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流産の手術を終えた日。道の片隅でしゃがみこむ私をぎゅっと抱きしめてくれた息子

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息子が3歳になったばかりの頃。

お腹の中には第2子が宿っていました。

息子に振り回されながらも、産まれてくる命を思い、優しい気持ちで過ごす日々でした。

ところがある朝、出血が始まり、順調だったはずの妊娠は流産に終わってしまったのです。

流産処置の手術日。

朝、夫が息子を保育園に預けに行ってくれました。

私はゆっくりと準備をして病院へ。

ついこの前まで、エコーでお腹の中にいる赤ちゃんの成長を確認し、嬉しい気持ちで通っていた場所です。

けれどその日は道すがら、こみあげてくる涙を何度もぬぐいました。

病院へ着くと手術着に着替えて点滴を入れました。

看護師さんから、その日の流れを確認されます。

手術自体は簡単なもので、15分くらいで終わると説明されました。

手術時間までベッドで横になっているのですが、頭に浮かぶのは最後に見た妊婦健診でのエコーの画像。

ピコピコと動いていたはずの赤ちゃんの心臓が止まっていました。

動きのなくなった真っ黒な空間。

頭に焼きついたエコー画像を繰り返し思い返しては、声を出さずに泣いていました。

しばらくして看護師さんがベッドへ来て、手術室へと移動しました。

冷たく感じた手術台。

寒くないようしてくれているのに、感情のせいか寒くてたまりませんでした。

麻酔であっという間に眠ってしまうと、手術はすぐに終わったようです。

目を覚ますと病室のベッドに戻っていました。

息子がいるので日帰り入院を希望していた私。

点滴が終わり、問題がないことを確認してもらうと帰宅することができました。

病院を出て、保育園へ息子を迎えに行きました。

「ママ―!」と駆け寄ってくる息子。

元気いっぱいです。

手をつないで家へと向かいました。

しばらく歩いていると、激しいめまいに襲われました。

私は手術で使う麻酔が合わない体質のようで、手術後にはめまいや吐き気が起こることがあります。

立っていられなくなり、しゃがみこんでしまいました。

息子に「ちょっと休憩しよっか」と笑顔で言うと、息子は「うん!」と私のとなりにしゃがみました。

「ありさんだ!」と、喜んでいる息子。

私は吐き気もしてきて、しゃがんでいるのも辛い状態。

どうして、こうなっちゃったんだろう…。

そう思った瞬間、涙があふれてきました。

息子の前では泣くまいと思っていたのに、もうダメです。

「ママ、泣いてるの?」

私の涙に気づいた息子は、目を丸くして驚いています。

「どうしたの?痛いの?」

何か言おうとすると大泣きしてしまいそうで、涙を流したまま笑って首を横に振りました。

途中で見つけた大きな石を大事に持っていた息子。

その石を放り出して、息子は私に抱きついてきました。

「ママ、大丈夫だよ。ぼくがいるからね。心配しないで」

息子の言葉への嬉しい気持ち。

赤ちゃんとの別れの悲しみ。

もう私の顔は涙でぐちゃぐちゃでした。

ぎゅっと息子に抱き締められながら、道の片隅で涙を流しました。

息子のくれた優しさを大切に胸に刻み、お空に帰ってしまった赤ちゃんが戻って来てくれるのを待ちたいと思います。

著者:シュガーバイン

年齢:30代

子どもの年齢:3歳

元気いっぱいの息子に、毎日振り回されつつ子育て中。「ママ、好き!」の言葉で、今日のイライラも疲れも吹き飛びます。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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