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PandoraがCEO交代を発表、共同創業者のティム・ウェスターグレンが就任

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PandoraがCEO交代を発表。定額制、海外進出を狙うラジオ型音楽ストリーミングの経営陣に何が起きたのか?

米国最大のユーザー数を抱え、Spotifyやアップルと熾烈な競争を繰り広げているネットラジオ「Pandora」が、CEOのブライアン・マクアンドリュース(Brian McAndrews)が同社を去り、後任に共同創業者のティム・ウェスターグレン (Tim Westergren)が就任したことを突如発表し、音楽ビジネス業界を騒然とさせました。

過去にマイクロソフトの広告事業部の上級副社長も務めたマクアンドリュースは、2013年にVCのMarona Venture GroupからPandoraのCEOに就任し、同時に会長兼社長も兼務してきました。マクアンドリュースの就任によりPandoraは、広告収入や定額制課金などによる利益拡大にメスを入れることが期待されていました。マクアンドリュースはまたニューヨーク・タイムズやGrubHubなどで取締役を務め、テクノロジー業界と広告業界に精通したCEOで知られています。

Pandoraが発表した声明文でマクアンドリュースは「2年半という間、PandoraのCEOを務められたこと、そして私は共に働いてくれた才能と情熱に溢れる同僚と成し遂げた成果を誇りに思います」とコメントしています。

マクアンドリュース在籍期間中にPandoraは、オンラインチケットサービスのTicketFly、SNS音楽データ解析サービスのNext Big Soundなど、先進的な音楽スタートアップを買収、音楽ストリーミング以外の領域の強化をアグレッシブに図ってきました。

しかし、Pandoraが最大の問題としてきた収益化は依然として改善されませんでした。Pandoraの売上は年々拡大しています。一方で赤字経営は継続したままの状況は改善されず、CEOとして収益モデルを確立することに成功できませんでした。

2015年末に報告されたPandoraのアクティブリスナー数は8110万人。これは2014年末の8150万人から減少にあり、8000万人台の壁から成長する具体的な施策を打ち出せていません。音楽ストリーミングの利用が全米で普及する中、収益化に加えて、ユーザー獲得の面でも大きな業界の波に乗り遅れ厳しい状況に直面しています。

音楽ストリーミングの伸び悩みを打破するため、Pandoraは2016年に定額制音楽サービスに進出する計画を進めています。2015年後半に破綻したRdioの資産を買収し、SpotifyやApple Music、Deezerなどに競争を挑みます。これは、これまでのフリーのラジオ型音楽ストリーミングが中心だった戦略からの大きな方向転換となります。

Billboardによれば、Pandora取締役はマクアンドリュースに信頼を失ったと、ある音楽サービス幹部の情報を伝えています。その理由の一つとなったのが、マクアンドリュースが音楽業界との関係構築に合わせられなかったことが挙げられています。その他の理由としては、Pandoraのコア事業であるラジオ型音楽ストリーミングと広告事業の海外展開に失敗したことが、信頼を失う理由につながったとBillboardは伝えています。Pandoraは現在法的な理由から米国、オーストラリア、ニュージーランドでしか事業を展開できていません。一方でSpotifyは世界59カ国、新規参入のApple Musicに至っては113カ国に展開しています。

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SpotifyやApple Musicの成長が業界で常に話題となる音楽業界で、Pandoraに停滞感が漂い始め、「広告型」音楽ストリーミングの遅れたビジネスモデルの代表格とPandoraが見られるようになったことも同社に対する評価を厳しくしています。

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Pandoraには今年に入って身売りの噂が浮上。現在まで詳細は噂レベルを超えていませんが、買い手はグーグルまたはYahoo!とも推測されたことから、Pandoraの将来性と信頼性を疑うネガティブな情報が広がってしまいました。

今回のCEO交代によって創業者のリーダーシップの元、コア事業の音楽サービス開発に立ち返り、Pandoraがこの数年実現できなかった成長の実現が問われます。

創業者のウェスターグレンはPandoraリスナーと楽曲をマッチさせる独自の視聴行動解析アルゴリズム「Music Genome Project」開発を指揮してきた実績を持ちます。

今回の経営陣改革で、Pandoraは最高財務責任者を務めるマイク・ハーリング (Mike Herring)が社長に、また取締役のジム・フォイユ(JIm Feuille)が会長に就任する人事も発表しました。

Pandoraはまた、同社初のチーフ・マーケティング・オフィサーであるサイモン・フレミング・ウッド(Simon Fleming-Wood)が同社を去ることを発表しました。

■記事元http://jaykogami.com/2016/04/12981.html

記事提供All Digital Music

Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
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