ローマ皇帝とはまったく関係がなかった「シーザー・サラダ」の誕生
ローマ皇帝は…関係ない!が正解。
手でちぎったレタスにガーリックオイルとレモン、半熟卵にたっぷりのパルメザンチーズとクルトンをあえた「シーザー・サラダ」。その名前からローマ皇帝ジュリアス・シーザーに関係のあるサラダだと思われることもあるようですが、実はローマ皇帝とは何のゆかりもありません。そもそも、このサラダの発祥はヨーロッパではなく、メキシコ。そして実際に広まっていったのはアメリカからだったのです。
作ったのは、別の〝シーザー〟さん
シーザー・サラダのルーツはアメリカが禁酒法時代だった1924年の7月のある週末までさかのぼります。メキシコのティファナという街はアメリカのサンディエゴから国境を越えてお忍びで酒を飲むアメリカ人たちで賑わっていました。この街にあるシーザー・パレスという小さなホテル・レストランは、イタリア系移民のシーザー・カルディーニが作る料理と酒を求めるアメリカ人客でいつも大繁盛。ハリウッドの映画スターなども数多く来店することで知られていました。しかし、その週末はそんなハリウッドの上客たちが来店する前に大勢の客が押し寄せて、ほとんどの食材がなくなってしまったのです。
困ったシーザーが思い出したのが、イタリア空軍時代の食事。当時、飛行機乗りたちは固くなったパンをサラダに放り込んで、オリーブオイルや酢で柔らかくしたものをよく食べていたのです。幸い、レストランにはパンとサラダの材料はまだ残っていました。そこで、これをより美味しく改良したものを出そうと、シーザーは自らワゴンを押してハリウッドからの上客の前に登場し、レタスとクルトンの上にオリーブオイルとワインビネガー、パルメザンチーズをかけて、ほとんど生に近い半熟の卵を割って入れるところまで実演しました。これが大変な評判となり、「シーザー・サラダ」と呼ばれてアメリカでも広く伝わっていったのです。
シーザーはその後、オリジナルドレッシングを販売する会社を作り、世界規模のビジネスを展開。日本にも輸入されているカルディーニ・ブランドのドレッシングのラベルには、シーザーの肖像が描かれています。
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シーザーサラダのレシピ | 料理サプリ
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