桜餅、桜鯛、桜いか。日本人が愛する「さくら」の食文化
春本番を告げる桜は、日本人にとっては特別な花。平安時代には「花」といえば桜を意味するほど、薄紅色の清楚な花姿は人々に長く愛されてきました。そんな「桜」が日本の食文化にもたらした影響も実は少なくありません。
関東風と関西風がある「桜餅」
桜にちなんだ食べものといえば、「桜餅」を最初に思い浮かべる人が多いでしょう。桜を思わせるほんのりピンクの生地であんを包み、さらに桜の葉の塩漬けをくるりと巻いた桜餅は、4月のうちにぜひとも食べておきたい伝統の和菓子。関東風はクレープ生地のように薄い皮で、関西風はつぶつぶもちもちの皮で、それぞれあんを包むという違いがあります。
春のおめでたい席にぴったりの「桜鯛」
「魚の王様」とも呼ばれる真鯛の産卵期は3~6月にかけて。産卵を控え、桜の花が盛りの頃に浅瀬に群集する真鯛を、とくに瀬戸内海沿岸では「桜鯛」「花見鯛」と呼びます。鯛といえば昔から「おめでたい」との語呂合わせもあり珍重されてきた魚ですが、この時期の桜鯛は色も美しい上に産卵を前に味もよく、祝いの膳には欠かせないもの。塩焼き、アラ炊き、鯛めし、潮汁など、上品な味わいが好まれます。
花見どきに獲れる紅色「桜いか」
桜の花の咲く頃に獲れるイカは、見た目が紅色で鮮やか、味も優れているため「桜いか」「花いか」とも呼ばれています。「花烏賊」といえば俳句の世界では春の季語。新鮮な花いかが手に入ったら、ぜひとも家でさばいてお刺身にしていただきましょう。もちろん、塩焼き、天ぷら、いかしゅうまい、イカスミパスタなどにアレンジしても。明治・昭和期の俳人である高浜虚子は、「俎板(まないた)に すべりとどまる 桜烏賊」という句を残しています。
いずれも桜咲く季節限定の春のごちそう。季節感が希薄になりつつある昨今ですが、4月だからこそおいしい味覚を楽しみたいものですね。
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