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【コラム】わずかな痛みとともに蘇るサイゴンでの愛しい想い

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photo credit : Shino Ichimiya 「商いの花が咲く国 – Viet Nam

その朝、わたしはベッドから動けずにいた。異国の地に降り立ってまもなくふりかかった問題をひきずり、ひどく身体が重たかった。

ベトナムのホーチミンは、他のアジア諸国の都市部と同じく混沌とした街だ。ひったくられた小さな鞄の中には少々の現金、一眼レフカメラ、スマートフォンが入っていた。ネットカフェに入ってあらゆるパスワードを変更したが、何か問題はないか、誰かに迷惑がかからないだろうかと不安で仕方がなかった。警察署では酷く足蹴にされ、旅行代理店には警察への通訳を断られた。

視線を上げられずに歩いていたのだろう。急に声をかけられ、びくっとして顔を上げると、先ほど道を尋ねたレストランのウェイターだった。「警察署はどこか」と聞いたわたしを心配してくれていたのだ。言葉はほとんど通じなかったが、とにかく親切な青年だった。青年はわたしに飲み物をくれ、友達や常連客を紹介してくれた。仕事終わりには皆で屋台でお酒を飲んだ。

photo credit : Sakuragi Haruko 「ベトナム・ホーチミン3日間観光♡

青年はバイクの後ろにわたしを乗せ、夜のホーチミンをドライブしてくれた。煌びやかなビルの光をサイゴン川がキラキラと跳ね返し、それが目にしみるほど美しかった。

浅い眠りで微睡む静かな朝に、沈んだはずの記憶で心乱されても、痛みとともに愛しかった想いが蘇ってくるのは「悪くないかもしれない」と思い、ベッドから身を起こした。

ライター:Shino Ichimiya
Photo by: Shino Ichimiya「商いの花が咲く国 – Viet Nam

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*Shino Ichimiya「商いの花が咲く国 – Viet Nam

*Sakuragi Haruko「ベトナム・ホーチミン3日間観光♡

*Shohei Watanabe「ベトナム ホーチミン散策

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