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『フォーブス』世界長者番付 日本人上位5人の人物像

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 アメリカ版『フォーブス』は3月1日、2016年度の世界長者番付として、資産10億ドル以上の億万長者1810人を公表した。ランクインした日本人は総勢27人だった。『フォーブスジャパン』副編集長兼WEB編集長の谷本有香氏が語る。

「日本の長者番付がその年の納税額をもとに年収を調査していたのとは違い、『フォーブス』の長者番付は個々人が保有している現預金や株式などの金融資産を集計していて、2016年版の日本人の資産額は1ドル=113円で算出しています。資産額の調査方法は明かせませんが、公的投資や民間企業への投資、不動産、ヨット、美術品、現金や負債も考慮に入れています。

 株式の評価額は2016年2月12日が基準です。必然的に持ち株数の多い大企業の創業者が上位にくる傾向があり、順位は株価の動きと連動することが多い。今年は年明け早々に起きた中国発の世界同時株安が、ここ数年のアベノミクスの効果で増やしてきた資産額を吹き飛ばす格好となりました」

 日本人トップに立ったのは、2年連続で柳井正・ファーストリテイリング会長兼社長だ。総資産は1兆6500億円にのぼるが、前年に比べると7740億円目減りしている。アベノミクスによる円安の影響で原材料費が高騰し、2年連続で商品の値上げを余儀なくされたことで業績不振を招き、株価が下落したことが原因と見られる。

 2位も昨年と変わらず、孫正義・ソフトバンク会長だ。こちらも資産が昨年より3700億円減ったが、買収した米携帯子会社スプリントの株価低迷が重荷となり、グループ全体の株価が続落した影響だろう。

 昨年3位の三木谷浩史・楽天会長兼社長を抜き、4位から3位に浮上したのは、キーエンス名誉会長の滝崎武光氏だ。キーエンスは工場の計測機器やセンサーを手がける大手だが、滝崎氏がメディアにほとんど登場しないため、一般消費者は馴染みが薄いかもしれない。

「いまや『営業利益率50%』『社員の年収が日本一』で知られる日本の高収益企業の代表格です。株価も高く、滝崎氏は同社の株式の7.71%を保有している。2000年からは滝崎氏が会長を務める傍ら(2015年退任)、非創業家出身者が社長を務める体制をとっており、後進の育成にもぬかりがない」(経済ジャーナリスト・福田俊之氏)

 三木谷氏は4位に転落したが、楽天の今後は2010年に買収した仏電子商取引子会社や、電子書籍サービス「楽天Kobo」事業の成否にかかってくるだろう。

 5位の森章・森トラスト社長と11位の森佳子・森ビル取締役は義姉弟の関係だ。

「章氏は森ビルの創業者・森泰吉郎氏の三男で、佳子氏は次男・稔氏(森ビル元会長)の未亡人です。稔氏はアークヒルズや六本木ヒルズなどの大規模再開発を手掛け、『独創の街づくり』に生涯をかけたロマンチスト。そのためには借金もいとわず、苦境に立たされた時期も何度かありました。

 一方、安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)で不動産証券化事業などを経験してから森ビルに入社した章氏は、石橋を叩いて渡るタイプで稔氏の事業に不安を覚えていた。結果、2人は袂を分かち、章氏は1993年に森トラストを創業して社長に就いた。現在も森ビルと森トラストには資本関係はありません」(月刊『BOSS』編集委員・関慎夫氏)

※週刊ポスト2016年5月20日号

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