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離婚の際に慰謝料を獲得するために必要な情報

離婚の際に慰謝料を獲得するために必要な情報

 テレビやインターネットなどで、芸能人が離婚する際に高額な「慰謝料」が支払われたニュースをご覧になった方もいるかと思います。
 しかし、ここでいう「慰謝料」は本来の意味の慰謝料に加え、財産分与や和解金等をひっくるめて、そのように表現していることが多々あります。

 法的には、財産分与と慰謝料請求は全く別のものです。また離婚をすれば必ず慰謝料請求ができるわけでもありません。今回は離婚の際に慰謝料を獲得する上で必要となる情報をお伝えしたいと思います。

慰謝料が請求できる場合とは

 そもそも慰謝料とは、精神的損害に対する賠償、つまり、嫌がらせを受けて心に傷を負ったり、経済的にそれほど価値はなくとも思い入れのある品を壊されたりするなど、金銭に換算出来ない損害を被った場合に、これを補填するため加害者が賠償金として支払うものです。
 慰謝料請求は、民法710条の「財産以外の損害」に該当するものとして、離婚に限らず、名誉毀損やプライバシー侵害、各種ハラスメントなど様々な損害事由に基づき請求が認められています。

 離婚時においては、相手方の有責行為(離婚の原因となった配偶者の行為)によって、やむを得ず離婚に至った場合、これによって被った精神的苦痛に対して慰謝料請求が認められています(最判昭31・2・21民集10巻2号124頁)。
 ここで判例が想定している精神的苦痛とは、離婚によって配偶者の地位を失うことに対し精神的苦痛を被った場合、もうひとつは離婚原因となった特定の有責行為によって精神的苦痛を被った場合と一般的に捉えられています。
 ただし、実務上これらはさほど明確に区別せず一括して処理していることも多いので、「婚姻関係が破綻するに至るほどの不法行為」がある場合に離婚時の慰謝料請求が認められるものと理解しても問題ないと思われます。

 「婚姻関係が破綻するに至るほどの不法行為」に当たる代表的な原因としては、

(1)不貞行為
(2)暴力行為
(3)その他の事由
の3つに分けることができます。

 (1)でいう不貞行為とは、配偶者以外の異性との性交渉やその類似行為を意味します。不貞行為で離婚に至った場合、配偶者だけでなく不貞の相手方たる第三者にも慰謝料を請求できることもあります。

 (2)でいう暴力行為とはDVを始めとする身体的暴力、モラハラ等で精神的苦痛を被った場合に認められます。具体的な損害があれば慰謝料請求は認められますが、これら身体的・精神的苦痛により入通院せざるを得なくなったり、後遺症を負ったり、後遺症により働けなくなったりすると、さらに高額な慰謝料が認められます。

 (3)でいうその他の事由として、悪意の遺棄がまず挙げられます。
 悪意の遺棄とは、夫婦の同居義務や協力義務、相互扶助義務をはたさないことをいい、生活費を一切渡さなかったり、パートナーがいるのに理由なく同居を拒んだり、相手が一切働こうとしない等の場合がこれに該当します。
 それ以外の事由としては、性交渉に応じようとしないことや、自身の性的不能をあえて隠して結婚したこと、妻と信仰上の対立が生じることを予想していながら自身が宗教活動することを秘匿して結婚した場合に離婚に伴う慰謝料を認めたケースもあります。

慰謝料の相場

 慰謝料は、金銭に換算出来ない損害を補うものですので、その性質上確固たる算定基準は設けられていません。
 したがって、裁判所が加害者及び被害者双方の事情を比較考慮しその裁量によって額が決定されます。
 ここで考慮される事項は、離婚原因、責任の所在・有責性の程度、双方の財力や財貨獲得能力・社会的地位、婚姻を継続した期間、性別、親権の帰属が代表的です。以下、さきほど紹介した3つの不法行為別に実際に認められた慰謝料金額を挙げます。

 (1)の不貞行為による慰謝料の相場は約100万円から300万円です。
 子供が成年に達していること、17年同居した後に9年以上別居していること、夫に婚姻共同生活を回復する意思がないこと、妻のした不貞行為が2年で終わっていることを鑑み、夫に対し200万円の慰謝料を認めた事例(東京高判平成3年7月26日判時1399号42頁)、高額の慰謝料が認められたケースとしては、有責者たる夫は別の女性と子を設け相当程度の生活をしているのに対し、実兄の家に一人でひっそりと生活してきた73歳の妻に対し1,500万円の慰謝料が認められた事例(東京高判平成元年11月22日判時1330号48頁)などがあります。

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