バタールひとつ¥231円(税抜)から始まった千代田区の政務調査費問題

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千代田 獅子(CC)の会山口修一代表による「千代田区政務調査費の調査、住民訴訟について」
の始まりから現在にいたるまでの連載レポート

地方議会での政務活動費の問題は号泣議員くらいから始まりいろいろなことが表沙汰になってきました。
日本国中でマスコミやオンブズマン組織、個人の方が地方議会の政務調査費や報酬などについて言及しています。
しかし、実際に政務活動費などの実態を調べようとすると膨大な時間とコピー代金と労力を要することもしばしば。
監査請求から住民訴訟まで行っている千代田 獅子の会 代表山口修一氏インタビューです。

vol.001
バタール(神戸屋のパン)一個から始まった千代田区の政務調査費問題

記者
山口さんには情熱のようなものを感じるのですが情熱のもと、きっかけはなにですか?

山口
やはり議会を変えたいということです。
議員の定数問題ですこし(議員数が)多くないか?みんなで話してみないかということで陳情までやったのですが時期的に選挙とかさなりそのままになりました。

その後ある議員の方から「政務活動費がおかしく使われているので調べてみたら?」といわれたのが始まりです。いまその議員の方は被告になっています(笑)。

調べ始めて一番最初にひっかかったのが九段下の地下鉄構内に神戸屋というパン屋さんの売店があります。そこで「バタール一個231円会議費」と出ていました。これはなんだ?なんでバタール一個231円が会議費になるのだ?ということで気になって全部の閲覧をしてみました。そのうち閲覧では間に合わないということでデータ化するために全部のコピーをとりはじめました。
※1データ化された領収書の一部
・なぜ同じタクシー代で領収書とカード控えとダブルで請求?
・なぜ京都のガールズバーで会議?
領収証事例千代田
千代田領収書その1
といった感じです。

 

 

一枚一枚精査してゆき勉強会を開いて区民の方に知らせて行きました、「議員の方たちはこんなことをしている」と。
まずは監査請求をし、却下されました。

千代田区の監査委員からは「何の問題もなかった」ということで却下されました。そして自民、公明の議員さんは「当時違法な使い方は一切なかった」というプレスリリースがありました。「住民監査請求をした請求人がのほうがおかしい」というような感じです。
違法・不当な支出は一切なかった


違法・不当一切なし リリース文

 

 

 

 

 

そこで私たちは監査請求をやっていますので住民訴訟で提訴できます。住民訴訟を本人訴訟ということでおこしました。
訴状はこれです  ※第2 当裁判所(東京地裁)の判断 2ー3)参照のほど
H250321訴状
H250321訴状

 

 

 

 

この当時は被告を(千代田区区議会)議長にしています。
議長は被告ではないということで地裁では一度却下され、その後に控訴しました。そこで「被告の変更を首長にすることで認めてください」ということで高裁では被告の変更を認めていただきました。

H25第124号被告変更許可申立事件画像

 

 H25被告変更許可申立事件

 

 

 

 

なぜ被告を議長にさせていただいたかを説明します、「議長が交付する、議長が返還させる」とこの条文には入ってます。
下記 千代田区議会政務活動費の交付に関する条令
H250228 千代田区議会政務活動費の交付に関する条令画像

H250228千代田区議会政務活動費の交付に関する条例

 

 

 

 

そうするとシロウトの私は交付権者も返還命令権者も当然議長とこの条令からはみなします。地裁は却下しました、ところが高裁は「この条令を見る限りはおかしい、わかりにくい」ということでした。控訴の時から代理人(弁護士)もたてました。そして差し戻しということになりました。

「千代田区政務調査費の調査、住民訴訟について」
監査請求から住民訴訟まで

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