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ウソは禁物 採用試験の性格診断テストに仕込まれているワナ

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増加傾向の採用試験におけるwebテスト形式の適性検査

近年、企業が採用試験の初期にネット上で受験することのできるwebテスト形式での「適性検査」を実施することが増えています。
代表的なものに「SPI」や「玉手箱」などがあり、これらは方式ごとに多少の違いはありますが、大きく「知能・学力検査」と「性格検査」の2つで構成されています。

「知能・学力検査」は30~50問ほどの、国語・数学・一般常識の問題に回答していくもので、「性格検査」は「体を動かすのが好きなほうだ」などの質問に対して「はい」か「いいえ」で回答するものになります。

全てに制限時間があり「知能・学力検査」では1問に対して1分程度の持ち時間しかなく、時間内にすべて回答することが出来ない人もいるようです。

合理的な判断が期待できる適性検査

企業が採用試験の第一段階として同一条件での「適性検査」を行うことは時間の掛かる面接を繰り返すよりも効率的です。
また面接官の好みや主観の影響を排除する意味でも科学的な尺度を取り入れることは合理的な方法であると思います。

とはいえ、受験する側にとっては企業ごとに「適性検査」を受け、またその対策もせねばならず大変な負担になることでしょう。
「知力・学力」に関してはweb上に練習問題があって、本番と同じ条件で練習できるサイトもあるので、そこで練習し苦手な分野の対策をすることもできるようです。

しかし「性格検査」に関しては対策が困難なように思いますし、そもそも「性格検査」に対策をすることが正しいことなのかという疑問も湧いてきます。

普段と違った回答をしがちな採用試験での性格検査

心理臨床の場でも「性格検査」は行います。これはクライアントの性格を把握し心理指導を進めてゆく参考にするもので、当然ですが正直な気持ちで回答することが前提で、あまり考え込まずに直感的に「はい」「いいえ」を選ぶよう指示します。
そうすることが正しい方針を立て早期に改善に向かう意味で、クライアントにとっても有益なのだということを理解してもらうのです。

ですが、採用試験での「性格検査」となると受ける側の思いは違ってきます。
受験者は採用されたくて受験するのであって、そこには自分を良く見せたい・やる気があると思われたいという気持ちが起こるのが当然です。
結果として本来の思いとは異なった回答を選んでしまう「歪曲」が起こりやすくなるでしょう。

性格検査でウソは見抜かれる 素直に回答することが大切

ところが、近年増えてきたこの「適性検査」は専門家が開発して企業へ販売している製品であって、それだけによく考えて作られています。

「性格検査」に関しては、回答を個々に判定するだけでなく同じ内容でも表現を変えた質問にして、その整合性に問題があれば回答全体の信頼度が低いと判定されます。
また一見関係のない質問と質問の相関関係を見て判定をするといった項目もあり、それは問題を見ただけでは判別できません。

ですから「性格検査」に関しては、月並みですが「自分の気持ちで素直に回答する」ことが唯一の対策だと考えます。
そもそも自分を偽って試験にパスしようとする人材を積極的に欲しがる企業は少ないでしょうし、企業によって必要とされる性格傾向は様々で、それは予想することは出来ても本当のところはその企業の中でしか分からないものです。

もちろん注意すべき点もあります。
それは質問の中に複数含まれる「ライ・スケール」と呼ばれるものです。
これは回答者の嘘を診断する質問で主に「~は一度もない」などの否定的な断定表現を使った質問になります。

例えば「約束を破ったことは一度もない」という質問に対して「はい」と答えると嘘と判定されてしまいます。
もちろん本当に一度もない方もいるでしょうが、一般的には一度や二度はあると考えられるからです。

就活生や転職を目指している方には大変な時代ですが、本来性格は個々に違うのが当然でその集合体が企業です。
「性格検査」も一つの選考基準ではあるでしょうが、「性格検査」で合否が決まるものでもないでしょう。
恐れることなく素の自分を見てもらうという気持ちで挑んで欲しいものです。

(西尾 浩良/心理カウンセラー)

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