ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

『劇場版ウルトラマンX』はウルトラマン生誕50周年に相応しいお祭り映画

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 3月12日、映画『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』が公開されました。実は今年は、初代『ウルトラマン』が放送されてから50周年の記念すべき年であり、『劇場版ウルトラマンX』はそれに相応しいお祭り的な映画でした。

 そこで本稿では、ウルトラマン生誕50周年という観点から、本作がいかなる特徴を持った作品であったかをご紹介したいと思います。

【関連:コラム・うちの本棚『楳図かずおが手がけたコミカライズ『ウルトラマン』】

 まず、本作のポスターに初代ウルトラマンとウルトラマンティガがもろに映っていることからお分かりの通り、両ヒーローが登場します。ウルトラマンティガは平成時代におけるウルトラシリーズ中興の祖であり、生誕20周年でもあります。初代ウルトラマンの出番では初代ウルトラマンの劇伴が、ウルトラマンティガの出番ではウルトラマンティガの劇伴が流れ、大いに盛り上がりました。
 劇伴の話題でついでにもう1つ申し上げますと、『帰ってきたウルトラマン』以来、長年に亘ってウルトラシリーズを彩った、合唱団による「ワンダバ♪」という歌声が流れたことも古くからのウルトラシリーズファンにとっては嬉しいところです。 そして『劇場版ウルトラマンX』最大の特徴は、過去のウルトラシリーズの監督に対する敬意と、その功績を讃えようという意欲に溢れていたことです。

 歴代ウルトラシリーズ、特に昭和のウルトラシリーズは、1本に2人の監督がいました。1人は人間のドラマ部分(本篇と言います)の監督で、タイトルクレジットでは「監督」と表記されます。もう1人はミニチュアセットにおけるヒーロー、怪獣、戦闘機等の特撮シーンの監督で、タイトルクレジットでは、作品が制作された時期によって「特技監督」「特殊技術」「特撮監督」と表記されました。
 昭和のウルトラマンで、本篇監督と特技監督が同一人物だった回は、初代『ウルトラマン』で2話、『帰ってきたウルトラマン』で1話あった程度で少ないのですが、平成のウルトラマンでは、本篇監督と特技監督が同一人物である回が少なくありません。『劇場版ウルトラマンX』は田口清隆監督が本篇監督と特技監督を兼任しました。

 それでは具体的に見ていきましょう。
 まず、怪獣から逃げる群衆のシーンでは、誘導する警察官がいました。このような描写は、『帰ってきたウルトラマン』で本篇監督を務めた本多猪四郎監督が得意とした描写でした。
 次に、画面の手前に怪獣の足が映り、股の間から、奥にいるウルトラマンティガが映る場面があります。これは、『ウルトラマンタロウ』『ウルトラマンレオ』の特撮監督を務めた矢島信男監督が得意とした描写です。

 そして、本作のパンフレット16ページによれば、本作におけるミニチュアセットは
「田口監督が幼い頃に楽しんだ平成ゴジラシリーズを意識したもの」
とのことです。平成ゴジラシリーズの特技監督といえば、『ウルトラマンエース』『ウルトラマンタロウ』『ウルトラマン80』の特技監督を務めた川北紘一監督であります。

 筆者は田口監督より4歳年下ですが、川北監督の平成ゴジラシリーズにはどっぷり浸かった世代であり、『ゴジラVSキングギドラ』以降毎年必ず映画館に観に行ったものでした。川北監督の平成ゴジラシリーズの特徴の1つに、広大なミニチュアセットがあります。
『ゴジラVSキングギドラ』では東京都庁周辺
『ゴジラVSモスラ』では横浜のみなとみらい
『ゴジラVSメカゴジラ』では幕張メッセ周辺
『ゴジラVSスペースゴジラ』では福岡タワー周辺
『ゴジラVSデストロイア』では東京ビッグサイト周辺
の見事なミニチュアセットが画面に映し出されたのです。『劇場版ウルトラマンX』でもやはり精密なミニチュアセットが登場しました。足元の歩道橋なんかよくできています。ビル街のミニチュアセットを堪能することは、怪獣映画を映画館の大スクリーンで観る醍醐味の1つです。流石は田口監督、よく分かっていらっしゃる。

 最後に4月6日夜、新宿ピカデリーという映画館で開催された主人公大空大地役・高橋健介さんの舞台挨拶の模様をご紹介します。
高橋さんは劇場内でチビッ子達に映画の感想をインタビューして回ったのですが、チビッ子達は予想外の変化球回答を連発。しかし高橋さんはそれらの変化球回答を上手く活用し笑いに変えていました。高橋さんは本当にアドリブ力が高いですね。チビッ子達と高橋さんのやり取りはまるで漫才のようでした。そしてチビッ子に回答を貰ったらお礼を言うのを忘れない姿が好印象でした。
チビッ子とのやり取りの後は高橋さんによる変身ポーズ講座、観客と高橋さん、ウルトラマンXとのハイタッチ会も催され、大変盛り上がったイベントとなりました。

▼参考
ヤマダマサミ『空想特撮美術体系 大ウルトラマン図鑑』1996年、ホビージャパン

(文:コートク)

関連記事リンク(外部サイト)

アメリカ版キラキラネーム? 赤ちゃんに付けられた「変わった名前」
テレビのタブーを破った伝説アニメ『パタリロ!』 スペシャルプライスDVD-BOX発売へ
天気予報でよく使われる「花散らし」は実は隠語?ミヤネ屋指摘で話題

カテゴリー : エンタメ タグ :
おたくま経済新聞の記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP