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業務上のミスについて、損害賠償請求に応じなければならない?

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業務上のミスについて、損害賠償請求に応じなければならない?

Q.

 主人は中古車販売の営業をしています。昨年末、中古車販売をした人が「先に納車してもらえれば、後から銀行ローンで支払う」ということで契約をしたそうです(通常は、ローン審査後、納車日もしくは前日に銀行から一括払いを受けた後に納車となります)。
 相手の方とは以前から会社の取引があり、信用して先に納車しました。しかし、結局銀行からの連絡はなく、音信不通となり、行方不明となってしまいました。
 会社側からは、中古車代金と(今まで支払いがなかったことを一種のレンタルととらえて)支払いのなかった4カ月分をレンタカー代として合計80万円を請求すると言っています。もちろん、支払いがなかったことは主人が上司に報告しているのですが、「連絡を取って支払ってもらえ」と言われるだけでした。
 こうした場合、全額支払うべきなのでしょうか?

(20代:女性)

A.

 ご相談者様のように、業務上のミスによって会社から損害賠償請求をされるケースはありえます。法的にいえば、不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)というものです。
 より具体的には、「故意または過失」によって「会社の権利を侵害し」、その結果「会社に損害が生じた」場合、「故意または過失と相当因果関係のある範囲における損害を賠償する」ということになります。

 しかし、一般的な不法行為と異なり、業務上のミスという不法行為の場合、少し考え方が異なります。それは「業務においてミスが生じることは通常であって、会社はある程度このミスを見込んでいる」という考え方がなされるということです。
 したがって、故意または過失を考えるにあたって「通常起こりうるような些細な過失を超える過失」が認められないと、損害賠償請求が認められないことになります。
 また、ミスについてこのように「織り込み済み」の部分があると考えるため、賠償についても過失割合によって会社が負担すべき部分を考慮しようという考え方があります。

 これらを踏まえて今回のケースを考えると(仮に訴訟に発展した場合)、まず「過失の有無」については、通常は、銀行ローンを経由して支払いを受けた後に納車をすべきところ、それをせずに、先に納車しているという行為は「些細なミス」とは言い難いものだと考えます。したがって、過失は認められるでしょう。

 もっとも、そのような手法で行うことについて、会社側はチェックして止めるように指摘するべきであったという「管理体制の不備」があったということはできると思われます。そうであれば、全額の賠償ということにはならず、販売代金の一定額を負担すべき、という判断になるのではないかと思われます。

 また、4カ月分の支払いがなかった期間について会社が被った損害は、期間中の利息程度といえ、レンタカー代と同視することは合理性がありません。したがって、支払いを拒絶できるのではないかと思われます。

 もっとも、これらは裁判で争った場合での想定です。現在ご主人様がお勤めになられている会社に対しての訴訟提起となれば、居心地が悪くなるのが予想されます。
 そうであれば、上記で説明した点を踏まえつつ、粘り強く交渉して支払うべき代金の減額を求めるというのが一番穏便な手法ではないかと思われます。

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