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【70’sモダンな喫茶店探訪】高田馬場・ロマンでロマンを感じる

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今こそ訪ねたい70年代モダンな喫茶店

レトロな喫茶店が好きという人は多いと思いますが、実はゴージャスなムードの高級感漂うお店が好きだったりします。

ヨーロッパ調の家具調度が置かれた暗めな室内。マイセンやセーブル風の華やかなカップ&ソーサー。壁にはステンドグラス風の意匠が施され、ショパンのノクターンが静かに流れる……みたいな。

お城系なんて言われることもある、このような喫茶店には固定のファンがいていろいろと論評されることも少なくありません。

その一方で、あまり注目されることもなく、そのまま時代の流れでクローズしてしまうお店も多くなってきているのが70年代風の喫茶店です。

昨年はホテルオークラ東京の本館が建て替えのため取り壊され、多くの人が名建築を惜しみました。ここには、歴史的建造物と違って現代建築の文化的重要性がきちんと理解されていないという問題があります。

それと似たような問題が喫茶店にもあるのではないでしょうか。

70年代モダンな喫茶店を訪ねるなら今ですよ!

そもそも70年代という時代自体がやや軽んじられているようにも思えます。

モダニズムの60年代とポストモダンの80年代の狭間の時代という中途半端なイメージ……。

しかし、過渡期ならではの面白さというものもあるのではないでしょうか。

そんな時代に生まれた70年代モダンな喫茶店を探訪し称揚すべし、というのがこの企画。

今回、紹介するお店があるのは高田馬場。

高田馬場とえば70年代モダンの聖地、と私は勝手に呼んでいるのであります。

高田馬場のシンボル、BIG BOX。

黒川紀章の設計により1974年に竣工したこの商業ビルは、ボウリング場やジムなどのスポーツ施設やアパレルのテナントが入った、当時、最新鋭の複合アミューズメント施設でした。

開口部がない堅牢なイメージのファサードには商業施設なのに華やかさがなく、まるで要塞のよう。

そして、このBIG BOXのある高田馬場駅前交差点の周囲はというとぐるり70年代チックな建物に囲まれております。

どうですか、このプチ・レトロ・フューチャー感!

完全に70年代で時を止めております。

50年代から70年代のいわゆる新宿文化華やかなりし頃に新宿の衛星都市的なオシャレ感のあった高田馬場。

今で言えば渋谷に対する三茶とか三宿とかそんな感じでしょうか。

その後、若者文化の中心が新宿から渋谷に移ると、高田馬場はその存在感を低下させ時が止まってしまったんですね。

そんな高田馬場の駅前にあるこのクールなビル。

光沢感のある白いサイディングに窓が整然と並ぶ様はなんともスペーシー。

このビル、竣工したのは1969年ですが、まあ、ほぼ70年代ということで、そのへんはゴニョゴニョ……。

竣工と同時に、2階にオープンしたのが「ロマン」さんです。

“新幹線みたい”と言われたクールな内装

かわいらしい看板と、懐かしいショーケースが出迎えてくれます。

そして一歩、店内に入ると……。

角がラウンドしたウィンドウにボックス席がセットになった様子は、なにやら宇宙船の内部を思わせるではありませんか。

70年代喫茶店の重要な要素の1つが、このスペーシーさです。

オープン当時は、よく“新幹線に乗ってるみたい”って言われたんですよ。

そう語るのはママのよしこさん。

70代だそうですが、とても上品でお若い!

現在、ご主人、娘さんのまさみさんとともにお店を切り盛りしています。

なるほど新幹線ですか。たしかにそんな感じもしますよね。

よしこママによると、このお店をオープンしたのはご主人のお父さん。

脱サラして3人で始めたんだそうです。

飲食店の経験などまったくなく、すべて初めてですから必死でした。でも、当時はこのあたりに食べ物屋が少なかったので、お陰さまで順調に軌道に乗りました。それに、入っているこのビルも集客力があった。昔はボウリング場と映画館があったんですよ。今は居酒屋さんなんかになっていますけどね。(よしこママ)

お店の長い歴史を感じさせるのがこちら。

ズラリと並ぶコミックは、お客さんが置いていった物が溜まったのだとか。

何冊あるかわからないというコミックは、これでも一部で、倉庫にも大量に保管しています。

奥に見えるボックスは公衆電話があった跡。

これも懐かしいですねえ。

携帯普及以前の喫茶店にはよくありました。

店内は何度か改装していますが、窓際のボックス席の雰囲気は変えないでいるそうです。

言われてみると、奥のテーブル席は80年代の香りがします。こちらのパイプ製のチェアなんかいかにもです。

アイドルのお忍びデートも

お店には、その時々の有名人も大勢、訪れています。

アイドルの方がお忍びでデートに来られることもありました。近所に住んでいらした漫画家さん、出版関係のお客様も多かったですね。

映画やドラマの撮影にも何度も使われています。


映画館で予告編が流れた次の日から、さっそくファンの方が見えたんです。毎日、たくさんの方がいらっしゃいましたよ。中には海外からも。(よしこママ)


開店当時、今、一緒にお店をやっている娘がお腹にいたんです。それを考えると長い時間が経ったと感じますね。常連のお客さんに支えられてここまで来ました。サラリーマンの常連さんで地方に転勤になった方が、また東京に戻って来られて、“ひさしぶり”と言って見えることがあります。そんな時は、長く続けていてよかったなと思いますよ。でも私も70歳を過ぎました。このお店も私たち夫婦の体が動くうちですね……。(よしこママ)

まだまだお若いじゃないですか、よしこママ!ずっと元気でお店をやってください。

いただいた「ロマン特製ブレンド」は、よしこママの人柄のように優しい味でした。

お店情報

ロマン

新宿区高田馬場2-18-11

電話:03-3209-5230

営業時間:営業時間 平日 9:00~23:30、土・日・祝 9:30~23:00

定休日 無休(お正月を除く)


書いた人:

宇田川しい

東京都出身。ゲイ・ライター。コーヒー・ライター。和光大学中退後、編プロ、出版社勤務を経てフリーランスに。元アル中で断酒後、コーヒーにハマる。ゲイ・ライターとしてはハフィントンポスト日本版でLGBT関連の記事を担当する他、現在、単行本を執筆中。年齢非公表。 Twitter:@siiudagawa

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