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ヴォーゲル氏 中国が圧倒的強国になることはないと予測

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『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著書で知られるエズラ・ヴォーゲル氏。その出版から37年、不況が常態化し、隣国・中国の成長を目の当たりにするなか、再び我々は自信を失いつつある。今回、ヴォーゲル氏に将来の世界の中での日本のスタンスについて語ってもらった。

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 米国は、今後、10~20年間は、様々な問題に直面することになるでしょう。米国人の多くは、未だ、米国が圧倒的な強国でなければならないという考えに取り憑かれており、中国と協力体制を築かなければならないような新時代に入っていることを認識していないからです。

 中東に対しては「我々の話を聞け、さもなくば武力行使だ」という姿勢です。しかし、中国が力を増す一方、米国では軍事予算が縮小されている現状を考えれば、これまでのような強硬な姿勢を取り続けることは困難です。そして、そんな新時代に適応できない米国人たちが主にトランプを支持しています。

 問題を抱えている米国ですが、だからと言って2049年に中国共産党革命100周年を迎える中国が、世界のリーダーになるとは思えません。この数十年間見せてきたような、目覚ましい成長が今後も続いていくとは考えられない。中国には、米国や日本が持っているような自信がまだないからです。言論の自由がなく、混乱が起きる懸念から、中国は常に緊張状態にある。

 今後、シルクロード開発などの設備投資では、中国は指導者的役割を果たすでしょうが、将来、中国だけが圧倒的な強国になることはないと思います。世界の勢力地図は、中国だけではなく、米国、ヨーロッパ、日本、インドなどを含めて、もっと複雑化していきます。

 そんな中、日本はどんなスタンスを取るのか? 親米から親中へとシフトしていくのではないかという声もあります。確かに、経済面では、日本は中国との関係を深めていくでしょう。しかし、中国が軍事力を増強している状況を考えると、軍事面では、これまでのように日米関係を維持していくことになると予測しています。

●取材・構成/ 飯塚真紀子 (在米ジャーナリスト)

※SAPIO2016年5月号

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