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マタニティマークはそれほど疎まれているのか?2人目出産を機に検証してみた

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会社勤めをしているので電車には毎日乗るのだが、自分が子持ちになり、気にして見ているせいなのか、マタニティマークをカバンにつけている女性をよく目にする。

筆者が第一子を出産した5年前に比べると認知度もあがり、つけている人も増えている気がするのだが、5年経っても相変わらず、マタニティマークに伴う「都市伝説」はあとをたたない。

・マタニティマークをつけていたら、電車を降りる間際に中年女性にお腹を殴られた

・マタニティマークをつけて優先席に座っていたらおじさんに説教された

……などなど。

筆者も、第一子を妊娠中は非常にナーバスになっていた。

妊娠というものがよくわからないし、初めてのことなので周りのリアクションも想像がつかない。

お腹が大きくなる前は、なるべくマタニティマークを隠すようにして電車に乗った。

妊娠中に引越しをして路線が変わると、ラッシュの混み具合はさらに悪化。

さすがに途中でバス通勤に切り替えたが、当時はまだ若く、気力も体力もあったので、無事に産休入りまで通勤をやり遂げた。

■マタニティマーク、ほんとうはどういう目的なの?

ちなみに、駅で配布されるようなマタニティマークには「着席を保障するものではありません」と書いてある。

そもそもなぜこのマークがあるのかというところを考えたい。

厚生労働省によれば

・妊産婦が交通機関等を利用する際に身につけ、周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするもの。

・さらに、交通機関、職場、飲食店、その他の公共機関等が、その取組や呼びかけ文を付してポスターなどとして掲示し、妊産婦にやさしい環境づくりを推進するもの。

と説明している。

▼マタニティマークについて

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/maternity_mark.html

“具合の悪い時に、交通機関で座れるように”そして“タバコの煙から離れられるように”など、妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保をめざしたものである。

水戸黄門の印籠のようなわけにはいかない、そんなことはみんな百も承知だが、ご高齢の方に席を譲らない人々が横行している昨今、妊婦はさらに立場は弱く、マークの認知度がイマイチであればなおさら着席の権利は遠ざかる。

5年前の私のように、体調のよい妊婦ばかりとは限らない。

それは、昨年の第二子妊娠中、自分が非常に“具合の悪い妊婦”として過ごした経験からはじめて知ることでもあった。

■全方位から見えるようにマタニティマークをつけたらどうなった?

最初の妊娠で思ったことがある。 マタニティマーク、場所によっては見てもらえない位置になってしまうということ。

「次、チャンスがあったら、私カバンのつけられるところ全部にマタニティマークつけてみる!」

5年前、確かに私はそのようなことをいろんな場所で言っていた。

想像してみてほしい。カバンのいたるところにマタニティマークがついている状況を。

ネタかどうかはさておいて、一瞬ぎょっとする、もしくは半笑いすることだろう。

マタニティマークの認知率が2014年当時の調査でも半数を切っているというデータが出ていた。 女性でも60代以上になると70%がその存在を知らないのだ。

デモンストレーションを行うには最高のタイミングではないだろうか……。

妊娠を告げると、友人たちは使い古しのマタニティマークを続々と送ってくれた。

それらをカバンの装着できる箇所すべてにつけてみた。

最高で6個。前後左右、確実に見える位置につくことになる。

自分の体調に合わせ、しんどいときには増やし、そうでもないときには1つという運用にしてみた。

見た瞬間に「ぷっ」とふきだされ、「あんた、それ、つけすぎやで!」となることを半ば期待していたのだが、ここは東京である。

みなさんの対応は非常にジェントルなものであった。

真っ先に気づいてくださったのは、結婚指輪をしている30代前後の男性サラリーマン。

おそらく、ご自身にも小さいお子さんがいらっしゃるのであろう。

遠くの場所から「空きましたよ!」と教えてくれたこともあった。

つぎに、50~60代くらいのおばさまがた。

わざわざ座っている人に声をかけて席を空けてくださったこともあった。

ご自身に最近生まれたお孫さんの話をたくさん聞いた。

そして、自分も乳幼児を連れている奥様方。

ここは「いやいや、そちらこそお座りください!」と譲り合いになりながらの着席であった。

60近いジェントルな装いのおじさまがたも、親切にしてくださった。

そのビシッとしたスーツに中折れ帽。

どこかのお偉方だろうか……。

それから、地下鉄であった女子中学生。

「気づかなくてごめんなさい!」とスマホから目を上げてあわてて譲ってくれ、その拍子に彼女の持っていた荷物が全部散らかって、それをふたりで片付けたりもした。

結論からいうと、確実に5年前よりは気づいてもらえた。

それはマークの認知度なのか、たくさんつけていて目立ったせいなのかわからないが……。

そして「人が殺伐としていない路線は人が優しい」という印象を受けた。

山手線よりは京浜東北線や地下鉄。

一定数は確実に、マタニティマークを確認すると寝たふりを決め込むので、「母さん、東京は世知辛いところです……」と心でつぶやきながら、同じく横で立っている杖をついたお年寄りと苦笑いした。

親切な人は大変に親切だった。

そして「そうでない人はタンスの角に足の小指をぶつけろ!」と思いながら過ごした妊娠期間。

いただいた親切を返すために、今は妊婦さんに積極的に席を空ける活動をしている筆者である。

■マタニティマークをめぐるこの状況、今のままでいいのかな

東京都福祉保健局が配布している「ヘルプマーク」というのをみなさんご存知だろうか。

▼ヘルプマーク

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shougai/shougai_shisaku/helpmark.html

義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、外から見えづらい障害や体調不良を抱えて生活している方が、援助や配慮が必要であることを知らせるものである。

マタニティーマークより大きく、デザインも甘すぎない。

用途も妊婦だけではなく多岐にわたるので、いっそのことこちらのマークが広まったほうがいいのではないかとすら思う、元・妊婦である。

筆者は帝王切開での出産だったが、正直産後1ヶ月以上は傷が痛んだ。

立っているのもつらいときが多かったが、混んでいる電車に乗ってしまったときはどうにもならず、しゃがみこんでしまうことも多かった。

今にして思えば、このヘルプマークを取得しておくのがよかったかもしれない。

しかし、東京都以外での認知度がイマイチなのも実情で、都民すら知らない人は多い。

ぜひ、東京都福祉保健局は厚生労働省と組んで、マークの認知に力を入れて欲しいと願うのだ。

著者:kikka303

年齢:39歳

子どもの年齢:5歳・1歳

1976年東京生まれ、都立北園高校出身。東京モード学園に進学するもインディーズブランドブームにのって学校を中退、以降フリーランスのデザイナーとして活動。その傍ら、複数のテレビ局にてデジタルコンテンツを担当。2010年に結婚&出産。現在は都内某所にてWEBディレクター職についている。超イクメン夫、チャラい長男、食いしん坊な次男との4人暮らし。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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