茅ヶ崎の大規模マンション、交流イベントが盛り上がるワケは?

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茅ヶ崎の大規模マンション、交流イベントが盛り上がるワケは?

昨今はマンションを販売する側が「コミュニティ支援」を売りにし、住民同士による交流イベントの運営サポートなどを行う動きも見られる。しかし、本当の勝負はその「サポート期間」が終了してから。1年か2年のサポートがなくなったあともコミュニティを維持できるか否かは、結局のところ住民たち自身のやる気次第だ。そこで今回は、築5年を過ぎても季節ごとのイベントや住民同士のサークル活動が活発に行われている「ライオンズ茅ヶ崎ザ・アイランズ」の事例をお手本に、マンションにおける継続的なコミュニティづくりの在り方について考えてみよう。

夏祭りやマルシェなど多彩なイベントを実施。住民同士のサークル活動も活発

「ライオンズ茅ヶ崎ザ・アイランズ」は、2011年完成の大型分譲マンション。1街区・2街区合わせ828戸という、湘南エリア屈指のスケールを誇っている。

目を見張るのは、住民同士の交流を促す「仕掛け」の多さ。夏祭り、ハロウィン、クリスマスといった季節のイベントに加え、月1回は敷地内の広場にてマルシェ(朝市)が開かれ、マンションのみならず近隣の人々の社交場となっている。また、住民同士による小さな“クラブ活動”も充実していて、「釣り」や「お菓子作り」、「マリンスポーツ」、「シニアの会」など20弱のサークルが活動中だ。

これらのイベントはもともと、冒頭に述べたような不動産会社のコミュニティ支援として、いわば住民たちへの付帯サービスのひとつとして、期間限定で始まったもの。そのため、当初はイベント会社が間に入り運営を担ってくれたが、2年間の契約満了をもってそれも終了。以後は完全に住民の手に委ねられている。

「サポート期間が終了してからは、やるもやらないも自分たち次第。一つひとつのイベントについて、どうするのか理事会で話し合いました。結果、季節ごとのイベントやマルシェは残したいという声が多く、住民だけで運営するのは不安もありましたがそのまま継続していくことになりました」

そう話すのは、イベント実行委員の林さん。サポート終了後のマルシェを仕切り、参加店舗数は当初の4倍、来場者数は毎回150名を超えるイベントへと育ててきた。それだけに、マンションにおけるコミュニティづくりの重要性を人一倍感じているようだ。

「住民同士の交流もそうですが、マンションの場合は地域といかにつながるかが重要です。どこでもそうだと思いますが、これだけ大規模なマンションが建つとなると、少なからず近隣住民の方々とのトラブルが起こる可能性があります。もともとマルシェを地域に開放したのも、そうしたあつれきを解消し、地域の人々を巻き込んだコミュニティをつくることが目的でした。今は、その輪をさらに広げていきたいと思っています」(林さん、以下同)

イベントを継続していくための体制づくりとは?

こうしたイベントは一般的に、住民同士で組織される管理組合や自治会が企画・運営を担う。多くの場合、管理組合の理事は持ち回りのため、その時々で選出されたメンバーのモチベーション次第ではイベント自体が立ち行かなくなる場合もあるだろう。そこで、ライオンズ茅ヶ崎ザ・アイランズでは理事が交代しても取り組みが続くよう、こんな体制をとっている。

「当初は管理組合が全てのイベント業務を担っていましたが、2年前の12月からマルシェをはじめとするイベントを管理組合から切り離し、イベント実行委員をつくりました。マルシェ担当、夏祭り担当、ハロウィン担当、クリスマス担当に分かれて、それぞれのイベントを仕切っています。メンバーは10名で、管理組合から数名、自治会から数名、それとは別に立候補していただいた数名の有志です。管理組合とは別組織になりましたが、イベントにかかる費用を協賛という形で負担していただくなど、協力しながらやっているという感じですね」

管理組合の理事は2年間の任期をもって終了となるが、イベント実行委員に立候補すれば継続してコミュニティづくりにかかわることができる。つまり、やる気のある人が理事会を離れても、そのままプロジェクトに残れる仕組みになっているわけだ。林さん自身も理事の務めを終えたあと、引き続きマルシェの運営を担うため手を挙げたという。

「イベント実行委員に関しては特に任期はありません。私はマルシェに関しては長く続けていきたいと思っています」

今後はこの盛り上がりを普遍的なものにするため、マルシェの運営を引き継ぐ後継者をつくっていきたいと林さんは言う。良質なコミュニティは、マンションの資産価値にも良い影響をもたらすといわれる。林さん自身は意識せずとも、その頑張りは知らず知らずのうちに不動産としての価値向上にも貢献しているのかもしれない。その熱意の輪が住民のあいだに広がっていけば、マンション自体の魅力もさらに高まっていくだろう。●取材協力

ライオンズ茅ヶ崎ザ・アイランズ
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/04/109402_main.jpg
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