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見返りを求めない生き方が人生に奇跡を起こす。空海が実践した「お布施」の大切さ

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突然だが、「お布施」という言葉を聞いて、あなたはどのようなイメージを持っているだろうか。法事やお葬式でお坊さんに読経してもらったあとに渡す現金を思い浮かべる人が多いかもしれない。

だが本来、お布施は「お坊さんに渡す謝礼」ではない。出家した修行者のボロボロになった衣服を見た町人が「せめて着るものでも」と、使い古しの布を施したのが始まりなのだという。そこには「喜んで捨てる心」や「見返りを求めない心」があるのだ。

見返りを求めない、喜んで捨てる――そんな生き方をした人物がいるという。真言宗の開祖であり、平安時代初期を代表する僧侶・空海だ。

現代に至るまでその名と伝説を残している空海だが、『積み重ねる生き方 〜空海に学ぶ自分の人生に満足する法〜 Kindle版』(フォレスト出版刊)の著者である中村太釈さんは、彼も「お布施体験」を積み重ねることによって、人間としての器を大きくしていったと推測する。

■あなたの人としての器を大きくする7つの「お布施」

仏教における「お布施」とは「無財の七施」といわれるもの。これは、「お金や物がなくても、周りに喜びを与えるお布施が七つある」という仏教の教えだ。具体的にどのようなものなのか、そのエッセンスを紹介しよう。

1.眼施(がんせ)
眼施とは優しい目で相手を見つめること。これによって、相手は見守られているという安心感を持つ。

2.和顔施(わがんせ)
笑顔は人との距離を縮めるもの。つまり笑うことそのものがコミュニケーションにおいて大切な要素なのだという教え。

3.言辞施(ごじんせ)
優しい言葉や思いやりのある言葉で相手を安心させよという教え。

4.身施(しんせ)
身を呈して周囲の人間を助けることの大切さを説く教え。自分にとってはほんの少しと思える手助けも、相手にとっては大きな感謝となるものと考える。

5.心施(しんせ)
慈悲の心を持って相手を見つめることを指す。ちなみに「慈悲」とは、親子の関係のように相手を思いやり、相手の悲しみを我が悲しみのように感じること。

6.正座施(しょうざせ)
仏教の世界では、修行の際、仲間に対して進んで相手に座る場所、ときには寝泊まりする場所をも提供し、安らぎを与えるよう説く。

7.房舎施(ぼうしゃせ)
山岳修行をするときに最も困るのは食事と雨露をしのぐ場所の確保。だからこそ、もし自分が「雨の当たらない場所」を見つけ、そばで雨に濡れている人がいるなら、その場所は自分だけの場所ではないと考え、少し場所を譲るべきという教え。

この7つのお布施が、空海という人物をつくりあげていったのだろう。

■弘法が筆をとった瞬間に相手の印象がコロッと変わり…

しかしエピソードを掘り下げていくと、この空海という人はスゴイ。空海の乗せた船が航海の途中で嵐に遭ってしまうが、なんとか中国大陸に辿り着く。ところが、正式の国書を持つ船と離ればなれになってしまったために、中国の役人から海賊船であると疑われてしまう。遣唐使の役人が、中国の役人に「海賊船ではない」と手紙を何度も送ったものの、相手にされずに途方に暮れていたところ、空海がひとたび筆をとり手紙を送ると「この文章は品格があって素晴らしい」と絶賛され、一行は国賓としての待遇を受けたという。

「すごい」と思うものから「それはいくらなんでも」というものまで、空海の逸話は数多く存在する。

そんな空海を空海たらしめた修行の一つにお布施があった。「修行」という特殊な状況を前提に説かれている教えとはいえ、それは、私たちの日常にも充分応用可能なものだ。人としての器を大きくするための一歩を踏み出すため、参考にしてみてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部)

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