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【連載:映画で分かる女の本音】~情に流されず、欲張らず、幸せを手にする〜『海よりもまだ深く』

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結婚と恋愛は別物だとよく耳にします。なかなか結婚にたどり着けない人も含めて女性の多くは、恋愛の延長上に結婚があると信じている。私もその一人です。

恋愛相手が結婚に向いていれば何の問題もないですが、問題なのは、結婚に向いていない男性を好きになってしまった場合。

人は誰でも欠点の一つや二つあるのは当たり前、完璧な人はいません。欠点を受け入れながら、少しは妥協しながら、一緒に生きていくのが結婚であり家族だと思っています。

ただ、生まれたときからの家族と自分と相手とで築いていく家族とでは、受け入れ方が少し異なるのではないか……と思うわけです。

両親を含めたいわゆる実家(=家族)は、良くも悪くも自分が生まれた環境をそのまま受け入れるしかない。

一方で、自分が新たに築く家族はパートナーを自分で選べる。となると欲が出てしまう。もちろん「好き」という大前提ではあるでしょうけれど。

是枝裕和監督の新作映画『海よりもまだ深く』の主人公は良多(阿部寛)。15年前に文学賞を獲ったきり鳴かず飛ばず、四十路を過ぎても過去の栄光と夢にしがみつき、別れた妻に未練タラタラで、あわよくば親に頼っちゃおうというダメ男。注目したいのは彼の元妻・響子(真木よう子)です。

響子は良多の作家としての才能を信じていますが、家族を養えないとなると話は別だったのでしょう。別れを選びます。

前に進もうとする妻とは逆に良多はいっこうに変わらない、変わろうとしない。そんな彼に呆れつつもどこか憎めなくて……。

でも、彼女は女であると同時に母でもあって、母として別れを決断した。彼女の決断に恋愛と結婚の違いを垣間見た気がします。

響子から学びたいのは、自分で決めたことを振り返らずにしっかり前に進んでいくことです。そして、情に流されないこと。

女性は恋愛に関しては上書き保存すると言われていますが、過去の恋愛を消去して上書きするのではなく、地層のように過去の恋愛の上に新しい恋愛を積み重ねていく。決して真っ白に消しているわけではないのです。

だから、かつて愛した人が苦しんでいたり悩んでいたり助けを求めたりすると、つい……なんてことも。

そうならないように、踏みとどまる女の格好良さを響子は持っていると思うのです。

彼女の冷静さを取り入れられたら、結婚相手に求めるものが変わってくるのかもしれないなと。

ダメ男とその元妻と子ども。ダメ男とその母。どこにでもいそうな家族の話のなかには、意外にも結婚の条件について考えさせてくれるヒントがあるんです。

ちなみに、私がドキッとさせられたのは良多の母・淑子(樹木希林)のとあるシーンでのセリフ──「幸せってのはね、何かを諦めないと手に出来ないもんなのよ」でした。

自分は欲張りすぎていないだろうか? という問いかけもまた結婚に対する意識を変えてくれそうです。

 

2016年/日本映画/117分/カラー/ビスタ/5.1chデジタル

gaga.ne.jp/umiyorimo

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