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賭博に揺れるスポーツ界

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 バドミントン界のエースで、リオデジャネイロ五輪への出場が確実視されていた選手が、違法な裏カジノに出入りし、賭博を行っていたことがわかりました。日本バドミントン協会は当該選手らをリオ五輪に出場させない方針を明らかにしています。
 最近では、2015年10月に巨人の選手らが野球賭博をしていたことが発覚し、さらに2016年3月には別の選手の関与も発覚して、当該選手は1年間の失格処分となっています。現役の選手が賭博行為に手を染めて、自軍の試合も賭けの対象にしていたことが大きな問題となっています。
 今回は、問題となっている賭博をめぐる法律について見てみたいと思います。

 賭博については、賭博及び富くじに関する罪として刑法が規定しています。刑法185条は、賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する、と規定しています。

 なぜ、賭博を取り締まるのかですが、賭博は公序良俗、すなわち健全な経済活動及び勤労への影響と、暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪の防止がその理由とされています(最判昭和25年11月22日)。
 さらに、常習として賭博をした者については3年以下の懲役、賭博場を開いたりした場合には3年以上5年以下の懲役、というより重い刑罰が定められています(刑法186条)。

 「賭博」とは、「偶然の事情によって財物の得喪を争う行為」のことを指します。対象となるのは金銭に限られず、財産上の利益の一切を含みます。
 ただし、一時の娯楽に供するものを賭けたにとどまるときは不処罰とされています(刑法185条ただし書き)。具体的には、飲み物や食事などが挙げられます。
 また、飲み物や食事の費用を負担させるために金銭を支出させた場合は、賭博罪は構成しないというのが判例の考え方です(最判昭和23年7月8日)。

 最近、テレビで自分の飲食代を予想して設定された金額に近いかどうかを競って、一番設定された金額から乖離していた人が、出演者全員の飲食代を負担するというテレビ番組がありますが、あれも一種の賭博行為に該当しそうです。しかし、この判例に従って賭博罪は成立しないということになるでしょう。
 逆に、金銭そのものは、一時の娯楽に供するものはいえないとされており(最判昭和23年10月7日)、少額でも金銭をかければ賭博罪が成立することになります。

 競馬・競輪・競艇・オートレースは賭博に該当しますが、それぞれ競馬法自転車競技法モーターボート競争法小型自動車競争法という特別な法律によって、特定の団体による施行が許可されています。

 賭博をめぐる動向としては、2020年の東京五輪開催にあわせて、日本におけるカジノ解禁を目指す動きがあります。「統合型リゾート整備推進法案」という法案が2013年に国会に提出されています。
 この法案が成立すると、国が認定した区域に限り一定の要件を満たせば、カジノが設置可能となります。日本人はギャンブルに依存しやすいという統計なども出ており、多重債務者問題、マネーロンダリングの温床となるといった懸念から、現在は慎重論が強く、成立は難航しているようです。

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