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緑内障診断前の自覚症状1位「光が非常にまぶしく感じた」

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 緑内障は眼と脳をつなぐ視神経の繊維が徐々に減っていく疾病で、その神経が認識していた部分が時間をかけてジワジワと見えなくなり、末期ではほぼ全体が見えない部分で埋まってしまう。日本人の失明原因の第1位で、推定患者は約400万人。40歳以上の約20人に1人が発症しているといわれる。なかなか気付けない緑内障治療のカギとなる「早期発見」の手がかりを、患者の生の声から探った。

 緑内障が厄介な理由は、初期症状が分かりにくいため、患者の9割が進行後に罹患を知るということにある。いったいどうしたら緑内障の兆候にいち早く気付くことができるのか。それを知るには、実際の患者たちの声を聞くしかない。そこで本誌記者は、緑内障患者による「緑内障フレンド・ネットワーク」(会員数約1300人)の交流会に参加した。

 彼らは治療や日頃の悩みについての情報交換を目的に月2回、会員同士の交流会を行なっている。都内某所に集まった参加者たちが口をえるのは、「緑内障と診断されるまで全く気付かなかったが、今思えば、その前から様々な症状が出ていた。あの時に気付いていれば、もっと早く眼科を受診していたのに……」ということだった。

◆緑内障を疑ったのは「5.7%」

 緑内障フレンド・ネットワークが2009年に行なった会員患者へのアンケート調査(有効回答824人)では、患者の6割以上が診断前に自覚症状を感じており、「光が非常にまぶしく感じた」(22.8%)が最も多く、次いで「遠くのものが見えづらくなった」(20.2%)、「かすんで見えた」(19.7%)、「文章を読むとき、文字がちらついて読みづらかった」(19.6%)といった違和感を覚えていた。

 だがほとんどの人が緑内障の初期症状であるとは気付いていない。同アンケートでは、そうした自覚症状から最初に疑ったのは「視力の低下」「眼の疲れ」「老眼」と答えた人が8割を占め、緑内障を疑った人はわずか5.7%だ。

 大半の人が緑内障と疑わないのは、初期では進行していないもう一方の眼や脳の働きによって正常に見えているかのように補正され、日常生活に支障を来すことが少ないからである。それでも、それぞれに「さすがにおかしい」と感じた決定的な瞬間がある。都内在住の男性のAさん(70)がいう。

「駅近くの交差点の横断歩道を渡っていたら、反対側から首なし人間が私のほうに向かって何人も歩いてきたんです。その瞬間は何が起こったのかと、頭の中が真っ白になりましたが、すぐに自分の眼のせいだと考えました。さすがにこれはマズイと思って眼科を受診した」

 緑内障フレンド・ネットワーク代表の柿沢映子さん(77)は、車の運転中にセンターラインをオーバーしたり、縁石に乗り上げるようになった。ある日、いつも運転している新橋の交差点で「あるはずの信号まで見えなくなった」ことで初めて異変に気付いたという。

 神奈川県在住の男性のBさん(73)が眼科を受診しようと決めたのは、眼が見えにくくなってから5年後、定年退職直後の65歳の時だった。

「ある朝、新聞を読もうと思ったら文字が印刷されていなかった。黒い文字が見えず、紙面が真っ白に見えたんです。変だと思ってテレビニュースのアナウンサーを見ると、片眼だと顔しか見えず、首から下がありませんでした」

 こうした決定的瞬間を迎えた時には、「既に末期だった」ということが少なくない。実際、柿沢さんやBさんは、眼科を受診した時には片眼はほぼ失明状態だった。

 同会の調査によると、緑内障と診断された時の平均年齢は51.6歳で、診断時には3人に2人がすでに視野が欠ける状態まで進行していたという。

※週刊ポスト2016年5月27日号

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