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年収3倍になっても金を使わない生活が難しい理由 『節約する人に貧しい人はいない』

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現代は、人々がお金を使うハードルが限りなく下がった社会と言える。クレジットカードのリボ払い、スマホの実質0円、3足で990円のユニクロの靴下…。

これらはすべて、人々がお金を使いやすい(消費しやすい)ように、各企業が努力して生み出した戦略と言える。

◆金持ちの消費は「見栄」にすぎない!?

『節約する人に貧しい人はいない』(中川淳一郎著、幻冬舎刊)は、ネットニュース編集者である著者による、日々の節約生活や金に対する考え方が書かれた一冊だ。

著者の年収はゆうに1000万円をこえているが、いわゆる金持ちのような生活とは無縁だ。日々の食事はもっぱら自炊で、大好きなビールは行きつけの安居酒屋で飲む。

著者曰く、金持ちが好む高級時計や輸入車、高価なレストランでの食事は見栄によってなされるだけの無意味な行為。収入が増えるにしたがって出費も増えてしまう金持ちの行動には警鐘を鳴らしている。

◆節約は強い意志が必要

だが、考えてみてほしい。

あなたがいまの3倍の年収をもらえるようになったとき、著者のように、今とまったく同じ生活水準で日々を過ごせるだろうか。

ほとんどの人にとって、それは困難なことではないだろうか。著者のように、強い意志と、お金に対する揺るぎない価値観が確立されていない限り、人々があらゆる場所で消費しやすいように設計された社会では、お金を使ってしまいがちだ。

◆動かないことにストレスを感じる人、感じない人

ここからは、本書の内容から外れて一つの仮説を提唱してみたい。

お金を使わないことと、お金を増やすこと。ラクなのはどちらだろうか。

素朴に考えれば、前者と答えたくなるだろう。だが、長期的に見て「ラク」と思えるのは後者かもしれない。

その根拠を説明しよう。

一般に、何かをしないことと、何かをすることでは、しないことのほうが苦痛であり、困難だ。

たとえば、「いまから3分間動くな」と「3分間動き続けろ」では、後者のほうがラクなのは言うまでもない。

だが、一見行動の制約に見える前者のほうを「ラク」と思う人も一部存在する。

座禅が好きな人、寝ているのが好きな人がそれだ。彼らにとっては動くことのほうが面倒くさく、ストレスに思えてしまう。

このように、ある行為が「制約」に思えるのか、「能動的な意志に基づく行為」と思えるのかは人によって大きく異なるのだ。

◆家でご飯を食べることは不自由ですか?

実は、著者の中川氏が節約生活を続けられているのは、上に挙げたような行動の捉え方に理由があるかもしれない。

たとえば、著者が積極的にしている自炊。

著者は、外食せずに食事を家で済ませることを「自炊をする」という能動的な意思に基づく行動として捉えている。だがいっぽう、外食を好む人にとっては「外食をしてはいけない」という制約として捉えられてしまう。

著者の節約生活は、自らの欲望を抑えて続けているものではなく、どれも好んでなされているものなのだ。

◆ビジネス書と主婦向け書籍の違い

先ほどの仮説に戻ろう。

実は、ある種の人たちにとっては、お金を使わないことよりも、お金を稼ぐほうがラクなのかもしれない。

多くのビジネス書や人生指南本は、節約の方法ではなく、年収アップや副業の方法を紹介している。

今持っているパイでなんとかしていくのはなく、今持っているパイをいかに増やすか。サラリーマン向けの本は、その戦略の紹介に終始している。

いっぽう、節約術の書籍は主婦を対象としているものが多い。

理由は、家計の場合、あらかじめ使えるパイが固定されているからだ。そのため、家計の予算を拡大するのではなく、現状の予算でいかにやりくりしていくべきかを説く本のほうがニーズは高いのだ。

二者の状況を比較した上で、長期的にサヴァイブできるのはどちらだろうか。

◆金を増やす方法を考えたほうがラクな人もいる

「金を使うな」と言われることにストレスを感じる人は、「金を増やす」ことを考えたほうがクリエイティブな、かつ多様な行動をとれるかもしれない。

そもそも、私たちが生きる資本主義社会は「今あるパイの中でどう過ごすか」ではなく「今あるパイをどう増やすか」という思考をもとにして拡大発展してきた。ならば、その思考を導入してみるのも「アリ」だろう。

著者にとって、節約はストレスを感じずに続けている能動的な行為。だがもし、あなたがお金を増やすための方法を考えたり、そのために行動することにストレスを感じないならば、積極的にそれを進めていくべきではないか。

なぜなら、そのほうがより自由に生きている気分を味わえるからだ。

自らを企業に例えた場合、「売上」を増やす方法を考えてみるのも一つの選択肢かもしれない。節約を楽しそうに実践している著者の様子を見て、そんな感想を抱いた。

(新刊JP編集部)

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