天ぷらの疑問――揚げる前より揚げた後のほうが軽いのはなぜ!?
天ぷらを作っているとき、揚げている食材を菜箸で持ってみて軽くなっていたら、それができあがりの合図です。しかし、揚げる前より揚げた後のほうが軽くなっているのはなぜなのでしょう? 揚げた後は油を吸収しているのだから、むしろ重くなっているほうが自然な気もしますが、この重さの変化は揚げる前後の天ぷらの水分と油の量の変化によるものなのです。
油と水、重いのは…水!
油と水を比べると、水のほうが比重が重くなっています。揚げる前の天ぷらの衣にはだいたい60~70%の水分を含んでいますが、170~180℃という高温の油で揚げると一気に蒸発していきます。油に天ぷら種を入れたときのぶくぶくという泡は、この水分の蒸発によるものです。揚げる前に60~70%の水分を含んでいた衣は、揚げ終わりには20~30%以下まで水分が抜けています。最初、熱した揚げ油に天ぷらを入れると、最初は鍋の底のほうに沈んで次第に浮き上がってきますが、これは衣から水分が抜けて、より比重の軽い油を吸い込んで天ぷら全体が軽くなったからです。
また、揚げる前と揚げ終わった後では、衣の中の食材に含まれる水分と油の量も変化しますが、衣が食材をガードすることになるため、水分の蒸発はほとんど起こらず、水分と混じり合わない油は食材にそれほど吸収されることはありません。だから、上手に揚がった天ぷらは衣がカラリとしていながらも、中身の食材はみずみずしくジューシーなままの状態を保っているのですね。
油の吸いすぎに注意して、カラリと揚げれば軽い!
つまり天ぷらが揚げる前より揚げた後のほうが軽くなっているのは、衣の水分が蒸発して抜けてしまうからです。その分、油を吸収しているわけですが、油は水よりも比重が軽いために、ほとんどの揚げ物は揚げた後のほうが1割程度、重さが軽くなっているのです。油の温度調整や揚げ時間に見誤うと、衣が油を吸収しすぎてベチャベチャになり、中身の食材からも水分が抜けて油を吸い込んでしまいます。こうなると、揚げ上がっても軽くなるようなこともなく、味わいも重い天ぷらになるので気をつけましょう。
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