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「空き家=安く借りられる」は本当か?

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全国的に空き家が増えている。2033年には空き家の数は2000万戸を超え、3戸に1戸が空き家になるとの予測もある。地方ではそうした空き家を安く貸し出し、移住者を呼び込むといった動きも一部にみられるが、多くは活用されずに朽ちていくのが実情だ。

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しがない会社員の身だと、「古い物件なら安価な賃料だろうし、ぜひ借りたいのに…」と考えてしまうが、そう単純な話でもないらしい。

「空き家とひと口にいっても、その実態は様々です。たとえば、公益的な空き家の活用例に対して助成を行う東京の世田谷区など、エリアによっては空き家を地域の資源として積極的に活用していこうという向きもありますが、もともと賃貸物件として世に出ている空き家自体がまだまだ少ない。たとえば他界した親が住んでいた家が空き家になっている場合などは、そもそも人に貸すという発想がない、活用の方法がわからないといったケースがほとんどです。ですから希望のエリアで安く借りられる空き家は、思った以上に見つからないのが実情ではないでしょうか」

こう語るのは、住まいと街の解説者、東京情報堂代表の中川寛子さん。また、オーナーサイドには“貸したくても貸せない事情”もあるようだ。

「築古物件(築年数の古い建物)の場合、耐震強度の問題で貸せないというケースもあります。たとえば、現行の耐震基準を満たしていない物件だとわかっていて貸すと、大家の責任が問われてしまうなどです。そのため、白金などの一等地にも古い家屋はありますが、住宅ではなく倉庫として貸し出していることも少なくありません。倉庫にも耐震基準の定めはありますが、居住しない空間として貸せば問題がないだろうと考えている業者が多いようです」

もちろん、エリアにこだわらなければ、空き家物件自体は見つかる。なかには神奈川県の横須賀市のように、高台の空き家限定で空き家バンクを作り、ウェブサイトで物件情報を発信しているケースもある。ただ、必ずしも安く借りられるとは限らないという。

「結局、人の手が入った時点で高くなってしまうんですよ。空き家物件は老朽化や機能の問題でそのままでは住めないことが多く、それなりの補強や改修は必須です。また、古い空き家でもオシャレにリノベーションされていたら当然そのコストは上乗せされています。安く借りたいならDIYを許容している物件を探して、自分の手で改修を行うことですね。最近はDIY可の物件を探せるウェブサイトも増えていますし、昔に比べれば材料やツール、さらにはやり方についての情報も得やすくなっています。リノベーションスクールやワークショップのようなものも全国で開催されていますし、一緒にやる仲間も見つけやすいと思います」

なかには、希望のエリアを歩き回って空き家を探し、持ち主に直接直談判してDIY可の物件として安く借りる強者もいるようだ。つい、「空き家=安く住める」と安易に考えてしまいがちだが、実現するためには相応の労力とバイタリティが必要なのかもしれない。

(榎並紀行/やじろべえ)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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