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障碍者施設で子どもが急死。弁護士に依頼したほうがよいでしょうか?

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障碍者施設で子どもが急死。弁護士に依頼したほうがよいでしょうか?

Q.

 障碍者施設の利用者だった息子が外傷性の十二指腸穿孔から腹膜炎を起こし、急死しました。警察でも捜査されているようです。ただ、親として事情がまだ正確に把握できておらず心配しております。
 こうした場合、弁護士に依頼したほうがよいでしょうか?ご教示ください。

(70代:男性)

A.

 ご相談内容の事例においては、刑事上どのように対応すべきかという部分と、民事上どのように対応すべき部分かという両面から考えなければならないと思われます。

 まず、刑事上の責任について。あまり考えたくはありませんが、施設内で利用者に対する暴行などが生じ、その結果利用者であるご子息が亡くなられたということであれば、(殺人の故意があれば)殺人罪(刑法199条)、(傷害の故意しかなければ)傷害致死罪(刑法205条)などが成立しうると思われます。

 一方で、転倒などによる不慮の事故で外傷を負い、その結果お亡くなりになったということであれば、業務上過失致死罪(刑法211条1項。ただし、この場合施設の管理者なのか直接ご子息をサポートされていた方が罪に問われるのかなど議論の余地があります)などの成立余地があります。

 いずれにせよ、警察で死亡の原因を捜査されているということでしたら、その捜査の進展を見守ることになろうかと思います。
 もし、上述のような刑事上の責任があるとなれば、特段、弁護士の手を借りなくても(必要に応じて被疑者の逮捕や取り調べを行った上で)刑事裁判の手続きに移行するものと考えられます。

 次に、民事上の責任について。これは刑事上の責任追及のように何もしなくても捜査が進展するということはありません。
 もし、ご相談者様が施設側の不手際、あるいは故意による傷害によってご子息が亡くなってしまったことに対して、損害賠償請求という形で民事上の責任追及をするのならば、弁護士を頼る必要があろうと思われます。

 具体的には、障碍者施設が、一定のサポートをご子息に提供することを一つの契約と捉え、その契約が誠実に履行されなかったためにご子息が亡くなったという法的構成を取り、債務不履行に基づく損害賠償請求がありえます(民法415条)。また、他人からの権利侵害によって損害が生じたという法的構成を取る、不法行為責任に基づく損害賠償請求も考えられます(民法709条)。

 こうした訴訟手続においては、施設側が適切なサポートを行っていたかなどを把握するため、例えば日々の記録などをご相談者様が確保することが重要になります。
 そこでは、証拠保全手続き(民事訴訟法234条以下を参照)を活用して、施設側が証拠を隠蔽したり破棄したりするのを防ぎ、証拠収集を行うことが有効になってきます。

 こうした手続を想定される場合、やはり専門的な知識が必要になってくるため弁護士に依頼をするほうがよいと考えます。
 刑事上の責任追及の進展状況を警察などに確認したりすることも手続きの過程において出てくるため、捜査が適切に進んでいるかをチェックすることもあわせて依頼するのが有効ではないかと考えます。
 一度、各都道府県の弁護士会や法テラスなどを通じて、法律相談として事情をご相談されてはいかがでしょうか?

元記事

障碍者施設で子どもが急死。弁護士に依頼したほうがよいでしょうか?

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