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45年ぶりに1970年代初期のメンバーが再集結した『サンタナIV』は、タイムスリップしたかのような充実作(Album Review)

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 サンタナが帰ってきた!といっても、カルロス・サンタナ率いるラテン・ロックのトップ・バンドは、ずっと現役で活動し続けている。何が帰ってきたのかというと、1970年代初期のメンバーが再集結したということ。そして、アルバム・タイトルもずばり『サンタナIV』。要するに、1971年の傑作『III』に続く位置付けということなのだ。

 サンフランシスコで結成されたサンタナは、伝説の音楽フェス、【ウッドストック】で強烈な演奏を披露した後、1969年に『サンタナ』で華々しくデビューした。続く1970年のセカンド・アルバム『天の守護神』からは、「ブラック・マジック・ウーマン」や「僕のリズムを聞いとくれ」といったヒット・チューンを送り出し、ビルボード・チャートで首位を獲得する。『サンタナIII』では当時17歳の天才ギタリストとうたわれたニール・ショーンが加入。本作も全米1位を記録し、名実ともにロック・シーンの頂点に立つ。しかし、1972年の4作目『キャラバンサライ』は、バンドのクロスオーヴァーなエッセンスを最大限に活かした傑作だったが、多少のメンバー・チェンジがあったことも相まって、いわゆるラテン・ロック的な味わいは控えめとなってしまった。

 45年ぶりに当時のメンバーが集まったという『サンタナIV』は、『サンタナIII』の続編というには申し分のない、ラテン・グルーヴが炸裂している。再会したメンバーは、グレッグ・ローリー(キーボード)、マイケル・シュリーヴ(ドラムス)、マイケル・カラベロ(パーカッション)というデビュー時の黄金のラインナップに、すっかり”現ジャーニー”という方がわかりやすいニール・ショーン(ギター)という布陣。加えてサンタナの現行メンバーであるベニー・リートヴェルド(ベース)とカール・ペラーソ(パーカッション)がサポートしている。そして、冒頭の「ヤンブー」から粘っこい音世界が広がっているのだ。タイムスリップしたかのような往年の名盤を思わせるバンド・サウンドは、今の時代においても新鮮。「フィルモア・イースト」なんていうタイトルのインスト曲には思わずニヤリとさせられるし、同時代に一世を風靡したアイズレー・ブラザーズのロナルド・アイズレーが参加したヴォーカル・ナンバーもクールだ。「哀愁のヨーロッパ」を彷彿とさせる「スウェニョス」の泣きのギターも、当時からのファンにとっては感涙モノ。しかし、レイドバックするだけでなく、プログラミングされたトラックとアフロ・キューバンのリズムを合体させた「カミナンド」のように、過去と現在をつなげるようなナンバーを披露するのも忘れない。いずれにせよ、昨今のポップ路線が物足りないファンにとっては、間違いなく満足する内容だろう。

 本作のリリースと同時に、ジャーニーとのジョイント・ライヴを行うなど、話題を欠かさないサンタナ。このクラシック・メンバーによる続編が、早くも待ち遠しくなるほどの充実作だ。

Text: 栗本斉

◎リリース情報
『サンタナIV』
サンタナ
2016/04/15 RELEASE
2,700円(tax incl.)

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