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高齢者が音楽を聴きながら運動することで得られる効果と注意点

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ご高齢者や認知症が進んだ方にも楽しんでいただける音楽会「音楽の花束」を主催しておりますGOTOです。

高齢者施設で体操やリハビリを行う際、音楽をかけながら行うことが多いように見受けられます。そこにはどんな効果があるのでしょうか。さらに効果が得られるよう工夫できるのでしょうか。今回は運動と音楽について考えてみます。

音楽を聴きながら運動することについて

得られる効果

オリンピックやワールドカップに出るようなアスリートが、イヤフォンで好きな音楽を聴きながらトレーニングをしている様子が報じられ、「音楽を聴きながら運動するといいらしい」という認識は一般的に定着しています。特に時間をかけて単純な動きを繰り返す有酸素運動の際に、好きな音楽を聴いていると退屈せずにやり遂げられる、ということは一般的に定評があります。

また、筋トレをするときに「筋肉と語り合う」という人もいますが、トレーニングには「鍛えている場所に集中して意識を向ける」ことが大切だと言われます。集中力を高めるためにヘッドホンで音楽を聴き、周囲のことに気を取られないよう自分の神経をシャットアウトする、という考え方もあります。

注意しなければならないこと

人の神経がキャッチできる情報は限りがあります。虫刺されによるかゆみを感じなくするために、叩いて紛らすという冗談みたいなやりかたをご存知の方も多いでしょう。痛みを与えることで、かゆみを感じなくさせる、ということですね。

運動中に目隠しをしたり耳栓をして「情報を遮断する」と運動中の苦痛が増加する、という実験結果もあります。つまり運動中に音楽を楽しむことは、キャッチする情報を増やすことで運動による苦痛を軽減しているわけです。

運動動作に慣れている方にとっては、音楽はパフォーマンスを高めるために有効です。しかし、初心者や高齢者など、運動動作を注意深く確認しながら行わなければならない方にとっては、必要なことへの集中力が逸れてしまうことになります。誤った動きによる怪我や、苦痛への感覚が鈍ることでやりすぎを招いてしまう可能性があることを、認識して取り入れるべきだと思います。

ランニング中の音楽について

得られる効果

2016年2月、米科学誌「プロスワン」(電子版)に、東北大学大学院の研究チームが行った、ランニング中の音楽はリラックス効果だけではなく、心臓にも優しい効果があるという研究結果が掲載されました。自律神経に働きかける音楽の効果を利用し、運動中から運動後にかけて心が落ち着く音楽を聴いていると、副交感神経活動の低下を著しく抑制し、回復に良い効果をもたらすことが実証されたというものです。

心大疾患患者など、運動リハビリによって自律神経機能を改善することが重要なケースなどに応用することが考えられます。このデータは、今後医療の場で行う音楽を使ったリハビリテーションの確立に、大いに貢献するのではないかと言われています。

注意しなければならないこと

ランニングやウォーキング、自転車こぎなどは、人それぞれの歩幅や体力に合わせたリズムがあります。自律神経への効果を求めて、個々の運動リズムに合わない音楽を選択すると運動効果は激減、またはペースが乱れることで余分な疲労を招くことになります。蛇足ではありますが、屋外での運動の際にヘッドフォンやイヤフォンで両耳をふさいで外部の音が聴こえなくなることは事故の危険を招きますので、片耳は空けておくなど配慮も必要です。

しかし、なんと言っても認知症が進んでいても音楽が大好きで、音楽が始まると和やかになり、会話もスムーズになるというケースはとても多く見られます。身体機能維持のためのリハビリを行う際、聴く人の気持ちに働きかけ、よい効果を生む音楽の利点と、こうした注意点をしっかりと知った上で、上手に活用したいものです。

「音楽療法」と「運動しながら音楽を聴くこと」の違い

高齢者施設で歌ったり、コンサートを開くと「いいですね」というだけでなく「癒されて元気になるから、これは音楽療法ですね」と言っていただくことがあります。さて、どうでしょうか。医療の現場や高齢者施設に音楽を持ち込むことは、とてもデリケートな問題を孕んでいます。音楽の影響力は非常に大きく、前述のようによい効果の裏側には大きくマイナスに働く力も持っているからです。

「音楽療法」はその音楽を使って、さらに心理学や病気に対する知識などを身に付けた状態で初めてできることです。米国認定音楽療法士は国家資格になっており、承認された大学のカリキュラムだけでなく、半年のインターンシップを終えて、初めて受験資格が与えられています。日本では資格が民間のもので、日本音楽療法学会の認定資格をはじめ基準はそれぞれ違います。

導入を検討する場合は、個々の方の病状等に合わせて、ご家族はもちろん医師やリハビリに関わる専門家との情報交換の中で、どのようなセッションをどんな目的で行うかをきちんと確認することが大切だと思います。現在日本でも、病院やホスピス、高齢者施設、障がいを持った方の施設など、いろいろな場所で音楽療法が行われています。
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対象となる方の身体状態や精神的、感情的、認知的、社会的な必要性に応じて音楽を意図的に使用するこうした「音楽療法」は、運動中に音楽を使うということとは別のものだと言えます。

音楽と運動を楽しむリハビリ活動について

GOTOは5月から、パーキンソン病の方に対しての運動継続プログラム「PD Café」に音楽プログラムの提供を始めます。
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PD Café」では、パーキンソンの当事者で、東京メトロの車内アナウンスで知られる言葉の専門家である長谷川浩大(はせがわ ひろお)さんを始め、臨床経験豊富な理学療法士、言語聴覚士という病気のプロたちが、専門家としての知識と経験を最大限に活用しながら研究をしています。

主催はThe Smile Space(代表・理学療法士 小川順也氏)で、多くの理学療法士やその卵が関わっています。パーキンソン病は高齢者に多く発症することでも知られており、症状の進行を遅らせるために服薬と同時にリハビリをすることがとても有効だけれど、毎日地道なリハビリを継続することがとても難しいそうです。
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「歩行などのリズムが取れなくなる」「声を出すときに音の高さの感覚がわからなくなる」「発語が難しくなってくる」というパーキンソン独特の状態に対して、「音楽が大好き」という病気の専門家が「音楽を使ったらきっと続けたくなる楽しいリハビリができるに違いない」と考えたそうです。現在ご一緒に工夫しながら音楽の提案の仕方を考えていますが、これは絶対に楽しく、続けたくなって、そして効果も上がると思います。

問い合わせ先

音♪トレ 東京・新宿教室
問い合わせ番号:090-3507-7236

HIRO VOICE STATION はせがわひろお

さいごに

みなさまも日常生活の中で、身の回りで使っている音楽をもう一度見直してみてください。療法という特別な領域でなくとも、より快適で健康な日々を、楽しく過ごせるような工夫がたくさんできると思います。

GOTOの高齢者向けの音楽提供はまだまだ模索中。
次回もどうぞお付き合いくださいませ。

この記事を書いた人

後藤 京子(GOTO)

「音楽の花束」代表。星美学園短期大学講師。東京音楽大学卒、同大学第2副科オルガン専攻修了、邦楽演奏コース長唄三味線専攻修了。1986年日本ピアノコンクール全国大会第3位、受賞記念演奏会出演、1987年読売新人演奏会出演。NHK邦楽技能者育成会に学ぶ。短大西洋音楽史講師、小学校音楽科教諭を経て2004年より「音楽の花束」のプロデュース活動を始める。2015年きらめき認知症シスター(きらめき認知症トレーナー協会認定)取得。カトリック東京カテドラル関口教会オルガニスト。>>公式サイトへのリンクはこちら「音楽の花束」

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