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TK from 凛として時雨、全国ツアー「Secret Sensation」ツアーファイナル終幕

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TK from 凛として時雨が、ミニアルバム「Secret Sensation」を引っさげ、全国5か所をまわったツアー「Tour 2016“Secret Sensation”」。その最終公演が4月16日、Tokyo Dome City Hallにて開催された。

この日のチケットは完売。ステージ全体を覆うスクリーンの向こうにバンドメンバーの影が映ると、満員の会場から大きな拍手と歓声が起こった。ライヴはメランコリックなメロディを奏でる「subliminal」からスタート。冒頭から動と静を行き交うアレンジで揺さぶりをかけ、スクリーンには何か巨大な物が崩れ落ちるような画が映し出される。その美しくも不穏な幕開けに固唾を飲んでいると、続いてヴァイオリンの優雅な音が映える「flower」へ。TKはこの曲の途中でアコギからエレキギターへと持ち替え、一気にフロアを音の渦へと引き込んでいく。

ギターの切っ先鋭い音が耳を突き刺す「Crazy Tampern」で白熱した演奏を聴かせた後、一瞬のブレイクを挟んで新作のタイトル曲「Secret Sensation」へ。高鳴る鼓動のようなビートに乗り、TKがいつになくセンチメンタルなメロディを歌いあげる。心に秘めた衝動を、“誰にも見えないダンスフロア”という謎めいた情景になぞらえて描くこの曲は、ライヴの場で聴くと物語性がいっそう際立つ。流麗なヴァイオリンの響き、きらめくシンセの音色、そしてスペーシーな映像の効果もあり、会場全体が幻想的なムードに包まれる。この後続けた新曲「ear+f」もまた、浮遊感と広がりのあるサウンドで、新作で掴んだ新たなモードを感じさせた。

そんな幻想的な空気を一気に切り裂いたのが、TKがギターの超絶テクを見せつける「Abnormal trick」。複雑すぎるリフをバンドメンバー全員でせめぎあうようにたたみかける、まさにアブノーマルな構造を持つ曲だが、全パートの音が鮮やかにくっきりと聴こえてくる。これはおそらくバンド5人の立ち位置も大きく関係しているだろう。ステージ前方には、ベースのTOKIE、ギター・ヴォーカルのTK、ドラムのBOBOが横一列に並び、その一段上に、前列の3人とは重ならないようにヴァイオリンの佐藤帆乃佳、鍵盤の大古晴菜が並ぶ。全パートの音が対等に、有機的に共鳴しあうポジショニングで、5人全員の一挙手一投足が目に入りやすく、いかに緻密な演奏を繰り広げているのかがわかる。

5人の音が濃密に絡み合う「kalei de scope」、音数が少なめで各楽器の音が引き立つ「contrast」と、曲によって異なるアプローチをしていることも一目瞭然で、一瞬たりとも飽きさせない。

中盤では趣を変え、TKがひとりステージに立ち、ピアノ弾き語りの「罪の宝石」でピュアなメロディを紡ぐ。続く「fragile」はエレキ弾き語りで始まり、途中からTOKIEがアップライトベースの弓弾きで重厚な音を重ねる。5人で演奏しているときのTKは生粋のバンドマンであり、音の職人といった佇まいだが、こうした曲では繊細な心情を吐露するシンガー・ソングライターのようでもあり、少し無防備な表情でドキッとさせる。

かと思えば、その直後には、静から動へと展開しながら白熱のセッションへとなだれ込む「unravel」で再び轟音の世界へ。さらに早弾きピアノとドラムが躍動的なリズムを刻む「phase to phrase」、華やかでポップな「Fantastic Magic」を経て、もの悲しい旋律が荒涼とした風景を描き出す「film A moment」で本編を終えた。

MCはほとんどなく、アンコールではTKが「メンバー紹介をしないって怒られるので…(笑)」と言葉少なに語った後、凛として時雨の楽曲「shandy」のセルフカヴァーを披露。

その後、ピアノ弾き語りで始めた「like there is tomorrow」は、ひときわ切なく美しかった。ゆったりとしたリズムに、アップライトベースとヴァイオリンの幽玄な響き、そしてカタルシスを生むギターソロ。そのギターの音が少しずつ歪みだし、最後は鼓膜に焼き付くようなノイズに変わると、TKは「ありがとうございました」と一言残し、舞台を去った。潔く、簡潔で、その後も痺れるようなノイズの余韻が続く濃密な1時間半だった。

Text by 廿楽玲子
Photo by 河本悠貴

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