるお宅もあるだろう。とはいえ、「いつか」ではなく、とりあえず「今すぐ」、家族会議を開くことには大きな意味があると思う。首都直下型地震や南海トラフなど、大きな被害が想定される災害は明日にも起こるかもしれない。そのとき、家族がどう動くのか。準備があるとないとではずいぶん差が出るはずだ。

また、家族会議の後にも、「定期的に備品チェックし、防災について考える時間を設けることも重要です」と合田さん。「例えば防災の日など、年に一度くらいは、家族会議の内容を見直す機会をつくりましょう。そのときに備蓄品の賞味期限をチェックして、期限が近いものは食べてしまうなど、ちょっとイベントっぽく演出すれば、子どもたちも楽しく参加できるはずですよ」とアドバイス。わが家でもまた来年のGWには、家族会議を開き、防災意識を高めていきたいと思う。●取材協力

・ピースボート災害ボランティアセンター/わが家の災害対応ワークショップ

今回アドバイスをお願いした合田さんが所属するピースボート災害ボランティアセンターでは、災害への備えについて講演やセミナーを行うほか、1回90分の「わが家の災害対応ワークショップ」を開催。防災教育にも力を入れている。ワークショップの詳細はホームページで確認を。
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