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空のベビーカー、たたむ?たたまない? 半蔵門線の事故について考えた

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4月4日の午後3時ごろ、東京メトロ半蔵門線の九段下駅で、地下鉄が無人のベビーカーをはさんだまま発車、ベビーカーがホームの端にぶつかり大破する、という事故が起きた。

この事故は、子どものいる人のみならず、日ごろ電車を利用する多くの人々にとっても関心の高いニュースとなっているようだ。

■改めて考えたいベビーカーの“ルール”と“マナー”

こういう事故が起きるとすぐはじまる“ベビーカー叩き”であるが、すぐに「ベビーカーを盾にして無理やり乗り込んだのだろう」という根拠のない書き込みが、Twitterなどで多く見られた。

近年、鉄道各社では「ベビーカーマーク」が導入され、車両の外壁にピクトグラムが貼ってあるのを見たことのある人も多いだろう。 車いすスペースと同じような形で場所が確保され、ベビーカーはたたまず乗車が可能となっている。

しかし、車両は作られた年代や鉄道会社によって仕様がまちまちな上、物理的にスペースを設けられないケースも多い。

また、ベビーカーになじみのない人には“正直どうでもいいニュース”扱いとなってしまった、この「ベビーカーマークの導入」と「ベビーカーはたたまず乗車」のルール。 一般に広く周知されていないことにより、現在も不毛な軋轢がそこかしこで行われている。

■空のベビーカー、たたむ?たたまない?

「ベビーカーをたたむか、たたまないか」ときかれれば、「TPO」と答えるほかないだろう。 子どもが乗っている場合は、よほど混んだ電車に突入しなければならないときは降ろしてたたむし、混んでいなかったり、子どもが寝てしまっている場合は、たたまないで何とかする方法を考える。

子どもを抱っこし、ベビーカーを荷物置きに使うケースもある。 子によってはベビーカーを嫌がる“抱っこマン”がいるので、その場合はこの方法しかなくなる。 荷物しか積んでいないベビーカーの場合は、混んでいたら極力たたむようにするが、暴れる10キロ前後を抱っこしたまま、手には大荷物とたたんだベビーカー。

どこにつかまったらいいのだろうか、いま、私の手は2本しかない。

……できれば、たたみたくないのが本音だ。

なお、子連れ外出の際に、夫が同伴かどうかも大きいだろう。

「私は移動の際には抱っこ紐だ、ベビーカーで電車に乗るなんてどうかしている」という、前後のツイートからはほんとうにお子さんがいらっしゃるのかどうかわからないアカウントが発言しているのを見たばかりだが (これに限らずインターネット上には、『ほんとうかどうかわからないもの』が、今日もたくさん泳いでいる) 「私はできる、だからみんなができないのがおかしい」という論法はなにも解決しない。

たとえば、あなたが若くて元気なご夫婦であればそれでもいいだろう。 しかし、我が家のように、日に日に重くなる赤子で腰を痛め、ぎっくり腰を患った妻とヘルニアになった夫の、40歳前後の夫婦の場合。

家にいても子どもが暴れるので、階下の人に迷惑がかかるし、やんちゃ盛りの5歳と1歳をつれて外に出なければならない。 電車で1時間半ほどかかる妻の実家に行きたいと上の子が言い出し、ぐずっている。実家も了承済みだ。 車は持っておらず、1日の活動予算は、世帯全員で3000円とする。(食費込み) さて、この場合、電車以外の移動手段とはなにか。

■再発しないため、「人はミスをするもの」という前提に立って考えたい

どうも巷では「駆け込み乗車であろうとなかろうとベビーカーが悪い」という論調のようだが、忘れてはいけないのが、本件は地下鉄における列車事故である。

日々、人命を預かって運行している鉄道業務で、乗務員の確認ミスにより発生しているわけで、乗る側のマナー問題にすりかえてしまっては根本的な再発は防げない。

まず、地下鉄を含む交通機関、および、ベビーカー。いずれもが命を乗せているということを忘れないようにしたい。 新人だろうが性別がなんだろうが、現場に出た以上プロである。 事故が起きないように、新人には補助要員をつける、研修や指導を十分に行うなど、マンパワーで解決できる問題もあるだろう。

また、注意しても失敗するときはするし、乗客にマナーを呼びかけても、現状なおっていないものはそう簡単によくならない……と考えたほうがいいだろう。 「人はミスをするもの」「人はなおらないもの」という前提で、機械的なアプローチで事故を防いだほうが早いこともある。

今朝も東京メトロに乗車したが、JRほど、ドアを閉めるときにわかりやすい合図がなく、構内がざわついているとアナウンスが聞こえにくいことがあった。 ベビーカーを乗せようとしているときに、急にドアが閉まりだす、ということはあるかもしれないなあと思ったのだ。

たとえば、発車合図をもっとわかりやすくする、電車のドアに何かがはさまったのを検知するセンサーの対象をもっと薄いものにする、全駅にホームドアの設置を急ぐ、ベビーカーの車軸をもっと太くする、など。

子どもができてから、危機管理能力や“バッドケースの想像力”というのが非常に高まってしまい、いいやら悪いやら……という日々を過ごしているが、「こうしたら何が起きるか」という、ちょっとした想像力で危険は回避できると思うのだが、いかがだろうか。

著者:kikka303

年齢:39歳

子どもの年齢:5歳・1歳

1976年東京生まれ、都立北園高校出身。東京モード学園に進学するもインディーズブランドブームにのって学校を中退、以降フリーランスのデザイナーとして活動。その傍ら、複数のテレビ局にてデジタルコンテンツを担当。2010年に結婚&出産。現在は都内某所にてWEBディレクター職についている。超イクメン夫、チャラい長男、食いしん坊な次男との4人暮らし。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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