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第57回 所内生活の心得(その6)

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 「保健・衛生」に関することも、所内生活で重要なことである。
 下着や靴下などの小物類は毎朝、スエットやジャージなどの大物類は毎週月曜日朝、面倒見さんが回収しに来て洗濯に出してくれる。朝起きたら一番に回収しにくるので、すぐに出せるように前日の夜には準備をしておかなければいけない。
 刑務所の洗濯工場で洗濯をするのだが(小物類は、どうやら1階にある洗濯機で面倒見さんが行っているようだ)、未決よりも早くから稼働しているからである。その日の夕方には戻ってくる。乾燥機にかけているのだろう、ホカホカと暖かくてよかった。

 洗濯物について他人の物との区別はどうするのか?
 「洗濯片布」というものをすべての洗濯物に付ける。幅1センチ長さ5センチほどの布きれで、一方の端にループがついていて、その布きれには「上独2」と居室番号が書かれている。
 この片布は居室内のフックにいくつかが掛かって置かれている。この片布のループを使って、例えばTシャツのラベルなどに通して出すことになる。
 ラベルがないもの、例えば靴下などはどうするのかというと、自分で片布を縫い付ける。報知器を出して面倒見さんに頼むと、針と糸をくれる。
 布団カバーや枕カバーも定期的に洗濯に出すし、布団も日光干しをしてくれる。

 拘置所での生活はいかに暇つぶしをするかということにかかってくる。規則にも「日常に潤いを与える役目を果た」すために「(8)読書・娯楽」があると書かれている。
 図書には「辞典、経典、学習用図書及び訴訟用図書」という「特別図書」、それ以外の一般図書とがある。

 問題は、いかなる種類の図書を何冊居室内に持ち込めるかである。この点、一つの規定は「特別図書については・・・官本及び私本の所持冊数は合わせて10冊以内です。」とあり(第1規定と呼ぼう)、他の一つは「私本の室内での同時所持冊数は一般図書3冊以内、特別図書は官本の貸与冊数と合わせて10冊以内の所持が許されます。」とある(第2規定と呼ぼう)。
 第2規定の後段は第1規定と異なるところはなく、第2規定だけで事足りるのではないかと思う。ただ、特別図書と一般図書を合わせた居室内持込制限冊数がよく分からない。

 私本として文庫本の小説3冊(ABC=一般図書)と訴訟用の本(Ⅾ=特別図書)を持っていたとする。これらを居室内に置くことはできるのか?
 第2規定前段により、一般図書であるABC3冊は大丈夫である。また、Dは特別図書であり、第2規定に触れることはなく、できると考えたがダメであった。
 その理由を問うと「第2規定は一般図書3冊と特別図書10冊の合計13冊の持込みを認めたものではない」と言う。マックス10冊ということだろうが、私の所持しているのは4冊であるから回答になっていない。
 「意味が分からないのですが?」と再度聞くと、「私本の一般図書3冊を持ち込むと、一般図書3冊以外の官本の特別図書を持ち込めるが、私本なら一般と特別を合わせて3冊まで」と言われた。
 規則のどこをどのように読んだらそのような解釈となるのかまったく分からない。こんなところで揉めるのは嫌なので、ABとⅮを持ち込んでCは領置してもらった。

 ところが巡回図書館(私の勝手な命名)があり、一般図書である小説を3冊まで借りることができる。その結果、居室内には私本のABDと官本3冊の合計6冊があったが、それでいいのか?分からない。
 聞くと、私本3冊までとの制限は第2規定にあるが、この私本3冊に加えて官本の一般図書を認めないとの規定は存在しないからOKなんだそうだ、なんとも不思議な規定である。(つづく)

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第57回 所内生活の心得(その6)

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