ベートーヴェン 耳が悪いのに指揮者を務めた結果、悲惨なことに……

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J-WAVE月曜〜木曜の午後の番組「ACOUSTIC COUNTY」のワンコーナー「DAIWA HOUSE SECRET NOTES」(ナビゲーター:西村由紀江)。毎回、音楽の話、ピアノの音色をお届けしていますが、今週はオーケストラの花形「指揮者」(コンダクター)を特集しています。

特集2日目となる4月12日(火)のオンエアでは、指揮者という専門職が誕生した歴史を紹介しました。

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一般の市民が音楽を楽しむようになってきた19世紀当初、ヨーロッパではあちこちにオーケストラが誕生し、指揮者の需要も増えていきました。

これに伴って、それまで楽団のリーダーや作曲者が片手間に行っていた「指揮」という役目の重要性にも、目が向けられはじめます。そんな中で、指揮者という専門職が誕生しました。

19世紀前半、オーケストラにおける指揮者の重要性と、指揮のあり方にこだわった作曲家といえば、ベルリオーズ、メンデルスゾーン、ワーグナーらが有名です。

ハイドンやベートーヴェンも指揮はしていましたが、古典派の時代までは、あくまで自分の作品の発表のため。他人の曲を振ることは、めったにありませんでした。

とはいえ、オーケストラを意のままに動かすには、音楽能力に加えて「統率力」や「指導力」などそれなりの資質が必要。このようなことが苦手な作曲家にとっては、安心して任せられるプロの指揮者の存在は不可欠でした。

専門の指揮者として最初に有名になったのは、1774年生まれの、ガスパーレ・スポンティーニと、1781年生まれのフランソワ=アントワーヌ・アブネック。

ベルリン歌劇場の総監督として、長年腕を振るったスポンティーニは、大きな指揮棒の真ん中を持ち、将軍のような迫力のある指揮ぶりで、人気があったそうです。

一方、ヴァイオリニスト出身で、時にはヴァイオリンを弾きながらの指揮=「弾き振り」もみせたアブネック。彼は当時のロマン派音楽の傑作を次々に取り上げ、紹介していきました。

ところで、耳が悪かろうが、あくまで自分が作曲した曲は、自身の指揮にこだわったのがベートーヴェンでした。その結果、悲惨なエピソードがたくさん残されています。

たとえば、「田園交響曲」の初演では、途中でやり直し。「第七交響曲」は、オーケストラよりも先に、自分の指揮が終了。オペラ「フィデリオ」では、歌手の声が聞こえず、他の人に途中で交代……。

そうなることは予想されたとしても、自分が作曲した音楽を壊されたくないと、他人に任せられなかったのですね。

【関連サイト】

「DAIWA HOUSE SECRET NOTES」オフィシャルサイト

http://www.j-wave.co.jp/original/acoustic/secretnotes/

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