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「書く前の4つの準備」で仕事の成果が激変する?

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「書く前の4つの準備」で仕事の成果が激変する?
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「文章作成=書く作業」ではない?

多くの人が「文章作成」を、ある“点”でしか考えていません。ある“点”とは、パソコンに文字を打ち込んだり、紙にペンで文字を書いたりする作業のこと。つまり、「文章作成=書く作業」だと思い込んでいます。

ところが、文章を書くことが得意な人は、文章作成を“点”でとらえることをしません。情報収集を含む準備から、書き終えたあとの推敲や直しまでのトータルで「文章作成」だと考えています。20年間、プロとして文章を書き続けてきた筆者もこの考え方に賛同します。

とりわけ重要なのが、文章を書く前の準備です。筆者の経験上、この準備をどれくらい頑張れるかによって、文章のクオリティ、ひいては、文章を書いて得られる仕事の成果が激変します。

では、文章を書く前には、どんな準備が必要なのでしょうか。筆者が実践している4つの準備をご紹介します。

準備① 文章の目的を明確にする

あなたは、なんとなく文章を書いていませんか? もしそうだとしたら、おそらく文章を書くことによって得られる成果も「なんとなく」のレベルではないでしょうか。

文章を書くときには、必ず目的を明確にしましょう。連絡メール、報告書、企画書、◯◯のレジュメ、プレゼン資料、ウェブサイトのテキスト、お礼状……その種類は問いません。仕事で使う文章には100%目的が存在します。

たとえば、商品発表会の案内文(リリース文)を書く目的はなんでしょうか? 「発表会の開催概要を伝える」。これでは物足りません。新製品が発表される旨や日時や開催場所を伝えるだけでは、「参加したい」と思わない方もいるでしょう。その文面から自分(読み手)にとってのメリットや魅力を感じなければ、「行きたい!」と心が揺さぶられません。

商品発表会の案内文を書く主目的は、「案内文を受け取った人全員に、発表会に来てもらうこと」ではないでしょうか。人が集まらなければ、寂しい商品発表会になってしまいます。その結果、話題にならず、商品が売れない……という結果になりかねません。

「案内文を受け取った人全員に、発表会に来てもらうこと」が目的になっていれば、案内文の書き手は、その文面に工夫を凝らすでしょう。読者に興味をもってもらえるよう商品の魅力をアピールするでしょうし、場合によっては、「来場者全員に商品サンプルをプレゼントします」、あるいは、「当日は軽食を用意しております」「俳優の◯◯さんがゲスト参加します」などとひと言添えて、読み手の期待感をあおる手段に出るかもしれません。目的を設定すると、どうすればその目的に到達するかを考えるのが人間の“脳”なのです。

①:目的が「発表会の開催概要を伝える」の場合 → 得られる成果が小さい(発表会に来る人もいるが、来ない人もいる)

②:目的が「案内文を受け取った人全員に、発表会に来てもらう」の場合 → 得られる成果が大きい(たくさんの人が発表会に押し寄せる)

①は目的が浅く(弱く)、②は目的が深い(強い)ケースです。目的が浅ければ、得られる成果は小さく、目的が深ければ、得られる成果は大きくなります。

文章に限りませんが、「目的」と「成果」は常に密接な関係にあります。「高尾山」に登ろうと準備していた人が、間違って「富士山」に登ることは、まずありません。それと同じように、単に「発表会の開催概要を伝えること」を目的に書いた案内文が、たくさんの人を集めることはありません。たくさんの人を集めるためには、「案内文を受け取った人全員に、発表会に来てもらうこと」を目的にする必要があるのです。

準備② 読者(ターゲット)を明確にする

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文章を書く前には、読者(ターゲット)を明確にしましょう。文章には、必ず読者(読む人)が存在します。読む人が存在しない文章は、自分に向けて書く日記くらいのものではないでしょうか。

読者を明確にする必要があるのは、仕事で書く文章に限りません。

【文章の種類別ターゲット】

■ラブレター:好きな異性

■大学生が書くリポート:添削をする教授

■履歴書:企業(バイト先)の採用面接官

■飲食店のメニュー:お客様(常連客など)

■営業会議に提出する企画書:決裁権のある上司(営業部長など)

当たり前ですが、A子さんにラブレターを書くのにB子さんを思い浮かべて書く人はいません。間違いなくA子さんのことを考えながら書くはずです。A子さんとB子さんでは、価値観や性格も違えば、興味や関心、好きな男性像も違うでしょう。もちろん、ラブレターの書き手(Cさん)との関係性や共通話題も異なるでしょうし、もっと言えば、A子さんとB子さんでは、それぞれ、Cさんにどれくらい好意を寄せているのか、Cさんに対する評価や恋愛感情も異なるはずです。相手のことを考えることなくラブレターを書くことは不可能といっていいでしょう。

ところが、こと仕事の文章になると、読者がぼんやりしてしまうケースが少なくありません。たとえば、プレゼン資料を作るときにも、なんとなく「不特定多数」に向けて書いてしまうのです。「不特定多数」とは「顔のない幽霊」のようなものです。

今あなたが書いている商品資料を読む人は誰なのでしょうか? メーカーA勤務の佐藤課長なのか、飲食店を経営するBオーナーなのか、高校生向けの学習塾経営者なのか、中小企業を顧客に抱える税理士なのか、一般の主婦なのか、学生なのか。読む相手によって、盛り込む内容から書き方までのすべてを変える必要があります。

もしも、パソコンのキーボードを叩くときに、その文章を読む相手の顔が思い浮かばないときは、キーボードから手を離さなければいけません。そのまま書き続けても、成果につながらない文章ができてしまう可能性が大です。一見すると不特定多数に公開しているかのように見えるウェブサイトなどでも、実際には読んでもらいたい読者(ターゲット)が存在しているはずです。文章を書くときに意識すべきは、その読者に向けて文章を書くことです。

準備③ 読者(ターゲット)のニーズを把握する

ターゲットを明確にしたら、次に、その人たちのニーズを把握しなければいけません

たとえば、先ほど紹介した商品発表会の案内文。「来場者全員に商品サンプルをプレゼントします」という文面は、商品サンプルが欲しいと思っている人には響きますが、思っていなければ響きません。つまり、書く前に「商品サンプルを欲しがっている」というニーズを把握しておく必要があるのです。

別の例を挙げましょう。たとえば企画書。企画書を書く場合、読む人が上司なのか、部下なのか、取引先なのか、相手によって盛り込む内容は変わるはずです。立場によって欲しい情報が違うからです。上司が欲しがっているのは「人員やコストの情報」で、部下が欲しがっているのは「具体的な行動プランや納期の情報」で、取引先が欲しがっているのは「自社の利益を保証するデータ」かもしれません。読者のニーズを把握しないまま企画書を書けば、上司にも、部下にも、取引先に「ふーん」とスルーされてしまう恐れがあります。つまり、仕事の成果につながりにくくなります。

なお、ニーズの把握の仕方には、多種多様な方法があります。

①読者と話をする(とくに雑談が有効)

②読者と行動を共にする(価値観や考え方を把握)

③読者のライフスタイルを追う(家族構成や生活レベル、趣味趣向、金銭感覚、知的レベル、好きな◯◯、嫌いな◯◯、◯◯な悩みごと……等々、ライフスタイルを細かく把握)

④読者にアンケートを取る(能動的かつピンポイントでニーズを把握)

ターゲット設定はしたけど、ニーズはよく分かりません——では話になりません。あなたが今書こうとしている文章の読者は、果たして何を必要としているのでしょうか。何に困っているでしょうか。何になら興味や関心を示すでしょうか。何になら時間やお金を費やすでしょうか。——それらのニーズを知ることによって、文章の目的を達成しやすくなります。

準備④ 読者の反応を決める

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文章を書き始める前に、読者の反応を決めましょう。読者の反応を「予測する」のではなく「決める」ことが大切です(予測すらしないのは論外です)。

たとえば、急ぎで報告書を作成するよう部下にメールで指示するときは、メールを読んだ部下の反応(例:「よし、すぐに取りかかろう!」と即座に行動する)をイメージしておく必要があります。

他社に新規プロジェクトの話を持ちかけるなら、「このプロジェクト、ぜひ弊社にやらせてください!」と意気込むイメージです。初めてのお客様にアポを取るメールならば「ぜひ会いましょう!」と相手が前のめりに喜ぶ姿をイメージしておく必要があります。大事なのは、書き手にとって理想的な反応を「決める」ことです。ここで遠慮していては、成果につながる文章は書けません。

反応が決まると、文章に盛り込む内容や書き方がおのずと変化します(その反応を得るために、どう文章を書けばいいかを“脳”が考えるため)。つまり、文章の目的を達成しやすくなるのです。

文章の良し悪しは「書く前の準備」で決まる!

企画、営業、販促、接客……ジャンルを問わず、準備が重要ない仕事などひとつもありません。それにも関わらず、文章作成に限っては、なぜか準備をせずに、行き当たりばったりで書き始める人が多すぎます。だから、満足のいく結果が得られないのです。

文章を書いても、なかなか仕事の成果につながらない方は、ぜひ「文章を書く前の4つの準備」を心がけてみてください。必ずや成果達成の確率とスピードがアップするはずです。

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著者:山口拓朗

『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』著者。

伝える力【話す・書く】研究所主宰。「伝わる文章の書き方」や「メールコミュニケーション」「キャッチコピー作成」等の文章スキルをテーマに執筆・講演活動を行う。書く前の準備方法は『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(日本実業出版社)にも掲載。モットーは「伝わらない悲劇から抜けだそう!」。

山口拓朗公式サイト

http://yamaguchi-takuro.com/

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