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「千葉県内連続爆破予告」の実現性をミリタリーライターがガチで考えてみた

千葉県内の自治体、市川市・柏市・鎌ヶ谷市・流山市(五十音順)に「千葉県内の学校、鉄道及び市役所の施設内の複数箇所に爆弾を仕掛け、5月20日(金)午前8時10分から午後3時34分までの間に断続的に爆破させる」というメールが届いて一週間。いよいよ犯行予告の日が迫ってきました。

【関連:「5月20日に高性能爆弾2783個を爆破させる」千葉県柏市が予告内容を公開】

柏市役所HPより

犯行予告を受けた各自治体では警備を強化しており、今のところ不審なものは見つかってはいないとのこと。

■ためしに犯行手段を真面目に検証してみた。

この件についてはイタズラという見方が強いとされていますが万が一も一応考えておかねばなりません。
そこで実際に「大量の爆弾を作り、それを気づかれずに設置する」には、どのような方法が考えられるかということを、ミリタリーライターの一人である筆者目線で真面目に考えてみました。

各自治体に送られた犯行予告メールに記された爆弾の数は、具体的な数を発表した柏市だけで2783個。他の自治体にも同じくらいの数が仕掛けられると予告されているとすれば、総計で1万個を超します。

現代の爆弾は、工場で作られた「兵器」としてのもの、テロに使われる手製のものに限らず「爆薬」と「起爆装置」で構成される、一種の「機械」となっています。爆薬は輸送中に誤って爆発したりしないよう、単体では爆発しない安定した状態。それに爆竹のような雷管や起爆装置(信管)を取り付け、その爆発の衝撃で爆発するようなものであることが一般的です。

そして1万個という数は、非常に大きな数であり、手作りの部分が大きい「試作品」や「特製品」ではなく、かなり本格的な「量産品」といえます。

■1万個作るには?

爆薬は、どんな高性能な爆薬であっても、人を確実に殺傷するなら、せめてひとつあたり50gの爆薬は欲しいところです。そうなると必要な量は500kg。
1発で車や建物を破壊・損傷させるなら、一般的なプラスチック爆薬「C-4」で2kgは欲しいところ。これなら1万個分で20トンになります。まず、どこに保管しておくかが問題になりますね。……作るにしても、これだけの量を「製造」するとなると、本格的なプラントが必要になります。
(米軍のAN-M66 2000lb(1トン)爆弾)

(米軍のAN-M66 2000lb(1トン)爆弾)

続いて起爆装置について考えてみましょう。1万個分の起爆装置を購入するにしろ、自作するにしろ、やはり何らかの「工場」で量産する必要があります。1万人で自爆テロというのも現実的ではないので、時限式の起爆装置を使うとすれば、タイマーが1万個必要になります。個人で取引ができる量ではないので、法人格が必要でしょうね。それでも、信用がない状態でいきなり1万個の取引をするのも大変ですから、小ロット取引で「確実に入金してくれる取引先」だという実績を業者と作る必要もあるでしょう。

■1万個仕掛けるには?

また、製造した爆弾を各所に「配達」しなければいけません。見つからないように設置するため、時間との勝負になります。恐らく、1日のうちに、しかも人目につかず、怪しまれないような限られた時間帯に仕掛け終えなければいけないでしょう。かなり多くの人数と、輸送手段が必要です。そうすると、車の他に「爆弾配送センター」的なものが必要になりそうです。

大きな倉庫が必要になる
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