体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

作詞家・岩里祐穂、作詞生活35周年記念アルバムで坂本真綾・中川翔子・花澤香菜との対談が実現

作詞家・岩里祐穂、作詞生活35周年記念アルバムで坂本真綾・中川翔子・花澤香菜との対談が実現

殿堂入りの名曲から最新ヒットまで手掛ける女性作詞家・岩里祐穂。近年、ももいろクローバーZなどのアイドルやアニソンでもヒットを出し続けている彼女の活動暦35周年を記念した2枚組コンピレーションアルバムが5月25日に発売される。

そのブックレットの中身がなんと140Pにも及ぶあたかも本のような内容だということが発表され話題となっている。全て縦書きでまるで詩集のようなそのブックレットには、それぞれ6,000字以上の対談が3本(坂本真綾・中川翔子・花澤香菜)が掲載されおり、岩里ファンならずとも興味深い内容となっているという。

対談以外にも岩里祐穂のインタビューはもちろんのこと、今井美樹、菅野よう子、布袋寅泰といった、彼女と縁の深いアーティストからの祝福メッセージなども掲載。ジャケットは旧友の漫画家・高橋留美子による描き下ろしとなっている。

また今回は特別に、坂本真綾との対談の一部が先行公開された。

「スペシャル対談 坂本真綾×岩里祐穂」より
——今回のアルバムに収録される「プラチナ」についてもお聞きしたいんですが。
岩里「たくさん詞を書かせてもらってるけど、〈プラチナ〉で良かったですか?」
坂本「もちろんです!私のデビュー20周年を記念してCDに付いてるプレゼント応募ハガキで好きな曲を3曲書いてくださいっていうアンケート があったんですけど。第一位が〈プラチナ〉でした」
岩里「えっ、それ初めて聞いた」
——ライヴでも「プラチナ」のイントロが聴こえてきた瞬間、全力で喜んでいるお客さんをよく見ます。
坂本「全国ツアーの地方に行けば行くほどその反応って大きくて。あの曲で私を知ってくれた人が多いし、今でも一番好きだって言ってくださる方 が多くて。正直言うと、あれは19歳の時の歌で、可愛い曲じゃないですか。20代後半や30代になって〈プラチナ〉を歌って、これで一番盛り 上がられてしまうのはどうなんだろうって。悔しいから、『打倒〈プラチナ〉』ってずっと思ってたんですよ」
岩里「あはははは」
坂本「もちろん大好きな曲なんですよ。今の私はあの時よりも百倍上手に〈プラチナ〉を歌えますし(笑)。でもみんなが求めてるのはあの頃の拙 い歌なのかもしれないとか、色々考え過ぎちゃって、この曲が難しくてたまらない時もありました。でも今はグルッと一回まわって、前回のツアー で歌った〈プラチナ〉が生涯で一番良かったと思います。それは、お客さんにもそういう風に思わせてもらったんです。地方に行って〈プラチナ〉 を〈I’m a dreamer〉※ と歌い出した瞬間、お客さんがウワッ!となる。これまではそういう反応に〈また盛り上がっちゃったな〉と思う自分もいたのに(笑)、今は自分の中でそれが 腑に落ちたというか、みんなが聴きたい曲をやることはすごく大事なんだと思えました」
岩里「みんな待っていてくれてるんだね」
坂本「はい、今は私、『さあ、みなさん〈プラチナ〉が始まりますよ、待ってたでしょ?』っていう喜びに満ちた気持ちで歌い始めることが出来る んです。だからめちゃくちゃハッピーで」
岩里「それは私も嬉しいわ。でも〈プラチナ〉って大変だったのよ、サビを何度も書き直して。当時、子供がまだ小さくてちょうど夏休みで、蒸気 機関車が廃止されるから見に行こうなんていう家族旅行の最中で。その時にサビを直してくださいっていう宿題を抱えてたの。でも、途中で思いつ いて、それで駅前の食堂で菅野さんに『〈みつけたいなあ かなえたいなあ〉だと思う』って電話したりして。このサビの一行目が浮かんだ時は、 ようやく答えが見つかった!って思った」
坂本「〈もっと もっと つよくなりたい〉っていうところが……これ、もう言うだけで泣きそうになるくらい本当に好きなんです(涙ぐむ)」
岩里「え、そうなの〜?」
坂本「歌う時にいつも泣きそうになっちゃうんです。もしかしたらもう何百回も歌ってるかもしれないのに。あのメロディはすごく明るくてポジ ティヴなんですけど、あの歌詞が何とも言えず、ヒリつくんですよ」
岩里「何気ない言葉なのにね。」
坂本「〈ちいさな光だけど何時かは〉って。特にこの歌を歌い始めた頃には、痛々しいくらい頼りない私が〈つよくなりたい〉なんて歌うからみん なも『そうだろうねえ』って心配そうに見守ってくれてたんじゃないかなと思う、そんな時から歌ってるんです。今ですら、あの時の『もっともっ と何かにならなきゃ』って思っていた当時の気持ちがシンクロして、でも、今はものすごく自信を持って歌ってる自分がいるから悲壮感がないで す。昔はあんなに可愛いくてポジティヴな歌なのにそれに全然見合わない私にとってはすごく悲壮感のある歌だったから。だから今になって歌うと 全然気持ちが違うんですよね。でもこんな風に、今でもちょっとウルッてなっちゃうくらい」
岩里「いい涙見ちゃいました。ありがとう。びっくりしちゃった」
坂本「この曲は色んなことを乗り越えて、正真正銘の代表曲として、一生歌っていい曲だなと。ようやくそう思えるようになりました」

1 2 3次のページ
Musicman-NETの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。