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“ジェントルマン”、”ダンディズム”の語源とは

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 カッコいい男の代名詞としても使われる”ジェントルマン”、”ダンディズム”という言葉。元々はどのような意味を指す言葉として生まれたのかご存知でしょうか。その由来を紐解いていくと、15世紀、イギリスの田舎で力を蓄えはじめた新興地主たちの存在が浮かび上がってきます。

 15世紀ごろから経済力を持った地主たちは、18世紀から19世紀になると、貴族の生活への憧れから、貴族の使うようなモノを持ち、貴族のような暮らしぶりをしたいと渇望するように。”ジェントリー”といわれる階級を生み出しました。

 しかし、彼らは貴族以上の生活をも可能な富を持ちながらも、先祖の出生の卑しさから完全に貴族になることはできませんでした。そこで目指したのが”精神の貴族主義”だったといいます。

 貴族以上に趣味が良く、知的で、優雅な立ち振る舞いができるよう自己を鍛えあげていったジェントリーたちは、自分の子どもたちにも上流社会に出ても恥ずかしくない教養を身につけさせ、高雅な趣味、伝統を守る精神、公共のための奉仕の心を学ばせていったそう。

 こうしてヴィクトリア王朝時代には、本物の貴族以上に貴族らしい集団が誕生。本物の貴族が頓着しないような日常生活の細やかな部分にまで流儀をつくり、それを徹底させていったのだといいます。

“ジェントルマン”とは、このジェントリーたちの生き方からきている表現であり、”ダンディズム”もまた、こうしたジェントリーたちの心意気をもとにして生まれてきた生活信条のことです。

 現代の日本において、このダンディズムを追求、体現したひとりが、自動車ジャーナリストの徳大寺有恒さん。本書『ダンディー・トーク』には、クルマ、服装、持ち物、恋愛をはじめとする、人生のあらゆる場面での徳大寺さんが考えるダンディズムについて、その真髄が綴られていきます。

 たとえば鞄ひとつとっても、そこにはダンディズムが貫かれています。

「すべての男が、個室や書斎を持つのは、今や贅沢な時代なのかもしれない。そういう男たちに言おう。『鞄を持ちなさい』」(本書より)

 鞄は自分だけの動く小さな個室であり、秘密を隠すスペース。いわば男の最後の牙城だという徳大寺さん。さらに、いい鞄を持てば、いいものを入れておきたくなるもの。なかに入れるパイプやシガー、読む本にいたるまで必然的にいいものを選びたくなり、精神生活が豊かになると指摘。つまり、内面を充実させ、男としての奥行きを持ちたいと思ったら、まず鞄に凝ることが重要だといいます。

 そんな徳大寺さん自身がお気に入りの鞄だというのは、ロンドンのジャーミンストリートにある靴屋『FOSTER&SON』にあったアタッシェ・ケース。思わず見惚れていると、仕立てのいいスーツを着た見事なまでの英国紳士の店主は、その鞄について次のように述べたそう。

「失礼だが、あなたはそんなに若くはない。だからこの鞄はあなたひとりでは使いきることはないだろう。しかし、あなたの息子なら、きっと立派に使いこなすだろう。さらに、その子の息子の代まで、この鞄は立派に機能するだろう」(本書より)

 徳大寺さんは後日、この鞄を購入するためだけにロンドンに立ち寄ったといいます。

“ジェントルマン”、”ダンディズム”とは何か。男としてカッコよく生きたいと思っている方、是非とも本書を手にとってみてはいかがでしょうか。

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