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飼い犬が他の飼い犬に噛みつき、ケガをさせた場合の慰謝料は?

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飼い犬が他の飼い犬に噛みつき、ケガをさせた場合の慰謝料は?

Q.

 我が家の飼い犬が散歩中、他の飼い犬に噛みつきケガをさせました。ケガの内容は耳への噛みつきで、数センチ相手の犬の耳が裂けてしまいました。場合によっては元に戻らない可能性もあるそうです。
 治療費の全額支払いは当然と思われますが、慰謝料としてはどの程度支払えばよいのでしょうか?

(40代:男性)

A.

 動物を飼育する者には、その動物の種類や性質に応じた注意を払う義務があり、それに反して他人に損害を与えた場合は、損害賠償責任を負うことになります(民法718条)。
 「他人」と記載しましたが、「他人が飼う動物」も「他人の所有物」であり、それに対して損害を生ぜしめた場合は、やはり賠償責任を負うことになります。

 前述の規定は不法行為責任(民法709条以下)のひとつに含まれるものです。「故意または過失(民法718条の場合、飼育動物の管理不行き届き)」によって「権利侵害」が生じた場合「故意または過失から生じた範囲での損害を賠償する」ということになります。

 もっとも、注意すべきは民法718条において「動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたとき」は、賠償責任を負わないとされている事です。
 簡単に言えば、「しっかり管理していれば損害が生じたとしても責任は負わない」ということです。
 また、相手方の不注意も考慮した上で、その不注意を「過失相殺」して賠償額を減額するという運用も図られるのが一般的であることもポイントになります。

 加えて、「いったいいくらの損害賠償が適切か?」という点については、前述の当事者双方の管理不行き届きの状況、飼い犬の価値、当事者の経済的状況などを総合的に考えて決するため、一概に「いくらが一般的」というのが言いづらい状況です。

 今回のケースで言えば、飼い犬の散歩中に同じく散歩中だろうと思われる他人が管理する犬に噛み付いたということ。
 この場合、(リードなどでしっかり飼い犬をコントロールすることは必要な管理であることは大前提ですが)相手方にも一定程度、注意をする義務がある状況と言えます。

 加えて、飼い犬が他の飼い犬を噛んでケガをさせた場合、損害賠償の主たる内容は治療費になります(それ以外には(ドライな言い方で申し訳ないですが)耳が元に戻らないかもしれないという犬の価値が減少した点についての損害というのが考えられます)。
 したがって、お互いに管理に不行き届きがありそうな状況で、そもそも治療費全額の支払う必要があるかというと疑問符がつきます。
 また、慰謝料(精神的苦痛に対する損害賠償)について、近年、これを認める裁判例も出てきていますが、基本的には死亡もしくは重度の傷害を負ったケースに限られると考えてよいでしょう。

 ご相談者自身もペットをかわいがっておられる立場にあり「申し訳ない」という気持ちがあろうかと思いますが、法律だけでドライに考えると上記のようなご回答となります。
 「場合によっては治療費の一定程度の負担でも十分なのではないか」ということを頭の隅に置いて、相手方の飼い主に対して真摯に謝罪し、双方が納得の行く治療費などの負担割合を話し合われてはいかがでしょうか?

元記事

飼い犬が他の飼い犬に噛みつき、ケガをさせた場合の慰謝料は?

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