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東京、名古屋、大阪… 朝ワイドはテレ朝系ひとり勝ち?

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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、勢力図が変わりつつある朝帯のワイドショーに注目。

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 先月、テレビ朝日内で1月クール(1月~3月)の「番組特別表彰式」が行われ、「視聴率特別賞」に朝帯の『グッド!モーニング』と『羽鳥慎一モーニングショー』が選ばれ、表彰されたという。

 長年、社内で「強化ポイント」と言われ続けてきた朝帯の視聴率を引き上げたのが受賞理由。朝の番組の視聴率が良いと、その後の時間帯にも好影響を与えるということで、局内で高く評価されたそうだ。

 好調ぶりは4月に入っても続き、『めざましテレビ』(フジテレビ系)に1.0%差で歴史的勝利をおさめた日があったことは、以前にも書いた。

 そしてゴールデンウィークには、ついに「週間視聴率」で『グッド!モーニング』が『めざましテレビ』に勝利した。実に、21年ぶりのことだったという。

 ゴールデンウィークを始め、祝日の朝帯は、F3&M3(50歳以上の女性&男性)に多く見られている番組視聴率が安定する。学校がお休みで子供たちはまだ寝ているからで、ふだんと変わらず早起きしている年配視聴者に支持されている番組は強さを発揮するのだ。

 とはいえ、勝ちは勝ち。『グッド!モーニング』のスタッフ、アナウンサー、コメンテーターら出演者はもちろん、社内はこの話題で沸いたと聞く。

『グッド!モーニング』は、「情報に、わかりやすさという彩りを」をモットーに、同社の坪井直樹アナをメインに、『やじうまワイド』時代から“朝の顔”を長年つとめる松尾由美子アナ、新人の田中萌アナ、そして、セント・フォース所属の新井恵理那が並ぶ。

 男子アナにも中堅を揃えていて、特にスポーツコーナーは他局に比べて安定感がある。

 コメンテーターを置かない『めざましテレビ』や『ZIP!』と異なり、俳優の中尾彬を始め、年齢層の高いコメンテーターや、同社の名村晃一氏、『報道ステーション』の2代目コメンテーター、一色清氏ら、重鎮を置いている。

 朝帯を見る年配男性視聴者には不可欠なスポーツコーナーにも、曜日替わりでサッカーの福田正博や中山雅史、野球の里崎智也、水泳の田中雅美、ハンマー投げの室伏広治を置き、安定感のある角澤照治アナが仕切っている。

 アナウンサーでは、新人時代から「もっている男」と言われてきた加藤泰平アナが「明快!まとめるパネル」でニュースをパネル展開。“パネルの魔術師”としては、『情報ライブ ミヤネ屋』(よみうりテレビ・日本テレビ系)が有名だが、加藤泰平アナもなかなかいい。そして、このコーナーこそが、番組のモットー、「情報に、わかりやすさという彩りを」をもっとも表しているものだといえる。

 さらに、視聴者がリモコンのdボタンで参加する、林(修)先生の「ことば検定」や、気象予報士で、かつて朝帯のメインキャスターもしていた気象予報士・依田司の「お天気検定」。エンディングは、“視聴率男”池上彰の「ニュース大辞典」で締めくくる。

 こうしてコーナーや出演者を並べてみると、地道なリニューアルを重ねたことによって、『めざましテレビ』に勝利したことがわかる。

 実はテレビ朝日系列では、『グッド!モーニング』とほぼ同じ時間帯にオンエアしている名古屋テレビ(メ~テレ)の朝帯『ドデスカ!』が民放トップの視聴率をはじき出す日が増えているのである。

 それを「東スポWeb」が「名古屋の朝番組『ドデスカ!』視聴率急上昇の裏に中日・ビシエド」という見出しで記事をあげ、Yahoo!ニュースにもアップされたことから、メ~テレ社内は大騒ぎになった。

『ドデスカ!』の視聴率に大きな変化が表れだしたのは今年4月の頭から。「明らかに『めざましテレビ』が落ちてきたんです。やはり、カトパン(加藤綾子アナ)が抜けたのは大きいんでしょうか」という声に加え、「視聴率調査の“サンプル”が変わったからではないか」という分析もあった。

 ビデオリサーチが調査している家=サンプルが数割、入れ替わるタイミングで、視聴率にはちょっとした変化が現れるのだ。

 が、どうも、それだけではなかったようで、4月の平均視聴率は1部(6時~6時45分)が5.7%、2部(6時45分~8時)が9.1%と、『めざまし~』や『ZIP!』と、ほぼ変わらない高視聴率に。21日、27日、28日、29日は、2部で民放トップに立ったのである。

 東スポWebに指摘されているとおり、地元の中日ドラゴンズの成績がいいと、『ドデスカ!』の数字も上がると言われていた。今年は、“混セ”の中、ドラゴンズは粘り勝ちしたり、サヨナラ勝ちする試合も多く、番組CPの清水伸司氏も、6時台頭のスポーツコーナーが「初動のエンジン役」と胸を張る。

 実は4月から、同社のアナウンサーで、番組タイトルがカタカナに変わってからずっとメインを張っている佐藤裕二がスポーツコーナーを担当。テレビ朝日系列の後輩アナが尊敬するスポーツアナとして有名な佐藤アナが実況中継のようにドラゴンズのVTRにつけるナレーションは、「負けた試合でも勝ったかのように聞こえる」と評判だ。

 名古屋の地元情報に特化した、デパ地下や“行列グルメ”、新しい商業施設などの情報にも数字があり、曜日毎に独自の展開をしている7時台の芸能コーナーも視聴率を右肩上がりにさせている要因のひとつだ。

 そして大阪では、「不動の1位」を突っ走り、「関西に暮らす人々を、朝、元気に送り出す」をコンセプトにしているABCテレビの『おはよう朝日です』がある。

 あの宮根誠司が局アナ時代、担当していたことでも有名な同番組は、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が起きた95年初頭は、視聴率で惨敗していたのだという。

 地元のテレビ局だから、阪神淡路大震災のニュースには強さを発揮しそうなものだが、「やはり、取材力で在京局には敵わなかった」とスタッフの一人は振り返る。

 そこで、同年4月より、コメンテーターを導入。いまでも、野々村真、たむらけんじ、石田純一、東貴博、井上公造氏ら有名どころを揃え、もちろん、阪神タイガース推しだし、芸能コーナーにも定評がある。

 もっとも視聴率が良かった頃には、平均で15%を超えていたというのだから凄い。しかも、メインキャスターが、宮根誠司アナ(94年~)→浦川泰幸アナ(10年~)→岩本計介アナ(15年~)と交代しても、視聴率が下がらなかった。いかに同番組が“関西の朝”に浸透しているかがわかろう。

 …と、大阪、名古屋、そして東京と、朝帯の視聴率でテレビ朝日系列の番組が絶好調なのである。

 実は九州朝日放送の『アサデス。KBC』も視聴率ではトップ。同番組も、おすぎ、石原良純、松村邦洋ら有名どころをコメンテーターに据え、リポーターにはなんと指原莉乃が出演している。もちろん、野球はホークス推しだ。

 番組視聴率は関東地区の数字ばかりが取りざたされるが、準キー局やローカル局が制作する地元密着型の朝帯の数字や番組内容、取り組み方には、朝ワイド、昼ワイドのヒントがたくさん隠されている。

 テレビ朝日系列の朝ワイドが、カトパン去りし『めざましテレビ』に完全勝利する日もそう遠くないのかもしれない。

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