取材7件、見学70組以上が殺到! 大人気の猫専用アパートとは

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取材7件、見学70組以上が殺到! 大人気の猫専用アパートとは

ネットをひらけば猫写真に動画、テレビや雑誌でも猫の姿を見ない日はありません。最近では「ネコノミクス」なんて言葉も出てくるなど、猫と猫好きがちまたをにぎわせています。ただ、残念なことに賃貸で「猫複数飼育OK」という物件は、まだまだ少数。そんな中、この3月、「猫専用アパートメント」が横浜にできるというではありませんか! 大家さんの思い、物件のプロデュースに携わった木津さんに話を伺いました。

キャットウォークに専用庭。猫も人も快適に暮らせる工夫が満載

猫専用アパートが誕生するのは、横浜の中心街にもほど近い、住宅街の一角。昔は料亭街でしたが、現在はマンションやアパートが立ち並んでいます。猫専用アパートの名前は、「Seilan Apartment(セイラン アパート)」。全6戸で、賃貸用の住戸は5戸。1階には大家である神田さん親子が暮らしています。家賃は9万円(別途管理費4000円)〜、間取りは1DKですが、ロフトや収納が多く、全体にゆったりしたつくりなので2人暮らしも可能。1住戸猫2匹(いちばん大きな部屋なら3匹)まで、飼育することができます。

物件のいちばんの特徴はというと、1階に専用バルコニー、2階の部屋にキャットウォークがあること。

「1階の2部屋にはバルコニーがついていて、猫といっしょにひなたぼっこができます。ガーデニングしてもいいですね。高さ1.8mの脱走防止柵があるので、何かモノを置く&油断しない限り、猫が外に逃げてしまうことはまずないと思います。2階のお部屋にはキャットウォーク&ロフトがあるので、猫が存分に運動会できると思いますよ」と話すのは、この物件のコンサルティングを担当した、木津イチロウさん。もともとIT系企業勤務でしたが、猫を拾ったことがきっかけで、現在は東京・杉並にある猫専用デザイナーズアパート「Gatos Apartment」の大家さん&コンサルタントをしているそう。【画像1】ロフトとキャットウォークがある部屋。ぐるりとキャットウォークが囲んでいるので、猫は思う存分、駆け巡れそう(写真撮影:嘉屋恭子)

【画像1】ロフトとキャットウォークがある部屋。ぐるりとキャットウォークが囲んでいるので、猫は思う存分、駆け巡れそう(写真撮影:嘉屋恭子)

さらに全住戸共通の仕様として、洗面まわりに猫トイレが2台以上置けるほか(猫を複数頭飼育する場合、頭数+1台のトイレ設置が望ましい)、ドアにはペット用くぐり戸をつけました。玄関まわりに猫脱出防止の内扉をつけたほか、壁紙は猫の爪がかかりにくいものを採用。ペット用ヒーターやファウンテン(ペット用循環式自動給水器)を室内に設置しやすいよう、住まいのいたるところにコンセントがあります。【画像2】洗面所には猫トイレ2台おける広さを確保。換気口をつけたため、トイレのニオイがこもることはない(写真撮影:嘉屋恭子)

【画像2】洗面所には猫トイレ2台おける広さを確保。換気口をつけたため、トイレのニオイがこもることはない(写真撮影:嘉屋恭子)

ゆとりある玄関。実は猫にさわってほしくないものの保管場所

注目したいのは、かなりゆとりのある玄関まわり。一般的に30m2〜40m2の部屋の場合、居住空間の広さを確保するため、玄関は最低限の広さとなることが多いものですが、こちらでは分譲マンション並みの広さを確保。実はこれにも理由があり、脱走防止用の扉の外にある玄関に「猫にさわられたくないもの(お米や猫えさの予備など)」を置いておくことを考えてだそう。

また、脱走防止扉は外側からカギをかけることができるので、頭の良い猫でもさすがに開けることはできません。どれも猫を飼育した経験があれば「助かる!」「おお、便利!」と驚くものばかり。複数の猫を飼育しても、人も猫もストレスなく暮らせるよう、細部まで工夫がされています

ただし、入居する猫&飼い主にも次の5つの条件があります。

(1)猫は室内で飼育する

(2)定期的なワクチン接種

(3)避妊・去勢手術が済んでいること

(4)猫の爪とぎを用意すること

(5)禁煙

こうして猫や入居に際しての条件が明確なことで、入居後も猫とヒトが快適に暮らしていけるのだといいます。ちなみにこの「猫専用アパート」、完成前からかなり注目を集めていたようで、見学会を前にして取材だけで7件、完成日の物件見学希望者が70組以上というから驚きです。【画像3】ゆったりとしたつくりの玄関。猫脱走防止用の内扉があるので、猫が外に出ることはない。玄関側から施錠できる(写真提供:Gatos Apartment)

【画像3】ゆったりとしたつくりの玄関。猫脱走防止用の内扉があるので、猫が外に出ることはない。玄関側から施錠できる(写真提供:Gatos Apartment)

住人同士の交流があれば、ペットがいても海外旅行に行ける!

では、どうして猫専用アパートにしようと思ったのでしょうか。

「もともとは古い木造アパートだったのですが、老朽化のため建て替えることに。私自身、猫(アメリカン・ショートヘア)を飼育しているので、せっかくなら賃貸でも猫を飼えるような住まいにしたかったんです」と話すのは大家の神田さん。ただ、建築を担当するハウスメーカーにいろいろと頼んでみたものの、「できません」「やったことがありません」とにべもなく断られることが続いたそう。そこで、ネットで検索し、木津さんのことを知って、相談し、所有する猫専用アパートを見学しにいったことが、はじまりだったという。

木津さんは、「2015年の夏ごろ、完成予想となる間取図を見せてもらったんですが、”何からなおしていこう”と思うくらい、まったく配慮がされていなくて。人間のトイレの場所と猫のトイレの場所、イチから指摘していきました」と振り返る。その後、ハウスメーカーとも複数回、打ち合わせをし、試行錯誤のすえ、やっと完成にこぎつけたそう。

「不慣れなので大変でしたが、木津さんの力添えもあり、なんとか完成しました。アパートでもせっかくつくるなら、自分でも住みたいと思える家がいいと思って。人が帰ってくると猫がいて、ほっとできる空間で生活してほしい」と神田さん。

「猫専用アパートに暮らしている人は、猫という共通項があるので、きっかけがあれば住人同士が仲良くなりやすいんです。仲良くなると、防犯上でも良いことがありますよね。また、住人同士が猫のめんどうを見合うことで、”海外旅行に行けた!”ということもあったんですよ」と木津さん。

猫と心地良く暮らす住まいついては、まだまだ日本は発展途上。一過性の猫ブームではなく、人と猫、快適に過ごせる空間が当たり前になってほしいと強く願う取材となりました。●取材協力

Gatos Apt
元画像url http://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2016/04/109186_main.jpg
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