待機児童問題と人材活用について

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待機児童問題と人材活用について
4月21日 土日夜間議会サロン収録

 

4月21日 土日夜間議会サロンにて待機児童と人材活用についてのセッションが行われました。 部分書き起こしです。

土日夜間議会サロン   事務局 青山真二氏
㈱政策工房       代表  原 英史氏

青山
昨今保育園落ちた日本死ねが世間を騒がせました。私の住んでいる市川市でも全国レベルでおさがわせしました。市川の待機児童を緩和すべく保育園を作ろうとしたら、「うるさい、交通事情が悪い」と言った形で樹民の反対で断念した経緯がありました。

これは場所の選定の問題がありまして、市川の北部、市川八幡地区というところは道路がほとんど片道一車線で二車線は一箇所しかありません。物理的に保育園をつくろうとしても地域毎の問題があります。解決するための手段や場所を考えなくてはなりませんが本日は待機児童の問題をどうするかをお話しようと思います。

自動車や住む所、空いているところをシェアリングしてゆきましょうとなり始めました。子育てを経験した人、準備段階の人と余っている部屋などを組み合わせられないかということでファミリーサポートシステムとうのが市川市にはあります。

子供をあずかっても良いという人が一時間500円程度で地域リーダーをおいて展開していますがなかなか知られていないこともあります。

全国のレベルでどんなかんじになっているのでしょうか?

 原
人材の活用が上手くいっていないようです。保育所が足りないのはいくつか要因がありまして

一つは、場所が探せない、市川のように都心になるほど土地や建物もコストがあがって財源もないなか簡単に建てられない。

もう一つは保育士の人材がいませんということです。

 これは大きく二つ要因がありまして一つは規制の問題です。保育所は配置基準というのがありましてお子様を〇〇人みるにはそれに必要な◯◯人の保育士が必要です。というのがあります。これは資格をもった保育士さんではないといけません。認可と認可外ですこし規制の内容はちがいますが認可保育所は全員保育士さんでないとならない、その人数が相当程度必要といったことです。

もう一つは保育士さんの給与が低いということです。

新聞報道でもいわれていますが保育士さんの給与はいろいろな産業と比べると非常に低い。月給は平均で20万円~21万円で一般的な全産業平均とくらべて数万円程度低いです。せっかく保育士の資格を学校に通って試験を受けてとっても一般の産業とくらべて低い給与しかもらえずがっかりしてやめてしまうということです。保育士さんもご自身の子供をもうけるとやめてしまうというのもあります。

解決するためにはシェアリングエコノミーです。保育士さんにしてもなんにしても政府の考え方は全部そうですが常勤の正社員をベースに考えます。保育の仕事も正社員の常勤の人がやるのでしょう、ということになって給与の議論になります。これを開いてる人が週に何時間お仕事をやるといった形でも十分です。シェアリングエコノミーの活用です。保育士の給与が低いといいますが、保育所には公立と私立があります。公立の保育園の給与は非常に高いです。過去調べた大阪市の場合、私立は22万円程度で公立は37万円です。これは公立は公務員なので行政職の給与は年功序列で上がってゆく仕組みです。この議論はいいかげんな議論をしていて私立の保育園の保育士さんの給与をベースに給与が低いという議論をされていますが官民で異常な格差があるのが大きな問題です。たとえば公務員保育士さんの給与を抑えて私立の保育士さんに回すだけで何百億の財源を使うことなくある程度改善します。

また安倍内閣は同一労働同一賃金といっていますが全然ちがいます。公務員と私立でぜんぜん違います。

青山
市川市の場合保育士のなり手がなくて取り合いです。苦肉の策でファミリーサポートのシステムができました。
市川の保育園の問題でも子供の声がうるさいというのはごく一部です。シェアリングの話だとお子さんを3人、4人抱えているご家庭もありますし、もう一人くらい預かるのも大丈夫といった形で課題解決できないかなあと思います。

 原
市川の失敗は100人規模ですよね。首都圏だと大きな保育園作れる場所はあまりないです。国家戦略特区でも公園の中に作れないかという議論は行っています。大規模な保育所を作れるところは再開発でもない難しいです。
だとすると 今すぐに待機児童がいます、といった場合小さい規模のところをつかう、民泊と同じ発想でマンションなどの空いているところをどんどん使う形にもってゆく。20件で5人収容だと100人規模です。マンション一部屋で子供が5人いるところなんて普通にありますし、「子供禁止」のマンションなんてありません。100人お子様が近所にいると静かに暮らしているお年寄りが困るなんてわからないではないです。民泊とかも同じですが回りの人達と同ルールをつくるかということが議論になっています。一般の家庭といっしょですというものを増やしてゆくということも一つの手です。

 青山
6月13日、万年野党主催で待機児童対策に精通されている方々のシンポジウムが開かれるそうですが。

 原
いまのところご登壇をいただく予定は一人は八代尚宏先生、昭和女子大の特命教授でいらっしゃいまして数年前まで政府の経済財政諮問会議をやっておられた方です。この分野ではもっとも先鋭的な議論をされる方です。
 もう一人は鈴木亘さんです。最近テレビでも出ていらしゃって保育や医療の分野で発言をされており、学習院大学の教授で大阪市の現場でお仕事もされていて保育についての政策提言もされています。

それからNPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんです。お家保育園といったいまお話していたような住居で使用していたマンションの一室などで保育をできないかというようなことをずっとやっていらっしゃる方です。駒崎さんの小規模保育事業という提案で制度を作られた方、そんな方たちに集まっていただいて議論ができればと思います。

 青山
市川市も子育て世代だけではなく若い人たち、子供が欲しいけど働かなくてはならない人たち、18歳の今後選挙権を持つ人達、これから当事者になる可能性のある人達の意見も集約したいと思います。

 原
これから数年後にお子様を持つことになる世代の方や子育て真っ最中の方もお子様を連れて来ていただいて結構です。
お子様方の鳴き声がする騒がしい形もいいかと思います。

青山
興味のある行政の方もつれて行ければと思います。

土日夜間議会サロン 4月21日収録
PHOTO : Keiichi Yasu

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