園子温、ひそひそ星「これが一番やりたかった作品」

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園子温、ひそひそ星「これが一番やりたかった作品」
J-WAVE毎週土曜の番組「RADIO DONUTS」(ナビゲーター:渡辺祐・善奈)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。4月23日のオンエアでは、“園子温という呼吸法”と題して放送しました。

園子温監督の最新映画「ひそひそ星」は、機械が世界を支配していて、人工知能が8割、人間が2割という時代。様々な人間に記憶の配達を届ける宇宙配達便をしているアンドロイドの主人公、鈴木洋子。30デシベル以上の音をたてると人間は死んでしまう恐れがあるらしい、と、鈴木洋子はひそひそ声で話す…というストーリーです。

まずは物語・脚本の書き方を聞いてみると、「詩をずっと書いていたんで、全部詩を書いてるつもりでやってます。詩らしい詩もあれば、暴力的なものもある。つまるところ詩だったなと思っています」と、音楽、芸人、様々な顔を持つ監督の根っこが見えた気がします。「今回(「ひそひそ星」)はストーリーよりも、詩情溢れる感じを重視しています。こういうのは、滅多に作れない」とも。

それは、監督がこの映画に対して語った「風化しかけた記憶に対しての小さな詩を作りたい」という、この一言にすべてが現れているのでしょう。

また、「他の監督とはちょっと違っておかしいので、未だに悪戦苦闘ですね」と、誰もが認める存在になった今でも、もがいていることを明かします。過去には、お金がなくてホームレスになった経験もあり、どん底の中で這い上がってきたという感覚なのだそうです。

「ヒットした漫画とか小説を原作にしている映画が大っ嫌いなので、そういうの撮ってる映画監督はみんなどうにでもなっちまえと思っています」と、刺々しい言葉を放つ場面も。しかし実は監督自身、「新宿スワン」といった漫画原作の映画も監督しています。自分も撮っている上での発言に、ナビゲーターの渡辺祐は、「仕事って、プラスとかマイナスがある。そういうことを言ってるんだと思います」と付け加えていました。

そしてこの流れで、芸人活動やバンド活動など、多岐に渡る活動をしていた園子温監督が、今はそれらに全く興味がなく「アートだけ」と話します。そのアートについても、ワタリウム美術館で「ひそひそ星」をテーマにしたアート展を開催しており、「これがぼくの最後の芸術活動かなと思ってるので、映画ともどもみてほしい」と“最後”宣言。

というのも、「もうずっと映画に集中しようと思って。他のことに体力使わずに、これからは日本映画だけじゃなくてハリウッドや他の国のものも撮っていきたい」と映画監督として新しいものを常に目指している、精力的な姿があるからこそ。「自分の呼吸しやすいように一生懸命にやっている。ヒットしたものをなぞりつづけるって一番呼吸困難になりそうなんで、やらないだけ」と語りました。

そんなパワーのある園子温監督。奇才と言われるだけあり、その精神力も常人には理解ができない気がしますが、「理解しようと思っちゃいけない。我々は、やってることを面白がって見に行けばいい」と渡辺。

そして最新作「ひそひそ星」に対して「25年前に書いた台本で、これが一番やりたかった」と、園子温監督。最新作「ひそひそ星」に注目です。

【関連サイト】
「RADIO DONUTS」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/

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