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「6年前とは安定感が違う」 声優・仲谷明香が本の朗読で見せた成長

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社会現象にもなった『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(ダイヤモンド社刊、以下『もしドラ』)。その続編が6年の時を経て、2015年12月に出版された。そのタイトルは『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』(ダイヤモンド社刊、以下『もしイノ』)だ。

『もしドラ』から6年後が舞台となる『もしイノ』は、野球部のない高校に入学した2人の女子高生が、P.F.ドラッカーの著作『イノベーションと企業家精神』を参考にしながら、「競争せずに勝てるチーム」作りを目指す青春小説である。

著者の岩崎夏海さんが「文章というのは朗読するとその良し悪しが判別できるんです。だから僕は、書いた文章は必ず頭の中で朗読しています」(*1)と語るように、「読みやすさ」が重視された文章は本作でも健在だ。

では、実際に朗読された『もしイノ』はどんな作品になっているのか?

4月22日にオーディオブック配信サービス「FeBe」で配信開始したオーディオブック版『もしイノ』は、元AKB48で現在は声優・女優として活躍している仲谷明香さんが朗読を担当している。実は2010年に配信されたオーディブック版『もしドラ』でも仲谷さんが朗読をしており、岩崎さんと仲谷さんのタッグが6年ぶりに“復活”したことになる。

4月18日に行われた制作発表会見では、『もしイノ』に対する想いが2人の口から語られた。

  ◇    ◇    ◇

――『もしイノ』のオーディオブック化が決まったとき、どのような感想をお持ちになりましたか?

岩崎:前作はオーディオブックを作らせていただくことが初めての経験だったので、戸惑いもありました。でも、2回目となると、率直に嬉しいです。ありがたいという気持ちです。

仲谷:私はツイッターで『もしイノ』が出ることを知ったんですね。それで、読もうと思っていたところに、今作もオーディオブック(で朗読を)お願いしますと言われて、嬉しかったです。「また私が読んでいいんだ」と思って。

――仲谷さんにおうかがいしますが、収録のご感想やエピソードがありましたら教えていただけますか?

仲谷:前作から6年経って、ほんの少しでも上手くなっているかなっていう淡い期待を抱いて収録に来たんです。だから、いざ始まって(ディレクターに)「前より上手くなっているよ」と言われてすごく嬉しかったです。でも、何回も噛んで録り直しをしているんですけどね(笑)

『もしドラ』の続編なので成長した前作の登場人物たちが出てきたのが嬉しくて。「声の雰囲気どうだったかな」とか「こういうシーンありましたよね」とかスタッフさんと思い出話に花が咲いたというか、昔を思い出しながら、新しい話も楽しみながら、という感じでした。

――岩崎さんにお聞きしたいのですが、前作『もしドラ』の頃から仲谷さんのここが特に変わった、成長したという部分があれば教えてください。

岩崎:引き出しやテクニックの幅は増えたと思います。『もしドラ』の頃はまだ10代で、未熟な部分もあったけれども、彼女もそれからいろいろな経験を積んできて、そこで培ってきたものを出している。安定感がうかがえて、(当時と)全然違うなと思います。

――岩崎さんは、『もしイノ』を書かれる際に何か気を付けていたことはありますか?

岩崎:オーディオブック版『もしドラ』が出てから仲谷と縁ができて、アニメも声優で文乃の役として出演してもらったんですね。そこで、もしかしたら今回も仲谷が読んでくれるかなと思ったので、文乃をもう少し多めに出さないといけないと思ったんですよ(笑)。それが書いた時に考えていたことなので、仲谷が読んでくれることになったから良かったかな。

『もしイノ』は前から6年後の話ですが、実際にオーディオブックも6年経った声で読まれているので、先生としての文乃の声は、6年前の文乃と同じ声という設定で書いています。

――オーディオブック版『もしイノ』の聴きどころを教えてください。

仲谷:今回は岩崎さんがお忙しくて収録に立ち会えなかったこともあって、私がこの本を自分なりに解釈して読んだところがあります。だから、書いた岩崎さんの思いとともに、私の思いも乗せているので、ぜひ注目して聴いてほしいなと思います。

岩崎:今、仲谷が話したように、『もしドラ』は全部立ち会って細かく演出をしたんですが、『もしイノ』にも書いたように、指導者がねちっこく指導すると伸びないんです。だから仲谷に任せるというか(笑)。作中で文乃はあまり生徒たちに口出ししないようにしているんですよ。だから僕も口出しするのをやめたんです。ぐっとこらえてね。ただ、一つ演出したところがあります。それは楓というキャラクターがいて、僕自身がこのキャラクターを気に入っていたので、こう読んでほしいとお願いしました。だから僕からいうと楓のセリフが聴きどころかなと。

――『もしイノ』の中から好きな言葉やシーンがあればお願いします。

岩崎:主人公の一人である真実が「私はやめる!」と言ってマネージャーをやめてしまうシーンがあるんですよ。僕もよく「こんな仕事やめてやる!」って言ってしまうことがあって(苦笑)でも、それはだいたいハッタリで反省をするんですけど、真実みたいに「やめる」と言ってきっぱりやめられる姿に憧れます。だから、そのシーンが好きですね。

仲谷:私は最後のシーンですね。ここって『もしドラ』と似せて書いていますよね? 収録中も「こういうシーンありましたよね」ってスタッフさんと話したし、前作のキャラクターが登場して全てがつながるというか。すごく好きですね。

  ◇    ◇    ◇

280万部ベストセラーとなった『もしドラ』は、アニメ化やマンガ化もなされるなど、それまで一部の人にしか知られていなかったドラッカーの思想や考え方を一般層に広める役割を果たした。そして『もしイノ』のテーマは「イノベーション」。この本がたくさんの人に読まれれば、発想力豊かな社会がつくられるはずだ。

記事:割井洋太(新刊JP編集部)

(*1)新刊JPニュース:「『もしドラ』ヒットの要因は人々がドラッカーを求めていたから」―『もしドラ』オーディオブック化について岩崎夏海さんに聞く(1)
http://www.sinkan.jp/news/index_1434.html

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