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どの国からも認められていない国?ナゴルノ・カラバフ共和国とは

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Photo credit: Natsumi Daizen「アルメニア公認国家!魅惑の珍スポット、ナゴルノカラバフに潜入!

こんにちは、Compathy Magazineライターの新田浩之です。
日本ではあまり話題になりませんでしたが、4月上旬に突発的な紛争が発生しました。発生した場所はアゼルバイジャンにある未承認国家「ナゴルノ・カラバフ共和国」。

アゼルバイジャン領なのですが、アゼルバイジャンはナゴルノ・カラバフを統治できていません。その代わり、ナゴルノ・カラバフ共和国が統治しています。報道によるとナゴルノ・カラバフ共和国を統治するアルメニア人とアゼルバイジャン人との間で紛争が勃発したとのこと。少なくとも90名もの方々が亡くなりました。

今回はナゴルノ・カラバフ紛争と未承認国家の問題を取り上げたいと思います。

そもそもナゴルノ・カラバフ紛争とは

まずはナゴルノ・カラバフ紛争について。ナゴルノ・カラバフを知るにはアゼルバイジャンとアルメニアのことを少しだけ知る必要があります。アゼルバイジャンはテュルク系でイスラーム教を信仰。一方、アルメニア人はキリスト教を信仰しています。両国とも1991年以前はソビエト連邦を構成する共和国でした。

ソ連時代からナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャン領に属していました。しかし、実際にナゴルノ・カラバフに多く住んでいたのはアルメニア人。アルメニア人からはナゴルノ・カラバフの帰属の変更を求める声がありましたが、ソ連政府の力が強力だったので、その頃は紛争に発展しなかったのです。

しかし、ソ連政府の力が弱まりつつあった1988年に、ついに両民族の争いが勃発。ソ連政府はナゴルノ・カラバフの対応をめぐって二転三転。両民族の争いはエスカレートするばかりでした。1991年にアゼルバイジャンとアルメニアが独立しても、ナゴルノ・カラバフでの紛争は止まりませんでした。

1992年、ナゴルノ・カラバフに住んでいるアルメニア人が「ナゴルノ・カラバフ共和国」の樹立を一方的に宣言。アゼルバイジャンをはじめ、世界の国々はナゴルノ・カラバフ共和国を正式な国とは認めていません。1994年に停戦になりましたが、アゼルバイジャン人とアルメニア人のにらみ合いは続いたのです。そして、2016年4月上旬、1994年以来最大規模の紛争が起きました。予断は許さない状況です。

Photo credit: Nitta Hiroshi「モルドバ本国とソビエトが残る「沿ドニエストル共和国

未承認国家の現状

「ナゴルノ・カラバフ共和国」のように、どの国からも認められていない、もしくはわずかな国しか認めていない未承認国家はいくつか存在しています。その多くが民族間の争いによって生まれたもの。そして、多少なりともナゴルノ・カラバフのような紛争を体験しています。

私はナゴルノ・カラバフに行ったことはありませんが、モルドバ領にある未承認国家「沿ドニエストル共和国」を旅しました。ここには多くのロシア人が住んでおり、独自の政府・国旗・通貨があります。モルドバ政府の力は及んでいません。1990年代にはモルドバとの紛争が起きました。

沿ドニエストル共和国に入ると「入国審査」があります。「入国」すると、モルドバとは雰囲気が全く異なり、目につくのは「国旗」や政治的スローガン。「ここはモルドバではない!」という現実を「これでもか」と見せつけるような雰囲気です。

沿ドニエストル共和国の博物館に入り、現地住民と会話しました。すると博物館の職員は力強くこう言いました「ここはモルドバではありません、ロシアなのです」と。ただ、沿ドニエストル共和国の住人は比較的自由にモルドバ共和国に入れます。緊張と平和が中途半端に続いている変な感じでした。

Photo credit: Teramoto Itsuki「キプロスでギリシア・トルコ料理を味わい、ネコとたわむれる旅w

未承認国家の問題をどう考えるか 

一見、未承認国家での問題は日本と関係なさそうに見えます。しかし、未承認国家の問題は「民族間の争い」に起因するわけですから、決して日本も無関係ではないはず。このような事例から「どのように他民族を尊重するのか」考えるきっかけになると思います。

なお、いくつかの未承認国家に入ることは可能です。ただし、不用意に民族のことを話題にしてはなりません。思わぬトラブルに発展することがあります。その地域に入る前に、入念に調べておきましょう。

ライター: Nitta Hiroshi

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