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行き過ぎた金融緩和で日本発リーマンショックは起きないのか?

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アベノミクスによる金融緩和がもたらしたもの

現在の日本経済というのは、アベノミックス経済そのものなのでしょうか。
そもそもアベノミックス経済とは何なのか、経済の辞書には出ていないのでわかりませんよね。

一般論としてアベノミクスの本質を表現すれば、先ずは金融面での超量的緩和と超低金利が基本です。
当然の事として、超量的緩和により円は市場にジャブジャブ溢れていますから、為替では円安となります、円安となれば輸出面では確かに有利となります。
しかしこれは一時的な損得勘定でしかありません。長期的に見れば円安は、経済的国力を低下させていることに他なりません。

気がかりな所得格差の拡大と若者の生活保護受給希望者の増加

金融面だけでなく、もう少し日本の現状を見ていくと次の事が気にかかります。
先ず、国民一人あたりの実質所得が増えたと言う主張が有りますが、本当にどれだけ増えたのでしょうか。ニュースによると一家族当たり月間1,000~2,000円との事です。この程度で国民が豊かさを実感することになったと言えるのでしょうか。

気になるといえば、職業の流動化等による所得格差の拡大は憂慮すべきところです。現在の雇用環境は非常に厳しいものがあります。
一度非正規労働という形で就労すると正規労働者として雇用されることは殆ど不可能に近いのが現実です。
この非正規労働者が全労働者の約40%を占めるそうです。

このように、職業の流動化等による所得格差増大から生まれた結果として、若年層の労働意欲の低下による生活保護受給希望者の増加という現象が起きています。
日本全体で生活保護の支給額は約3兆円ということです。全体的バランスとしてこの額が多いのか少ないのか、国際比較等はよく判りませんが最近増加していることは事実のようです。
決して、生活保護受給者全体を非難しているわけではありません。それなりの事由が有り、嘘偽りなく受給資格のある方は受給して当然です。

自己資金をほとんど持たずに住宅購入する人が増加傾向

雇用環境が特に若者にとって厳しく、かつその結果として若年層の生活保護受給者の増加が起きている一方で、市場にはお金がジャブジャブだぶついています。
しかも、日銀への余剰金の当座預金に対してはマイナス金利を適用するとのことです。
要するに、金融機関に対して、貸付、投資等へお金を回せと言っているのでしょう。

ここで、不動産業を営んでいて、最近の傾向として気になることが有ります。
それは、居住用不動産購入者の中に、殆ど自己資金を持たず、限りなくゼロに近い購入層が増えてきているような気がします。

マイホームの取得の夢を叶えると言う意味では悪い事ではありません。
しかし、この中には、特に高収入で、安定的な収入が保証されているとは限らない方も含まれている事は事実です。
雇用条件が悪い中で働いている人も多いと思われます。

この状況で不動産を購入すると恐らく、売買が終了し、物件の引き渡しが終了したと同時に担保割れの状況になることでしょう。
しかしこの状況は必ずしも悪い事とは限りません。
なぜなら、住宅を購入したことで、返済が困難になってきたときでも何とか努力し返済して行こうという気構えと覚悟が生まれることも期待できるからです。
昔は、家を建てることで責任が増し、はじめて一人前にみられるということもあったぐらいです。

日本人の気質の変化が日本発リーマンショックを引き起こさないか?

しかし、先程の生活保護のところで、記述した事が気になります。
特に最近の若い人の行動をみていると、人生の困難に対し、努力し乗り越えるべきところで、あきらめと逃避が早いような気がします。

私は、建築 不動産業界に昭和40年代から関わってきました。
当時の高度成長時代にもマイホームを夢見た人々が世に溢れていました。現在と少し違うとすれば、責任感の違いかもしれません。
住宅ローンの不払い等は社会問題にならなかった様な気がします。
当時の記憶に、不良債権と言う言葉が有ったのかも記憶は定かでありません。

日本人の気質が変わってきたのかもしれませんが、ここで気にかかるのは、2008年9月のリーマンショックです。
発端は、アメリカでの低所得者向け住宅ローン、所謂サブプライムローンの不良債権化です。
住宅ローンの仕組みは日本との違いはあるようですが、借りた人が返済する言う点においては同じことです。

何となくこの時のアメリカの状況と今の日本の状況が重なってみえるのです。
今までは、とはいえ、日本人は借りたものは何としても返すという国民性からアメリカとは違うと言えたのですが、若年層の生活保護受給者の急増などをみると不安を感じるのです。

現在の状況でまず心配なのは、民間金融機関からのローン利用者で、当初の固定金利期間が終了し変動金利期間に移行した時、もちろんその時点での経済状況と金利状況によりますが、それまでの固定金利の数倍になることは十分に考えられます。

その時、ローン利用者がその困難に耐えながら乗り越え克服できるのか。
最悪の状況にならないことを祈るのみです。

(高橋 勝之/不動産売買)

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