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鬼才・三池崇史監督が語る「バトルムービー」3選

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原作マンガは累計発行部数1600万部の大ヒットコミック。火星への人類移住計画の最終段階で、人類史上最悪の敵と遭遇した隊員たちの壮絶な戦いを描いた映画『テラフォーマーズ』が話題だ。そこで、実写化にあたりメガホンをとった三池崇史監督に、おすすめの「バトルムービー」を3作品紹介してもらった。

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●『スターシップ・トゥルーパーズ』(1998年)
監督:ポール・バーホーベン 
出演:キャスパー・ヴァン・ディーン、ディナ・メイヤーほか

ロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』を実写化。銀河系で植民地支配を推し進める地球では、男女の区別なく軍歴で階級分けされる差別社会が形成されていた。そんな折、ある惑星での植民地化失敗により反撃に出た昆虫型異星生物(バグズ)が地球に襲来する。主人公・リコは恋人のカルメンが艦隊アカデミーに入学することを知り、自らも軍隊に入隊するが。

「バーホーベン監督の映画は痛快。シャワーを男女一緒の場所で浴びるなど性別の垣根はないんだけど、でも恋はするっていうごちゃ混ぜ感もいい。この作品はデジタル初期の頃でミニチュアを使っているんですね。CGでお花畑を作っても嘘くさいけど、宇宙船が真っ二つになるとか爆発する描写にはCGが最も武器になる。デジタル技術がいかに“破壊”の描写に向いているかを証明した、象徴的な作品だと思います」(三池監督、以下同)

●『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年)
監督:ダニー・ボイル
出演:デヴ・パテル、マドゥル・ミッタルほか

インド・スラム街出身の無学な少年・ジャマールがクイズ番組に出場する。彼はミリオネア(富豪)まであと一歩までに迫るが、不正を疑られ警察に連行されてしまう。彼はなぜクイズに正解できたのか? ジャマールの生い立ちとともに、真の目的が次第に明らかにされていく。アカデミー賞8部門を制したヒューマンドラマ。

「戦闘シーンはないけれど、この作品もある意味“戦う映画”。自分と戦って、権力と戦って、欲とも戦う。見えないものとの戦いが描かれていて面白いですね。同様に『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』っていう“真実”と戦う映画があるんだけど、拳を使わない殴り合えない戦いって実はキツいなあと思いますね」

●『燃えよドラゴン』(1973年)
監督:ロバート・クローズ
出演:ブルース・リー、ジョン・サクソンほか

少林寺の武芸者リーは、麻薬捜査および亡き姉の復讐を果たすため、犯罪組織の支配者・ハンが主催する武闘大会が行われる要塞島に乗り込む。内偵により麻薬製造の証拠をつかみ、トーナメントで姉の宿敵を倒したリーだったが、捕らわれて…。劇中ブルース・リーがカンフー少年に語った「Don’t Think! Feel!」はあまりに有名。世界中にブームを起こしたカンフー映画の金字塔。

「僕ら世代にとって戦いの映画としても、映画を観る1つのきっかけとなったという点でも外せない作品ですね。今の世代の人が観たら古臭いと思うかもしれないけど、僕らは“新しいもの”として観ていたんです。だから時間が過ぎればみんな古いものになるんだっていうことも見返すたびに教えてくれる映画だし、ブルース・リーは格闘技という側面でも核となる存在なんじゃないかな」

ブルース・リーは神のような存在、そう告げる三池監督はさらに言葉を重ねた。

「なにより日本の子供たちにとって衝撃的だったのは、実はこの作品が公開された1973年の12月には、ブルース・リーはすでに亡くなってるんですよね(※同年7月死去・享年32)。『ブルース・リーって、すげえカッコイイなあ』って感心しながらも、もう死んだんだって子供心に薄々分かっている。今、この世にいない男に憧れる…かなり特殊な体験ですよね」

世界的ビッグスターの遺作から映画の魅力を学んだ監督は、数年後、人生に影響を与えたもう一本の作品と偶発的に出会う。

「本当はチャップリンの『街の灯』が観たかったんだけど満員で入れなくて。でもせっかく大阪の田舎から繁華街に出てきてるんで何か観ようと思って歩いていたら、ちょっとHな服装の外国人のお姉さんが怖がっている映画のポスターが掲示されてた。それで観たのがトビー・フーパー監督作『悪魔のいけにえ』(※日本公開1975年)。当時の大阪松竹は劇場の中に柱が立っている古い建物で、シートにも人の匂いがして雰囲気的にすごく怖かったんです。そんな中で、ハンマーで殴られて人が痙攣する…なんていう光景を観たことなかったんで、もうビックリ。『映画は危ないな~』と思いましたね。怖いけど、面白い。こんなのもあるんだ、と」

ホラー映画の巨匠13人が競作するオムニバスシリーズ『マスターズ・オブ・ホラー』(2006年)で、三池監督がトビー・フーパーと仕事をすることになるのはこの体験から約30年後の話。

人生に影響を与える映画との出会いが新たな才能を生み出し、その連鎖は続いていく。今後は三池作品に触発されて映画監督を目指す後進たちもきっと出現することだろう。

今回三池監督は、“実写化は不可能”とまで言われていた原作を映像化。最初オファーされた時は「ムチャだなと思ったけど、ムリだと思った瞬間にやってみたいと思った」と語っている。戦い続ける鬼才監督の最新映画『テラフォーマーズ』、その仕上がりは自分の目で確かめて!
(足立美由紀)21世紀、増加の一途をたどる人類は“コケ”と“ある生物”を火星へ送り込み地球化を進めていた。その500年後、計画の最終段階として火星に降り立った隊員15名は、驚愕の進化を遂げた生物=テラフォーマーの襲撃を受ける。そして陰謀を企む科学者・本多は隊員たちに昆虫のDNAを移植した超人化手術を秘密裏に施していた事実を明かす。最もどう猛な昆虫が移植された主人公・小町ほか隊員たちは、動揺しつつも絶望的な戦いに身を投じていく/4月29日(金・祝)新宿ピカデリー他 全国公開/(C) 貴家悠・橘賢一/集英社 (C) 2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会今村昌平、恩地日出夫ほかの助監督を務めた後Vシネマ『突風!ミニパト隊』(1991年)で監督デビュー。映画『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』(1995年)を皮切りに映画、テレビ、OV、舞台とボーダレスに活躍。その妥協のない映像表現は海外で高く評価され、“日本一多忙な監督”と称される人気監督に。今後の監督作として『土竜の唄 潜入捜査官 REIJI』続編や『無限の住人』(2017年予定)の公開が控える
(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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